ひな人形・3



《タニの自宅》

「…これ押せばいいのか。あ、あ、あ…うん、録音されてる。はあ…まさかねえ」
「何してんの?」
「うわっ…いや、夜中に何か音がしないか録音してみようと思って」
「え?猫か何かいる?」
「いや、人形ってほら、いろんな」
「どうした?何かあったか?」
「タニが録音するんだって。ここで夜中に何か音がしないか確かめたいみたいよ」
「音?…しないだろう。今まで一度も聞いたことないぞ」
「あたしもないわよ、そんな怖いこと」
「俺もないけど…試しにだよ」
「…宴会してたらどうする?」
「ええ?…冷蔵庫空っぽなんだけど。食べる物足りなくても祟らないで欲しいわ」
「菓子があるからそれでやるだろう。そうしたらみんな甘党だな」
「まあね。お酒、甘酒だけだものねえ」
「…とりあえず朝まで長回しするからよろしく。猫の真似とかいいから、二人とも声でわかるからね」
「あれっ、企みがバレてるな」
「お邪魔はせぬよ。パパのいびきくらいは録れるかもね」
「…できるだけ静かに寝てください」