こんにちは。
茨木元町どうぶつ病院 獣医師 松本淳です。
わんちゃんねこちゃんの疾患の中で、最も罹患率の多い病気が歯周病だと言われています。
ある統計では、5歳以上の子の8割が罹患していると報告されています。
歯周炎のなりやすい要因は、たくさんあるのですが、歯並びも最も重要な要素の一つです。
うちのこまちのですが…
その歯並びです。
上顎の青矢印の部分が混みあっていて(叢生といいます)、歯の方向が横になってしまっています…。
下写真(↓)の、犬の上顎の模型の歯並びでは、この部分の歯は一直線に並んでいます。
この叢生の歯並びでは、自浄作用が働きづらく、プラークが蓄積しやすくなり、容易にこの部分で歯周炎となります。
こまちは何のミックスさんかわかりませんが、横から見ると↓、鼻が短く、短頭種に分類される犬種になると思います。
短頭種では、マズルが短く、歯が萌出するスペースがないため、このような歯並びになるのだと考えられます。
また下顎では、同じスペースがないという理由から、下顎第一前臼歯の埋伏歯も多く見られます。
短頭種に分類される犬種としては、シーズー、パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、などの犬種が挙げられます。
それら犬種では、やはりこまちと同じように上顎の前臼歯部が叢生になってしまっています。
また、この部分から、歯周病になり、鼻に穴があいてしまう(口腔鼻腔ろう)ことも多くみうけられます。(慢性鼻炎の症状を呈する)
短頭種では、この部分の歯磨きを丁寧に行う必要があると考えれます。
茨木元町どうぶつ病院 松本淳