世間が休みの夜になると、この街の店はどこも客がぽつぽつだった。
代わりに少し離れた大通りのレストランやショッピングモールは駐車場がいっぱいで、ちょっと出かけた帰りの人たちで賑やかにごった返していた。
この街は、つまらない平日と楽しい週末を味わうのにちょうどいいバランスが取れる場所なんだろう。
あたしは手袋を軽く握って毛糸の指をぷらぷらさせながら、明日のために何を買うべきかぼんやり考えながらいつものスーパーをうろついていた。
「…幸せってなんだっけ、なんだっけ…ナントカナントカがあるうちさ」
肩を落として前のめりに立っているおじさんがつぶやくように小さく歌いながら、並んでいる卵を上の空で覗き込んでいた。
その向こうには冷めかけた揚げ物を慎重に指で一つ一つ触りながら、どれがいいか選んでいるらしいおじいさんが見えた。
店員はもう諦めているのか、見て見ぬふりでその少し遠くを通り過ぎていった。
(…ああ、嫌だ…トング使うっての知らないのかな…ああいうのが来る前に揚げたて買うしかないわ)
注意する気にもならず、内心ため息をつきながらその煩わしい姿を視界から外した。


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