一貫して、シビアな回です。

韓国での放映は終了していますが、ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

ザ・ゲーム:0時に向かって 더 게임:0시를 향하여

【Episode 22】

トイレに飛び込んでくるテピョン。

鏡に映る自分の姿をじっと見つめる。

 

ヒョヌ:それで、死は変化したのか?

ヒョヌの問いかけに、変化したと答えるテピョン。

実は、なにも変わってはいなかった。。。

 

テピョン(奴は、自首もして、全ての罪を認め、逮捕もされた。しかし、なぜだ? なぜ、死が変わらないんだ?

 

テピョンを追って、ガンジェが入ってくる。

ガンジェ「さっき、言ってたのはどういう意味ですか?チョ・ヒョヌが、ジュニョン先輩を殺すだろうって言ってたのは、どういうことなんですか?」

真剣な表情で、問いただすガンジェ。

 

~オフィス~

ヤン係長「あいつは自白し、証拠も見つかった。もう、ここから、逃れることはできないよな?いや、絶対、やらないよな。爆弾で消滅なんて、とんでもない!」

“爆弾”という言葉に、反応するチーム長。

ハンチーム長「爆弾? どういうことですか?」

ヤン係長「なんだ? お前たち、聞いてないのか?チョ・ヒョヌの野郎が、爆弾テロをやるつもりだったんだぞ!」

ハンチーム長やジュニョンの目が険しくなる。

ヤン係長「あ~、キム・テピョンの奴、てっきり、お前たちにも話してると思ってた。爆弾が爆発すると、身体はバラバラに引き裂かれるんだぞ。あいつがそう言ったせいで、ここ数日、眠れなかったんだからな。」

その時、テピョンとガンジェが戻ってくる。

ヤン係長「ああ、キム・テピョン、いいところにきたな。ここにいる連中に、お前が言った爆弾テロのことを教えてやれ。お前、爆弾テロがあるって、俺に言ったよな?」

酔っぱらって忘れちゃうかと思ったのに・・・覚えてたね。

咄嗟にどう対処しようかと考えるテピョン。

チーム長「チョ・ヒョヌが爆弾テロを企てるというのは、事実なのか?」

躊躇いながら、「ええ・・・」と答える。

 

ヤン係長「ほら、聞いただろ?俺の言った通りだったじゃないか!」

テピョン「ナム係長様も、ヤン係長様も、ハンチーム長様も、ボンスさんやガンジェさんも、爆弾テロのせいで、同じ日に皆亡くなります。」

ジュニョン「それじゃ・・・さっき、私の死が変化したと言ったのはなぜなの?」

テピョン「嘘をついた。まだ、同じだ。まだ、見えてます・・・皆さんが同じように亡くなる姿が・・・。」

辛い話をしなければならないテピョン。

うなだれるガンジェ。

ヤン係長「なんだと?みんな死ぬのか?アイゴ~、ヨボ・・・、アイゴ~、ミョンフナ・・・」

床にへたり込むヤン係長。

失礼だけど、家族いたのね。

みんなして、ショックを受ける強力1班チーム。。

 

~モニタールーム~

取調室に、一人座るヒョヌを見つめなあがら、今までのことを思い返しているジュニョン。

 

ヒョヌ:お前が望んだとおり、自首もしたし、自分の罪も償うために、逮捕された。それで、死は変わったのか?

俺が、もう、ソ・ジュニョンを殺したりしないのが見えたのか?

 

ハンチーム長:チョ・ヒョヌが爆弾テロを起こそうとしていたのは、本当なのか?

テピョン:・・・ええ。ナム係長様も、ヤン係長様も、ハンチーム長様も、ボンスさんやガンジェさんも、爆弾テロのせいで、同じ日に皆亡くなります。

 

昨晩、ヒョヌに馬乗りになって、首を絞めていたテピョンの様子や、ペク先生の殺害の証拠である排水管の水をこぼす映像の意味を考えるジュニョン。

 

署の外のベンチに佇んでいるところに、テピョンが現れる。

ジュニョン「何を考えているの?なぜ、彼の殺人の証拠を改ざんしたりしたの?」

 

