組合新聞2010年6月号の一部を紹介します。
最近の天候は、寒くなったり暑くなったりとよく変わります。まるで猫の目のように変わる政治を映し出しているようですね。
世界の経済ですがギリシャの財政危機が不安定な要因となり、これにファンドが加わり一層混迷を深めていましたが、ようやく収束方向になってきています。
相変わらず中国の景気は過熱気味で、不動産バブルとインフレが懸念材料となるものの、金融の引き締めが功を奏し始めています。
米国では景気が僅かながら回復してきているようで、一方の日本経済も設備投資が底入れした感があり、外需関連企業から上向いてきているようです。
最低賃金)
早速ですが、鬱陶しいニュースが入ってきました。
民主党は昨年のマニフェストに、『最低賃金の平均額1000円を目指す。当面は800円とする』としていましたが企業に配慮し、その時期は明記していません。
『厚労省では11月に800円にする法案を出す。景気の大幅後退に配慮する』
こんな記事が5月28日に出てきました。本当にこれでいいのでしょうか?
企業側に配慮するなんて言えるのは、毎月1500万円貰っているどこかの首相が言うことであります。1時間300円や500円の働きしか出来ない人たちは、いったいどうなるのでしょうか。働くなということでしょうか?
ましてやデフレ経済の中で最低賃金を上げるという議論さえバカらしく思えてきます。少なくても今は労働者のために働く職場を作ることが第一です。
【中国経済】人民元の行く道は?
胡錦濤国家主席は『中国は自発的に漸進的にという原則にのっとって人民元の改革を進める』と開会式で言っておられました。分かり易く言えば、『直ちに元の切り上げが出来ない。』と言ったのです。米国側もこれに対し突っ込んだ議論はせずに終わりました。
その理由として次のことが挙げられます。
①ヨーロッパの信用不安による影響
②中国経済は真性バブルほど過熱していない
③中国は米国にとって最大の債権国のため強く言えない
詳しく言うと、ヨーロッパは通貨の信用不安があります。ヨーロッパ経済の先行きが不透明の中で、輸出に影響しかねないため、直ちに元の切り上げが出来ないのです。
昨年の中国における通貨供給量が9月には同月比29%であったものが、本年4月には21%と減少しています。自動車等の販売も次第に鈍化しており、V字型回復は巨額の景気対策に支えられている状態です。
2008年にドルと元を固定させているためにドルが上がれば元も上がり、ユーロに対して元が切り上がっています。米国から見れば元は安くなることにより不満が増え、中国側から見れば元は他の通貨(ユーロなど)について高くなっています。
中国銀行の周小川総裁が、『遅かれ早かれこの仕組みをやめる』と言った理由。
すなわちバスケット制(通貨バスケット制・・・複数の通貨の動きに連動させる)を取らなくてはいけないことを暗示しているのではないでしょうか?
中国の元通貨に対する考え方は以下のとおりではないでしょうか?
①外国からの圧力に屈するようなことはない。(面子)
②投機的には外国からの資金の流入で過剰流動性を生んでいる。
③この豊富な資金でM&Aを行い、外貨を減らす。
④中長期的には元の切り上げ(バスケット制)の必要と考えている。
⑤その時期を見極めるのに苦労をしている。
中長期的には人民元の切り上げは間違いなくするでしょう。世界経済に大きな変動をもたらすことは確かなことです。
つづく・・・
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記:国際ビジネス情報協同組合 新聞編集部