こんにちは

 

茨木元町どうぶつ病院 獣医師の松本です。

 

下顎(下顎第一全臼歯)の歯原性嚢胞については、以前に2回程、このブログでご紹介させていただきました。

 

今回は、上顎の歯原性嚢胞について説明させていただきます。

 

下顎歯と違い上顎歯は鼻腔に接しているため、歯原性嚢胞が大きくなった場合、呼吸器症状を呈することが多く認められます。

 

自宅で飼い主さんが左頬の腫脹に気づき、近くの動物病院で歯原性嚢胞の疑いがあると診断されているワンちゃんでした。

就寝時に鼻からブーブーと音が聞こえるようになってきているとのことでした。

 

明らかに左頬の腫脹が認められます。

また左上顎の犬歯、第一前臼歯、第3全臼歯が肉眼的に見当たりません。

 

 

歯科レントゲン検査にて、左犬歯の埋伏歯が認められました。

またその周囲に嚢胞があり、左犬歯埋伏歯からの歯原性嚢胞と診断しました。

 

 

上顎は下顎に比較して、血管、神経などの構造が複雑なため手術前にCT検査を撮影することとしました(他院にて)

CT検査にて嚢胞は第4上顎前臼歯、眼窩下孔付近まで存在することが確認されました。

 

 

 

手術では、埋伏した犬歯の抜歯、第2・第4上顎前臼歯の抜歯、嚢胞壁の徹底的な切除を行いました。

手術直後の様子です↓↓

 

 

手術後8か月目の様子です↓↓。

肉眼的な所見、歯科レントゲン検査、超音波検査で、嚢胞の再発は認めれませんでした。

一般状態も問題なく、経過良好でした。

 

 

上顎の犬歯が抜けたわけでもないのに存在していない場合、

一度は歯科レントゲン検査で、埋伏していないかどうかの確認をすることをお勧めいたします。

 

茨木元町どうぶつ病院 松本淳