溶ける糸を使ったリフトに関してずっと気になっていたことの一つが、本当のところ効果がどれくらい持続するのだろうかということです。

 

溶ける糸のリフトに関しては、1年くらいの効果をうたっているクリニックが多いと思いますが、溶けない糸でも1年経てばかなり戻るのに、溶ける糸で1年持つはずはないだろうというのが私の推測でした。

 

その点について先日の学会で、某有名美容外科の先生から非常に正直なご発表があり、大変参考になりました。

 

 

 

 

 

溶ける糸を使ったリフト治療を行い、施術後半年~1年後の経過観察ができた患者さんにおいて、どれくらいの割合で効果が、持続できていたかを報告されました。

 

対象とされたのは昨年から今年にかけての症例にしぼられていますから、施術方法や使用した糸などは最新のものです。

 

使用された糸の本数は患者さんによっても違うようですが、1人当たり両側で10本以上入れていたようななので、糸のリフトとしては本格的です。

 

1年後の経過を診ることができたのは40数例だったと思いますが(申し訳ありませんが正確な数字はわかりません。2桁の数字であることは間違いありません。)、結果から言えば1年後にも効果が残っていた人は一人もいませんでした。

 

1年どころか、半年後に効果が残っていたのはわずか1例だけでした。

 

しかもその1例も糸のリフト後にHIFU治療を受けていたので、半年後に効果が残っていたのは糸のためではなくHIFUの効果である可能性が高いとも考えられます。

 

つまり、溶ける糸のリフト効果は施術後3ヶ月くらいで消失する可能性がかなり高いようです。

 

 

 

 

美容外科では、ここまで正直に結果を教えてくれる先生はなかなかいません。

 

大抵は術後写真を見せられて、「ここまで良くなります」」で終わりです。

 

治療を受けに来た患者様に、「多くの人は半年以内に効果が無くなります」と正直に告げるクリニックはほとんどないことでしょう。

 

もちろん「私は1年持った」という患者様もいらっしゃるでしょうが、それはあくまで少数派です。

 

 

 

 

一方で、糸のリフトには即効性があるという大きな利点も認める必要もあります。

 

私は、糸によるリフトは半年や1年の効果を期待するものではなく、一時の効果を期待する治療だと考えます。

 

例えば同窓会など、一時的に若返る必要がある時に行事の前に受ける施術だと割り切ってしまえばよいのです。

 

 

 

 

 

問題は費用対効果で、糸によるリフトは高額になりがちです。

 

多数の糸を入れたとしてもどうせ半年も持たないのであれば、最初から最小限の糸で治療すればよく、それであれば費用も比較的安く抑えられます。

 

できれば片側1~2本の糸で効果が得られることが理想ですが、それには糸の入れ方にはかなり工夫が必要でしょう。

 

あくまで一時しのぎの治療だという患者様のご理解が得られれば、溶ける糸によるリフトも利用価値があるものだと思います。