テピョン「もし、チョ・ヒョヌが消えても、みんなを生かすためだ。」

ジュニョン「彼を殺すか、なにかするつもりなの?」

テピョン「もし、それが君を守ることができる方法なら、そうするつもりだよ。チョ・ヒョヌが死ぬ前に言った言葉があるんだ。ジュニョンさんを殺し、自殺するんだ。あいつはそうやって死ぬんだ、最初から見えていたんだ。ガンジェさんやボンス、ハンチーム長様や、ナム係長様まで・・・みんな死んでしまうんだ。チョ・ヒョヌがみんなを殺すからだ。毎日、自問自答し続けてるよ。なぜ、そんなふうに、みんな死ぬんだろうか?なぜ、ジュニョンさんの死だけ見えないのか?毎日毎日、そんなことばかり考え続けてるよ」

ジュニョン「だめよ」

テピョン「じゃ、どうする?ただ、みんな死ぬべきなのか?」

ジュニョン「それでも、殺人は絶対にだめ」

テピョン「今まで、僕が見て来た死の中でも、最も恐ろしいものだったんだ。イ・ジュニ氏は、大量の爆弾を括りつけられ、もう、彼だと特定できないほどの恐ろしい死を迎えるんだ。(あいつは)大勢の人間を殺した後でさえ、君の元にもやってくるんだ」

ジュニョン「我々は、彼の殺人の証拠を見つけたわ。あなたが言ったように、チョ・ヒョヌは刑務所に禁固される。イ・ジュニ氏は、我々が必ず探し出す。だから、お願い。ちょっとだけ私たちに時間をくれない?ね?」

なんとか、頷いてみせるテピョン。

 

~ヒョヌの自宅付近~

ヒョヌの逮捕を受けて、周辺の住民も見物にきたり、ごった返している。

人波をかきわけ、ナム・ウヒョンが進んでいく。

停止線で止められていると、「係長様!」とボンスが坂を駆け下りてくる。

「うちの係長様なんです」と警備の警官に説明し、停止線を持ち上げ、招き入れるボンス。

ハンチーム長も、自然に迎え入れる。

ああ、全然、違和感なし・・・だけど、いいのかな? あとで、問題にならないのかな?

ちょっと心配。。

ウヒョン「なにか見つけたのか?」

チーム長「はい。ペク・スンウォンさん殺害の映像を入手しました。問題は、行方不明になったイ・ジュニさんを探しているのですが、もっとよく探さねばならないようです。とにかく、中に入りましょう」

鑑識課員をともなって、ヒョヌの自宅に入っていく。

 

すぐさま、地下室への羽扉を隠すカーペットが剥がされる。ガンジェが、南京錠のカギを、1109に合わせても合わない。

「番号が変えられてます」

バールでこじ開けるチーム長。

一斉に降りていく一団。

鎖と足輪が残されている。

ハンチーム長「係長様、ここに監禁されていたのは間違いないですね」

ボンス「誰もいません」

溜息をつくウヒョン。

ボンス「奴が、これ全部を思いついたってことですか?」

ウヒョン「ちょっと待った。向こうの指紋も取っておいてくれ」

スヒョン「はい」

ボンスが、木箱の近くの抜け穴に気づく。

ボンス「チーム長様・・・」

チーム長「なんだ?」

ボンス「こっちです」

懐中電灯を片手に、やってくるチーム長やウヒョン。

ボンス「テピョンさんが言ってた、通用口に通じてるんだと思います。このトンネルの出口が、ドアになってるんでしょう。見てください」

チーム長「変だな・・。係長様、奴がわざと痕跡を残していったように見えませんか?はじめ、奴は、このスペースを偽装して、キム・ヒョンスを隠した。でも、今度は、ここをあからさまにしています。」

その時、キャビネットを調べていたスヒョンが、「チーム長様」と声をあげる。

スヒョン「これを見てください」

髪の毛の入った赤い箱を差し出す。

チーム長「なんだ?」

 

3年前に、ヒョヌから掛かってきた電話を思い出す。

ヒョヌ:まだ、奴は人を殺しているんです。奴の倉庫のキャビネットの中には、最も最近の被害者の毛髪が、赤い箱の中に入ってます。

 

ウヒョン「被害者の髪の毛だ。3年前、チョ・ヒョヌが俺に、赤い箱の中にキム・ヒョンスの被害者たちの髪の毛を見つけたと語ったんだ。俺は、真犯人を捕まえるべきだった」

 

手渡された赤い箱を握りしめると、悔しそうにつぶやくウヒョン。

 

