こんにちは。

 

茨木元町どうぶつ病院 獣医師・松本淳です。

 

7月から当院の病院内で猫SAAが測定できるようになりました。

 

猫SAAは、人や犬のCRPに相当する炎症マーカーです。体内にどれくらい炎症があるのかを判定します。

 

今までは、SAA測定を検査センターに依頼するか(日数がかかる)、白血球数、体温、画像所見などで、炎症を判定していました。

 

しかし、SAAを院内で測定できるようになり、客観的な数字として、炎症反応を迅速に判断できるようになります。

 

 

人間でも、100歳以上のご長寿さんの炎症マーカーを調べてみると、有意に炎症マーカーの値が低いことがわかっています(体内の炎症が低い人は長生きする)。

 

猫ちゃんでも炎症反応と腎不全の関係性が指摘されています(炎症があると腎不全になりやすい)。

 

 

猫ちゃんで(おそらく他の動物でも)で、最も炎症が発生しやすい部位は、口腔内と言われています。歯周炎、口内炎です(↑↑写真)。

 

治療(全顎抜歯)後、4週目の写真↑↑↑。 歯肉口内炎は劇的に改善しています。

 

実際、当院でも、歯周炎・口内炎が重度の猫ちゃんの術前の血液検査を実施すると、SAAが非常に高値を示す場合がほどんどです。

 

上の写真の口内炎の猫ちゃんは、術前のSAAの値が66.65μg/mlであったのですが、術後5.68μg/mlまで低下しました(正常値3.75以下)。

 

以上の事から、全身の健康の事を考えても、猫ちゃんの口腔内のケアは非常に大切だと思われます。

 

猫ちゃんの口腔内のことで気になることがあれば、お気軽にご相談下さい

 

          茨木元町どうぶつ病院 松本淳