ほうれい線

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ほうれい線というのは、鼻のわきから口角に伸びる溝のことです。

 

加齢とともにほうれい線は深くなりますが、マリオネットラインとは違いほうれい線は子供のころから存在します。

 

ほうれい線は本来誰にでもあるものなので、年を取れば目立つようになるとはいっても、「シワ」とはちょっと別物です。

 

ほうれい線という言葉が一般的に使われるようになったのは実はごく最近で、それはヒアルロン酸注入が広く行われるようになってからのことです。

 

 

 

 

ほうれい線という言葉を使いだしたのは医者ではなく、ヒアルロン酸注入を受けようとされた一般の方々です。

 

ほうれい線の正式な医学的名称は「鼻唇溝(びしんこう)」といいます。

 

形成外科では、鼻や口唇の皮膚癌を切除した後の欠損部分を補うために、鼻唇溝部の皮膚を血流を保ったまま移植する手術をよく行います。

 

これを鼻唇溝部皮弁といいます。

 

特にお年寄りでは鼻唇溝部の皮膚に余裕があるので、鼻唇溝部皮弁は非常に利用価値が高い手術法です。

 

鼻唇溝部皮弁を採取した部分は線状の縫い傷になりますが、ご年配の方ではもともと深い鼻唇溝がある場所ですから、そこに線状の傷ができたとしても大きな問題にはなりません。。

 

 

 

 

「ほうれい線」という呼び方が一般的になったとは言え、美容外科以外の学会発表で演者の先生が「鼻唇溝」ではなく「ほうれい線」という言葉を使用したら失笑を誘うでしょう。

 

15年くらい前までは、私自身も「ほうれい線」という言葉を知らず、「鼻唇溝」を使っていました。

 

当時は美容外科学会の発表でも、演者が「ほうれい線」という言葉使った際に、年配の先生から「ほうれい線とは何のことだ」という質問が飛び、座長の先生が「最近の患者さんたちの間では鼻唇溝のことをほうれい線と呼んでいるようです」とコメントされていたのを覚えています。

 

それでも質問をした年配の先生は、「医者ならほうれい線ではなく鼻唇溝という言葉を使うべきではないか」と注意されていました。

 

それが今では美容外科学会でも「ほうれい線」を当たり前のように使うようになり、「鼻唇溝」という言葉を聞くことはほとんどなくなりました。

 

 

 

 

 

コラーゲン注入やヒアルロン酸注入が始まる以前はほうれい線の治療は難しく、私が美容外科を始めた30年前はほうれい線に対しても本格的なフェイスリフトが行われるのが一般的でした。

 

しかし、フェイスリフトをしてもほうれい線の後戻りは早く、深い場合は側頭筋膜や真皮の移植、後に脂肪注入などを併用することが多くありました。

 

それでも頬が被さるような深いほうれい線の修正は難しく、本当にほうれい線をなくしたいなら切除するのが一番シンプルで効果も高いと習いました

 

顔に傷は残りますが、鼻唇溝部皮弁の採取跡と同じで、深いほうれい線に比べればそれほど目立つものではありません。

 

 

 

 

ちなみにほうれい線は漢字で「法令線」や」「豊麗線」などと表記されますが、一体何が正解なのか今まで知りませんでした。

 

ほうれい線は面相学の「法令紋」に由来するらしいので、「法令線」が正解のようです。

 

では何故、顔に「法令」なんて漢字を使用するのか今度は「法令紋」を調べてみたのですが、いくら調べても「法令紋=法令線のこと」と出てくるばかりで、それ以上先に進むことはできませんでした。