~取調室~

ガンジェがヒョヌの取り調べを行っているのを、モニター室で見ているテピョン。

ガンジェ「1日の午後3時頃、何をしていましたか? ペク・スンウォンさんの葬式にいましたよね?」

ガンジェのゆすぶりも無視し、完全に黙秘状態のヒョヌ。

 

テピョンが、モニター室から出てくると、廊下で、ジュニョンがチーム長から、イ・ジュニを発見できなかったと連絡を受けていた。。

ジュニョン「監禁されていた証拠は見つかったんだけど、他の場所に移されてしまったようなの」

顔色をかえ、取調室に入っていくテピョン。

テピョン「イ・ジュニさんはどこだ?どこに隠した?」(怒)

突然、ヒョヌに掴みかかるテピョンを、ガンジェとジュニョンの二人がかりで止めに入る。

それでも、何度も近寄ろうと挑むテピョン。

 

ヒョヌ「まず、お前から先に答えろ。」

立ち上がるヒョヌ。

ヒョヌ「俺の死は、どんな風に変わったのか?ソ・ジュニョンの死は、どう変わった?」

テピョン「・・・・・」

ヒョヌ「死が変わったっていうのは、嘘なんだな?」

テピョン「そうだ。嘘だ」

その言葉を聞き、どこか満足げなヒョヌ。

そこで喜んじゃダメじゃん!あんたは、ジュニョンのために、自分の死を変えたいんでしょう?

 

ヒョヌに、近寄るテピョン。

テピョン「だが、お前が心から悔い改めれば、お前の死は変わっただろう」

嗤いだすヒョヌ。

ヒョヌ「それが、変わらなかった理由なのか?」

テピョン「そうだ。だから話すんだ。あの人たちはどこにいる?」

ヒョヌ「それを聞くところを見ると、あいつらの死もまた、何も変わってないってことなんだろ?」

テピョン「なんだって?」

ヒョヌ「それ、どういう意味? 誰の死のこと?」

 

******************

雷雨の中、縛られた状態で、大きな円形の筒のような中に、放置されているイ・ジュニと、キム・ヒョンス。

ヒョンス「ここから抜け出したかったら、お互いの結び目をほどく必要がある。俺があんたのを解くから、あんたも俺のを同じようにやってくれ。おい、なんで答えないんだよ。本当に、こんなところで、死んでもいいのか? え? 面子なんかにこだわるなよ。二人とも、凍え死んじまうぞ」

イ・ジュニ「そいつはいいな」

ヒョンス「え?」

イ・ジュニ「死ねよ・・・。みんな、お前のせいで起きたことなんだぞ。お前がやらなきゃ、あの女性たちは、今頃生きてた。うちのミジンだって、同じく生きてたさ。チョ・ピルドゥだって、誤って罪に問われることだってなかった。それに、うちのジウォンだって・・・チョ・ピルドゥを殺すことだってなかった。」

ヒョンス「だから? それで、こんなふうに死にたいのか?」

興奮したように、雄たけびをあげるヒョンス。

 

~強力班オフィス~

テピョンが事件ボードの前に立ち、説明をしている。

チーム長「イ・ジュニさんとキム・ヒョンスが死んでるかもしれないと言ってるのか?」

テピョン「今、非常に危険な状態にあると考えられますが、彼らの死は変わっていません」

ガンジェ「それに、ク・ドギョンは、彼らの居場所をもらしません」

ウヒョン「俺が、あいつに頼んでみるか?変なふうに聞こえるかもしれないが、俺は自分の手で、キム・ヒョンスを捕まえたいんだ」

ガンジェ「ジュニョン先輩は、何時間もあそこにいますが、話をしていません。うまくいくかどうか・・・。」

 

ヒョヌと対峙しているジュニョン。

ジュニョン「ここまでする必要があるんですか? ヒョヌさんの気持ちを、理解できるわけじゃないですけど、あなたは、ずっと孤独だったんでしょう。おそらく、どれほど自分を哀れんだでしょうね。被害者になって以来、どんなに落ち込み、時に激怒したことか・・・。何年も、ずっとそんな気持ちでいたんじゃないですか。(だって)20年前、私の知っているチョ・ヒョヌという人は、とても、心の温かな人だったもの

 

~回想~

不躾に、ジュニョンにレンズをむけてきたイ・ジュニのカメラを取り上げ、叩き壊したヒョヌ(10歳)。

 

