こんばんは

 

茨木元町どうぶつ病院 松本淳です。

 

ワンちゃんねこちゃんの歯の数はご存じでしょうか?

 

ワンちゃんの永久歯は42本 、ねこちゃんの永久歯は30本あります。

 

永久歯が一本でもたりない場合、「臨床的(肉眼的)な欠如歯(欠歯)」)となります。

 

臨床的欠歯の場合、理由が2つあります。

 

①もともと歯がない(これが本当の欠如歯)

②歯茎の中に埋まっている(埋伏歯)

 

の2つです。

 

どちらも、小型犬や短頭種多い現象です。

①は問題ありませんが、②は将来的に、(A)歯原性嚢胞(水たまり)や、(B)腫瘍になることがあると言われています。

 

特に、(A)歯原性嚢胞は、発生率が高く、よく見られる疾患です。

 

今回、チワワさんの下顎第一前臼歯の臨床的欠歯で、全身麻酔下でのレントゲン検査の結果、埋伏歯からの歯原性嚢胞であった症例に遭遇しました。

 

犬歯の後ろ(尾側)に、浮いたような歯があり、袋につつまれたようになっています。

これが、埋伏歯からの歯原性嚢胞です。

 

肉眼的には、その部分の歯が確認できず、青くふくれたようになっています。

切開すると中から液体がでてきました。

 

歯原性嚢胞の原因歯である埋伏歯の抜歯と、嚢胞に巻き込まれている頭側1本(犬歯)、尾側1本(第2前臼歯)の歯も抜歯しました。第3切歯は歯周炎のため抜歯しています。

嚢胞の袋を全て取り除かなければ、嚢胞は再発してしまいます。そのため、嚢胞に接している前後の歯と、袋を器具を使用して取りのぞきました。

 

縫合後です。

 

嚢胞は処置せず放置すると、拡大し続け、下顎骨が溶けてなくなってしまいます。

癌ではないのですが、転移しない良性腫瘍のような挙動をとります。

 

歯が足りない!場合は、当院までお気軽にご相談ください。

 

 

茨木元町どうぶつ病院 

        松本 淳