こんにちは

 

茨木元町どうぶつ病院 獣医師 松本です。

 

先日、下唇の扁平上皮癌の手術をする機会がありました。

 

扁平上皮癌は悪性の腫瘍で、転移はしませんが、発生したその部分で大きくなっていく腫瘍といわれており、局所での管理が非常に重要となります。

 

他院で病理組織検査を実施し、扁平上皮癌と診断されてきた症例でした。

 

 

左下顎の下唇に潰瘍性の病変が認められます↓↓

扁平上皮癌の好発部位でもあります。

 

 

腫瘤の切除手術を実施しました↓↓

 

切除すると下唇がなくなってしまうので、下唇(口腔側の粘膜も)の形成手術を行っています。

その影響で唇交連が頭側に(上唇と下唇が交わる部分・口が短くなった感じです)位置しています。

また口腔前庭も狭くなっています。

 

 

切除した検体です。

病理組織検査の結果はやはり扁平上皮癌でマージンはクリアーでした。

 

手術後6カ月目の状態です↓↓

転移・再発もなく経過良好です。

 

扁平上皮癌は局所での再発が多い腫瘍のため、これからも定期的な観察が必要です。

 

茨木元町どうぶつ病院 松本淳