こんにちは!

 

茨木元町どうぶつ病院です。

 

今回は義肢について書きます。

 

本症例はやまとちゃんのお話です。YOU TUBE ちゃんねるがあります↓↓

 

 

 

 

 

やまとちゃんは足先にできた腫瘍で、過去に2回手術+放射線治療をも行っていました。しかし、また腫瘍が再発してきているとの主訴で本院に来院されました。

 

大学病院では、何度も再発していることから前肢の根本(肩甲骨)からの断脚を提案されていましたが、それは受け入れられないということで、飼い主様自身で調べられ、最初から部分断脚と義肢を目的に本院に来院されました。飼い主様は人医療の関係者であったため、ご自身で判断されたようです。

 

病理組織検査の結果は「軟部組織肉腫」でした。

遠隔転移しづらく、局所再発しやすい という腫瘍です。

 

通常の小動物臨床では、このようなケースは、前肢根本(肩甲骨)からの断脚が伝統的に行われています。

しかし当院では東洋装具の島田先生に義肢を作製していただいているので、部分断脚(Partial amptation)で対応できます。

軟部部組織肉腫は遠隔転移しにくいため、部分断脚=義肢の最も良い適応症例となります。

 

 

 

パットの掌球掌球を中心に腫瘍が見られます。

骨までは浸潤してなさそうですが、かなり近心まで腫瘍が播種してます。

 

 

腫瘍のマージンと、術後の義肢の装着の両方を考え、

手根ー橈尺骨の間で切断し、橈尺骨の先端を鈍にするという手術を選択しました↓。

 

 

術後は東洋装具の島田先生に茨木元町どうぶつ病院に来院していただき、義肢を作製していただきました。

術後2か月目の様子です。成熟断端(義肢が装着しやすい足先)が形成されています↓。

 

 

術前の歩行の様子↓です。

3本脚での歩行になるので、あまり長距離は歩くことができなかったようです。

 

術後の歩行の様子↓です。

4本足で歩行することができることから、長距離の散歩が可能となりました。

 

you tubeちゃんねるの方が詳しく解説されていますね↓↓。

 

 

 

 

部分断脚+義肢は、足先(遠位)にできた腫瘍の場合、腫瘍のタイプによりますが、適応することができます。

希望の方は獣医師・松本まで、一度ご相談下さい。

 

茨木元町どうぶつ病院 獣医師 松本淳