観てきました!
初日前夜はなぜか私までドキドキして
関係者かよ!と自分に突っ込むほど(笑)
先行上映や試写会の感想のほとんどが
言葉にならないだったのですが、
ひしひしと実感。
本当に言葉にならない。
ツラいとか悲しいとか美しいとか
感動したとか言いたいことがたくさんあるとか
とは違う理由で言葉にならない感じがして。
その正体がわからないままです。
観終わってしばらく時間がたってから涙が止まらなくなりました。
不思議な感情でした。
つよぽんの·····いや、ここは草彅剛で。
草彅剛の芝居は「うまいなぁ」と思う瞬間があります。その場面までの積み重ねたものが一気に爆発するような。
でもこの映画ではしみじみ「うまいなぁ」と
思うことがありませんでした。
それは凪沙でしかなかったから。
凪沙として生きている究極の演技。
目の奥の孤独と優しさ、言葉の端のあたたかさ。同じトーンで話しても様々な感情が伝わってくる力は彼ならではかもしれません。
うまいとか下手とか演技とかいい映画とかつまらないとか、観ているときはそんな感想めいたことも忘れてしまうような映画でした。
台詞が少なくて説明台詞がないところも緊張感が緩まなくてすごくよかったと思います。
その余白が登場人物の奥行きを作って、そこに温度が加わってくるような。そしてそれらが観ているこちら側に迫ってくるような迫力がありました。作り手の覚悟と迫力。
感想すらネタバレになってしまいそうなくらい
濃密なシーンの連続です。15分予告が公開された時、見せすぎなのではと心配しましたが、全く問題ないと感じました。さわりでしかないと思うくらい。
多用される歩く背中のショット
髪の変化
歩き方の変化
対になったシーンの伏線回収
見せ方隠し方、悲惨さの表現、問題提起と娯楽としての映画など、とてもバランスがよかったと思います。
あれほど過酷で美しいバレエの光と影
そしてピアノ音楽がとってもよかった!
登場人物はみんなひたすらに「生きている」だけで、苦しみも幸せもその人だけのものなのだと、一人一人に感じました。
俳優陣はみんな素晴らしくて。
一果役の服部さんは、もうこの瞬間のこの年令の今しかない、一生に一度の輝きを出しきった演技。素晴らしいものを観ることができた!と。ほぼ順撮りということで顔やたたずまいが変わっていく様がリアルタイムで見ているような気持ちになります。一果をやるために生まれてきたようだというのがぴったり。
早織役の水川あさみさんもとても良かった。
広島弁も迫力ありました。
実花役の真飛聖さん。ひとときの柔らかい温もりのような存在が効いていました。
監督が書いた 小説「ミッドナイトスワン」も
読みました。映画の中の余白を埋める答え合わせにもなっているので、観賞後に読みました。
ですが、答え合わせは必要ないのです。
無粋な気持ちになりました。
エンドロールのトップクレジットに
草彅剛の名前。何度観ても胸が一杯になります
監督が何度も言う「なんの後ろ楯もない映画」
に賭けたスタッフの想いがつまっているようでした。そしてどの映画を観ても思うのは、エンドロールの名前の多さ。本当にたくさんの人の力が合わされて出来ているんだなと改めて思います。今回はエンドロールの後に少しだけ監督からのプレゼント?が。
言葉にならないといいつつめっちゃ熱く語ってしまいました
たくさんの人に観てほしい!