ただ、黙って、ジュニョンを見つめているヒョヌ。

ジュニョン「それが、私の覚えているチョ・ヒョヌさんなの。だから、どうか、話してください。あの二人は、どこにいるんですか?」

ヒョヌ「僕が君を殺すってこと、知ってるのか?そんなはずないんだ。君は信じられないかもしれないけど、僕はただの一度だって、君を傷つけようと考えたことなんてないんだ。いや、正確に言えば、君の側で、自殺しようと考えていたんだ。警官たちの前で、自殺しようとしたと言っただろ。他の奴らのことなんて知らないけど、僕は、僕は・・・僕が死ななければならなかった訳を君に理解してもらえれば十分だと思ってた。」

涙をこらえながら、気持ちを吐露し始めるヒョヌ。

ヒョヌ「でも、あいつは、俺が君を殺すって言うんだ。もし、僕が君を殺すなんてことになったら、キム・テピョンのせいだ」

なぜ、そこに、ぴょ~んと飛ぶ。。。

 

取調室から出て来たジュニョンを見守っているテピョン。

 

~ヒョヌの自宅~

雨の中、ヒョヌの自宅周辺に向かう強力班。

手分けし、街に付けられたcctvを探していく。

ボンス「チーム長様、あそこにあります」

 

コンビニに立ち寄るジュニョンとテピョン。

店に付けられたCCTVの映像を確認する。

 

~留置所~

隅に座り、なにか考え込んでいるヒョヌ。

 

~自転車屋~

店先に付けられたCCTVの映像をみせてくれるように頼むガンジェ。

 

~山奥~

雨脚の強くなる中で、じっと耐え続けているイ・ヒョヌと、キム・ヒョンス。

雷雨でぬれた身体に、寒さが襲い掛かり、体力を奪っていく。

 

~ソウル中央署~

ボンスが廊下を走ってくる。

 

自分の席で、電話中のチーム長。

チーム長「彼の名前は、ク・ドギョンです。10分前に、カード情報をFAXしてくれると言われたと思いますが、まだ、受け取れていないんです。ええ、ご協力に感謝します。」

 

そこへ、飛び込んでくるボンス。

ボンス「チョ・ヒョヌが、彼らがどこにいるのか、我々に話すそうです。ジュニョン先輩が、彼を説得したんです」

顔を見回すハンチーム長と、ナム・ウヒョン。

 

~留置所~

鍵が開けられ、ヒョヌが出てくる。

現場の場所を説明するのが難しいので、ジュニョンたち強力班と一緒に、出向くと申し出るヒョヌ。

ヒョヌ「一つ、条件がある。これ以上、マスコミに晒されるのは望まない。それから、キム・テピョンにも同行してもらいたいんだ」

ジュニョン「彼が、我々と一緒に来なければならない理由があるの?」

ヒョヌ「本当に、私の死が変わったのか、確認したいんだ。言っただろ、君を殺す意図などないんだ。」

 

~テピョンの車の中~

バックミラー越しに、自分の姿をうつして見るテピョン。

今までと変わらず、老人になった姿で、海で死ぬ姿が見えている。

 

ペク先生:人の運命というものは、そんなに簡単に変わったりはしないのだ。

テピョン:ジュニョンさんを殺そうとしている人間をわかっている。そいつを止められる。

ペク先生:もし、その男が殺人者なら、お前は、代わりに死ぬかもしれぬ。

 

意を決して、車を降りると、リアウインドウを開けるテピョン。

危ないものが載ってるじゃん。。。

 

******************

現場に向かう一同。

 

ボンスが運転し、そして、助手席に乗るテピョン。

後部座席に座るヒョヌとジュニョンの手首は、手錠でつながっている。

車内でも、ヒョヌのことを気にしているジュニョン。

 

ヤン係長「おい、ハンチーム長。キム・テピョンはなんと言ってるんだ?キム・ヒョンスとイ・ジュニは、生きているのか?」

ハンチーム長「ええ、そうに違いないようですよ。彼は、彼らの死が変わったとは言いませんでしたから。」

 

車列を連ね、どんどん、山にむかって、昇ってくる。

 

ここは一体、なんの目的の場所なのかな?

