今日は、こんなことについて考えてみたいと思います。
Q ある人にお金を貸して、利息の割合も約束をしました。
貸した相手の所有する不動産に抵当権を付けましたが、万が一、お金を返してもらえなかった場合、利息や遅延損害金も抵当権の実行によって回収できますか。
滞納が長期間にわたった場合は、全ての期間についての遅延損害金も、抵当権を付けた不動産の価値から回収できるのでしょうか。
A
① 抵当権によって利息を担保させるためには、利息に関する定めの有無や、定めがある場合には利率を登記する必要があります(不動産登記法88条1項1号)。
登記をしなければ、抵当権の効力を利息にまで及ぼすことを第三者に対抗できません。
遅延損害金の割合について、例えば約定利息よりも高い割合を定めた場合には、その割合も登記をする必要があります。
② 利息や遅延損害金など、期間に応じて債務が増えていく性質のものは、抵当権の効力が及ぶ範囲の期間制限があります。
利息その他の定期金の請求権については、満期となった最後の2年分のみについて抵当権行使ができます(民法375条1項本文)。
最後の2年分より前の定期金については、満期後に別途、特別の登記をしたときは、登記をした後からその抵当権を行使することができます(民法375条1項但書)。
遅延損害金についても、最後の2年分という制限があります。この場合、利息と遅延損害金を通算して2年分という計算になります(民法375条2項)。
この場合の「最後の2年分」とは、競売を開始した時から遡って2年分という趣旨です。
このような範囲の制限があるのは、後の順位の抵当権者に不測の事態を生じさせないように、権利のバランスをとるためとされています。