今月はグリーフサポートせたがやからこの本を借りてきました。


ずっと読んでみたかった本です。
グリサポせたがやは、米オレゴンのポートランドにあるDougy centerを習って作られた施設です。
ダギーセンターとは、小児がんを患っていたDougy(享年13歳)の行動が元になって作られたものです。
余命3ヶ月と言われた脳腫瘍と闘っていたダギーは、自分がもうすぐ死ぬと言われているのに、死について誰も話してくれない事に疑問を持ちその疑問をアメリカの精神科医エリザベスが返事を書きました。
それが本書です。『ダギーへの手紙』というタイトルですが、正式には『がんを患う子どもへの手紙』と題されている本です。

いのちって何?死って何?どうして小さな子どもたちが死ななければならないの?

という疑問に答えてくれている本なのですが、
やはりアメリカ人が書いたものですのでキリスト教色がとても強い。
全てはGodに着地します。
私的には、全て神で解決してしまうのはあまり好きではないのですが、その中でも心に響くフレーズもありましたので記しておきます。

要約しますが、

小さな子どもが死ななければならないということは、”役目を終えたから”という考え方です。
この世でやらなければいけないことを全部できたら、蝶が蛹を脱ぎ捨てるように、飛び立つ事ができる。

もちろん、突然の事故や殺人など予期せず命を終えなければならなかった子供達には当てはまるか分かりませんが、こう考えたら私にはこの理不尽な杏ちゃんの死は、少しは納得できるものでした。

“花によってはほんの短い間しか咲かないものもあります。でも、みんなその花を見て春の予感と希望を感じ、花を愛す。花は咲き終わると死んでしまいます。でも、花はやらなければならない役目を十分に果たしたのです。”

杏ちゃんも、もしかしたら役目を果たしたのかもしれない。そう考えると、なんとなく、辻褄が合うというか、少しだけ腑に落ちるような気がするのです。
ダギーや杏ちゃんのように、小さな子どもたちが死ななければならない理由。
それを考える事は、ある意味、意味のないことかもしれない。堂々巡りだし、哲学的だし、宗教によってもいろんな考え方があるし。
ても、それを考える事がグリーフであるのだと思います。
毎日違う気分や体調の中で考える。
考えたくない時も考える。
そして、毎日違う結論になる時もあるし、結論が出ない時だってたくさんある。
泣きたい時もあるし、逃げたい時もあるし、幸せな思い出だけを思い出す時もある。

その過程も、全てグリーフであり、グリーフとはそういうものなんだとも思うのです。