ヒョンス「この何年も、生きてるだけで、とても大変だったんだ。俺は、こんなふうに死んだりしないぞ」

このヒョンスの生への執念には、別の意味で感心する。。。

ヒョヌに捕まってから、少なくとも3年以上、あんな劣悪な環境で監禁され続けていたのに、気力が萎えてないんだよね。

普通は、廃人ものだよ。。。

 

必死に、イ・ジュニの手首の縄を解き続けてたヒョンス。。

ヒョンス「たとえ、俺がやらせたとしても、実際に、あんたの娘を殺したあいつを殺さなくちゃならないだろ」

渾身の力で椅子を引くと、ジュニの縄がほどける。

そのまま、意識を失ったジュニが椅子ごと、崩れ落ちる。

ヒョンス「おい!しっかりしろ! おい!」

冬の山に、濡れた身体のまま、放置されたら、死んでもおかしくないでしょ。。。

 

~パトカー車内~

ジュニョン「どれくらいかかるの?」

ちらりと、道を確認するヒョヌ。

ヒョヌ「ほとんど近いよ」

今度は、テピョンのほうをちらりと見るヒョヌ。

 

~テピョンの自宅~

ぶつぶつ言いながら、テピョンの部屋に入ろうとするイ秘書。

イ秘書「二人が一緒にここにいる時には、来ないほうがいいわよね。面倒なことに巻き込まれるにきまってるもの」

コンコンコンとノックするイ秘書。

イ秘書「テピョンさん、中にいらっしゃいます?」

返事がないので、扉をあけてみるイ秘書。

イ秘書「あ~、よかった。いなかった。。彼(ら)はいないのね・・・」

 

サインを頼んでいた書類を取りに来た旨、留守電にメッセージを残すイ秘書。

ふと、棚の上を見ると、封筒の束が置かれている。

一番上は、ジュニョンさんへ、となっている。

イ秘書「これ、なにかしら?」

 

手紙の束の上に置かれた、“ふくろさん”こと、紙袋をかぶったチャーリー・ブラウン人形をどかす。

前にも出て来たよね。でもね、服にラインがついてないんだよ~~~。人形は、ドラマ班の制作かな?

自分宛ての封筒をあけ、読み始めるイ秘書。

 

******************

これ以上、先に進めず、車両を道に停め、山道を徒歩で進むことになる一行。

パトカーから、降ろされるヒョヌ。

ハンチーム長「向こうの道で、間違いないんだよな?」

ヒョヌ「もっと奥まで行けば、見えてきますよ」

歩き出そうとするヒョヌを引き留め、ジュニョンと繋がれている手錠を外し、自分に繋ぎなおすボンス。

ボンス「念のため、(自分が残って)私が見張ります」

ううう、ボンスが自分から・・・・!!

テピョン「僕も見張ってますから、心配しないで。 さぁ、行って」

振り返ったジュニョンに、優しく微笑んでみせるテピョン。

あとに残すテピョンたちを心配しながらも、山道を登っていくジュニョン。

 

車の中で、待つことになるヒョヌとボンス。

 

◆◆

木立ちの中を、声をあげながら、進んでいくチーム長たち。

 

~山奥~

椅子に括られた状態で、なんとか、倒れているイ・ジュニの側まで近寄るヒョンス。

ヒョンス「おい、しっかりしろ。しっかりしろって!」

反応のないジュニを、足で、何度も蹴飛ばす。

ようやく、腕を、微かに動かすジュニ。

ヒョンス「気づいたか?大丈夫か?」

 

◆◆

ジュニョン「手分けして、範囲を広げたほうがいいかもしれません」

なかなか、該当する場所を見つけらず、皆で散り散りになっていく。

ナム・ウヒョンも、捜索に参加している。

・・・ていうか、普通に係長じゃん(笑)

 

車の外で、周囲を見張っているテピョン。

 

車の中のボンスに、ガンジェから無線が入る。

ガンジェ≪ボンスや、どのくらい奥に行けばいいんだ?≫

それを聞いたヒョヌが、奥深くまで行かないとたどりつかないと伝えろと答える。

ボンス「山を奥まで進まないとだめだそうです」

その時、密かに、包帯を巻いた中から、手術用のメスを取り出すヒョヌ。

 

