※面会の内容なのに
えらい長いです
 
 
祖母うさ子の
病院から急に着信。
 
 
不意の病院からって
容体の急変しか思えず
緊張するよね。
 
負の間隔は
空けていただきたい。
 
 
 
電話は入院時からの
荷物(服)があり
場所をとっていて
監査もあるので
取りにきてほしいという
合点承知のお安い御用的な
内容だったのでひと安心。
 
数日後に取りに行った。
 
 
 
病棟入り口で
インターホンを鳴らすと
看護師さんが
「あっ荷物ね」と気づき
病室へ取りに行ってくれた。
 
 
面会可能になったのに
そんな雰囲気がない。
 
ここは寝たきり患者さんが
多いからなのかな?
 
と考えてると
荷物きたっぽい。
 

 
 
反射と隠し撮りで
全然見えないけど
予想の3倍の荷物きた。
 
 
看護師さん運ぶ途中で
ひとつ落としたよね。
 
気づかないふりしたけど。
 
 
看護師さん
「すごい荷物だよ持てる?」
 
私「頑張ります」
 
看護師さん
「会ってったら?」
 
私「えっ」
 
 
姉御肌タイプっぽい
看護師さんだったから
急にそんなこと言われる。
 
 
 
事前に書いておくと
うさ子は自分のことしか
考えないプロフェッショナルで
母より自分、
孫の私よりも自分
金欲と食い意地でできた
楽しい祖母。
 
 
数年前に母と
うさ子を病院へ送る時、
母がうさ子に
自分がガンだと教えたら
「いつ死ぬのや?」
と涼しい顔で
返したのは忘れられない。
 
 
母は嫌ってたけど
私はそこまで被害がなく
母より気を遣わなかったし
一緒に旅行したこともあるし
最期まで最低限の手続きは
面倒みようと思ったが
会わなくてもいいと思ってた。
 
 
ちなみにうさ子に
母の死を教えないのは
思いやってるんじゃなく
悲劇のヒロインぶったら
めんどくさいからである。
 
 
 
看護師さん
「会ったら?」
 
私「はあ・・じゃあ・・」
 
 
促されるまま
何年ぶりかで
入り口をくぐった。
 
 
病室までの間
姉御肌看護師さんは
「お母さんのこと
言ってないからね」
と申し送りしてくれた。
 
 
4人部屋らしい。
 
 
姉御肌看護師さん
「うさ子さ〜ん!
お孫さん来たよ〜!」
 
「はいっ」
 
 
思ったより元気いいなあ
窓際のベッドか・・
 
 
私「来たよ
 
姉御肌看護師さん
「こっちこっち」
 
私「え」
 
 
手前のベッドだった。
 
誰だ返事したの。
 
 
 
すっかり寝たきりで
話すことはできない。
 
でも目つきや
雰囲気はうさ子だ。
 
 
姉御肌看護師さん
「わかる〜?
お孫さんだよ嬉しいね」
 
う(頷く)

「はいっ」
 
わかってるのか
わかってないのか
でも目見て頷き、
隣の人が返事してくれた。
 
 
姉御肌看護師さんが
母より娘のように
「うさ子さ〜ん!」と
肩肘ついて話しかけてくれ
私の中で空いた距離が
埋まっていった。
 
 
近くにいた別な看護師さんが
「たまに話すんですよ
今朝アイスって言いました」
と教えてくれて笑った。

まだ食べる気だ。

 
そういえば母も
プリンを差し入れてたなと
思い出したので
「持ってきてもいいんですか?」
と聞いてみたら
もう飲み込みがご飯だけで
いっぱいいっぱいらしくダメ。
 
 
大昔から孫が食べたものを妬み
独り占めして食べたり
強烈な食い意地を持つうさ子が
プリンも食べられないとは。
 
 
途中で私に飽きて
無反応になったのが
祖母うさ子らしすぎて良かった。
 
 
姉御肌看護師さん
「うさ子さーん!うさ子さん!」
 
私「いいんですいいんです
元々こんな人なんです」
 
「はい」
 

面会終了。

返事し続けてくれた
隣のベッドの患者さんにも
手を振って挨拶し病室出た。
 
 
大量の荷物忘れてた。
 
 
病院の玄関まで
一緒に運んでくれたので

歩きながら

この荷物の服は

廃棄していいかとか

相談させてもらい助かった。
 
 
看護師さんたちも
すごくいい人だし
うさ子は相変わらずだし
面会して良かったな。


今度は床屋のために
面会に行く予定。