◆◆

身を起こしたジュニが、ヒョンスの首に手をかけ、締め始めるも、途中でやめる。

激しく咳き込むヒョンス。

ジュニ「チョ・ヒョヌが、お前を監禁した理由がわかったよ。お前ごとき、殺すのは簡単だ。」

ヒョンス「なんだと?」

ジュニ「お前は生涯、刑務所で腐っていけよ。」

ヒョンス「なんだって? 何を言ってるんだ?なに、言ったんだ?」

ヒョンスの足元の紐を解き始めるジュニ。

ジュニ「お前をここから連れ出し、警察に引き渡してやる」

ヒョンス「殺せばいいだろう。俺を殺せよ」

ただでさえ、フラフラなジュニ、縛られていても、頭突きや蹴りで叩きのめすヒョンス。

その時、ジュニを探す警察の声が聞こえてくる。

 

◆◆

高台から周囲を見回すジュニョンたち、木立の中に、なにか、巨大な丸い建物が見えている。

ジュニョン「向こうにある、あれは?」

ガンジェ「はい」

 

◆◆

倒れたままのジュニ。

聞こえて来た警察の声に、焦るヒョンス。

ドラム缶や壁に、椅子を叩きつけ、なんとか身軽になると、壁に取り付けられた簡易のはしごを昇り始める。

探しにきたジュニョンたちを、土管の中に隠れてやり過ごすヒョンス。

 

外された鎖と南京錠を見て、ここだと確信したジュニョンとガンジェがとうとう、倒れているジュニを発見する。

(その隙に、逃げだすヒョンス)

ジュニョン「イ・ジュニさんを発見。救急車を呼んでください」

 

無線で、班長たちにも、状況が伝わる。

ジュニョン「繰り返します。イ・ジュニさんは負傷。救急車を要請します」

 

そのジュニョンの無線を聞きながら、ボンスの首元にメスを突きつけるヒョヌ。

あ~、やっぱり、そうなったのね。

間合いをはかるテピョンと、ヤン係長。← この人も残ってたのね(苦笑)。

 

ヒョヌ「妙な真似をするなよ。こいつの喉を掻っ捌くぞ」

テピョン「ボンスのポケットに、手錠のカギがある。それを取り出し、お前にやる。どっちにしろ、お前が殺したいのは、俺なんだろう」

ニヤリと笑うヒョヌ。

手をあげながら、すこしずつ近づいていくテピョン。

鍵をあけ、ボンスに突きをくらわせ、自由の身になったヒョヌ。

今度はテピョンの首元にメスを向ける。

ヤン係長「おおお、ボンスや。。ボンス! 大丈夫か?」

倒れたボンスの顔面に、血が流れ落ちている。。。

ヒョヌ「俺の言う通りにしろ。こいつに応急処置をする時間を欲しいならな・・・」

 

◆◆

木立の中を逃げるヒョンス。

警官の気配を交わしながら、小さな水路沿いを通り抜けようとして、足を滑らせ、微かなうめき声をあげてしまう。

微かな音も聞き逃さないオヒョン。

逃げるヒョンスの姿が見えたところで、必死に追いかける。

「キム・ヒョンス! とまれ!」

まんま、刑事の本能で、追いかけていく。

ヒョンスも、驚異的な体力の持ち主だけど、さすがに、刑事のタックルをくらって、倒れたところを抑え込まれる。

聞きつけて、ハンチーム長たちが駆けつけてくる。

ウヒョン「キム・ヒョンス。お前を、チョン・ヨンミ、チョ・ボヨン、イ・ヘナ、チョン・イェスル、イ・ヨンジン、ソン・ハヨン、ホン・ミナ・・・殺人の容疑で逮捕する・・・」

チーム長「キム・ヒョンス、お前は、弁護士に依頼し、この事件に関し、釈明するチャンスを得られる。お前には、人身を保護する権利がある。」

それから、ウヒョンに「係長様・・」と、手錠を渡すチーム長。

少し躊躇ったのち、手錠を受け取ると、しっかりとはめるウヒョン。

顔を見合わせるチーム長とオヒョン。

その時、無線が入ってくる。

「チョ・ヒョヌが逃亡した。応援を頼む。繰り返す。チョ・ヒョヌが逃走中。」

その無線を聞き、愉快そうに下卑た笑いをみせるヒョンス。

 

ジュニョン「チョ・ヒョヌが逃亡した?って、どういうことですか?」

ヤン係長「ギプスがメスの中に・・・いや、ギプスの中にメスが仕込んであったんだ。ボンスが刺された。それで、今、応急処置を受けてる。で、俺が今、チョ・ヒョヌを追いかけてるところだ。

二股の道にさしかかり・・・・。

ジュニョン「それで・・・、彼らはどうなったんですか?」

ヤン係長「くっそ・・・。どっちにいったんだ・・・。」

ジュニョン「え?」

ヤン係長「キム・テピョンを連れて逃げ、今、見失ってしまった・・」

 

湖沿いの道に停止している車。

あれ? 後部座席には、血にまみれたメスを持ち、呼吸を荒くしているヒョヌ。

運転席に座ったテピョンが、自分の血だらけの腹部を両手で押さえている。

ヒョヌ「俺が罪を認めて、その罪を償おうとした後でも、彼女の死が変わらなかったら、全部お前のせいだぞ。お前が死んだら、彼女の死は変えられる。もう一度見てみろ、変わってるか?」

ジュニョンの写真を見せるヒョヌ。

ヒョヌ「答えろよ。ソ・ジュニョンの死が変わったと言え!」

苦しそうなテピョン。

テピョン「もし、変わったと言えば、今度は信じるのか?」

ヒョヌ「え?」

テピョン「20年前だって今だって、お前の人生は、誰かから言われた言葉のせいで、こんなふうになったわけじゃない。お前の選択が・・・お前をこんな場所に導いたんだ。」

テピョンの息も絶え絶えな、それでも、真髄をついた言葉に涙をこぼすヒョヌ。

ヒョヌ「違う・・・。黙れ、いいから、ソ・ジュニョンの死が変わったのか、を言え!!」

激高し、叫ぶヒョヌ。

もう一度、写真の中のジュニョンに目を向けるテピョン。

 

~山沿いの道~

混乱しながら、ひた走るジュニョン。

イ秘書《どうしたらいいんですか? テピョンさんは、みんなに遺言を残していったんです。家を出る時から、死ぬとわかっていたんだと思うんです。》

イ秘書からの電話をうけ、必死に、テピョンたちが乗った車を探す。

 

テピョン:ジュニョンさん、今、ここにいることだけに集中して。怖いことは、僕の目の中だけにとどめておくから。

 

~回想~

リビングで眠っているジュニョンを見守っていたテピョンが立ち去ると、そっと目をあけるジュニョン。

 

ジュニョン(目をつぶるべきじゃなかった・・・。知るべきだった。)

 

テピョン:大勢の人間を殺したあとでさえ、奴は君の元にやってくるんだ。

 

ジュニョン(そのまま、放置しておくべきじゃなかった)

 

テピョン:僕もちゃんと見張ってるよ。心配せずに、行ってきて。

 

ジュニョン(あなたの気持ちは、ちゃんとわかってたのに・・・)

 

脇道に入り、通行止めのバーを突っ切るジュニョン。

その先に、車が停まっているのが見える。

車から降り、金網のフェンスを押し開け、そのまま、走り始める。。。

っていうか、テピョンの車まで、まだ、距離がかなりあるのに、なぜ、こんな手前で車を降りたのかな? ← マジに、あまり近いところだと危ないからです。(爆)

 

必死に走ってくるジュニョンの姿に気づくテピョンと、ヒョヌ。

ジュニョン「テピョンさん・・・・!」

それぞれ、涙を流しながら、まっすぐジュニョンだけを見つめる男たち。

 

テピョン:これが、君を救える唯一の方法みたいなんだ。

 

内ポケットから、スイッチキーを取り出すテピョン。

車の下に、例の爆弾がセットされているじゃん(怒)

 

スイッチの上に指を置くテピョンに気がつき、はっとテピョンのほうを見るヒョヌ。

 

テピョン(ごめん。君を一人で残してしまって・・・)

目をつぶり、指を強く押すと、爆発する爆弾。

思った以上の爆発の威力で、火に包まれた車が宙を舞い、回転しながら湖面に落ちていく。

爆風に、足がとまるジュニョン。

ジュニョン「あああああ」

手で口元を押さえるジュニョン。

ジュニョン「テピョンさん!!」

ジュニョンの悲鳴とともに、完全に、湖に沈んでいく車。

ジュニョン「だめ~~~!」

 

★『ザ・ゲーム:0時に向かって』22話の雑感★

 

自分の不幸に酔ってはだめです。

勝手に死ぬのは、もっとだめです。

 

時に、ヒョンスの図太さを見習うくらいの方が、いい場合もあるよ。

 

(あ、もちろん、ヒョンスは最低だけどね!)

 

★『ザ・ゲーム:0時に向かって』23話に続く★