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■ Episode20 道を成す一歩
玉座の前で、対峙するソヌと 真興
ソヌ「お前のことを頭では何度も何度も殺していた。お前が、俺の唯一無二の友人を死なせたからだ。お前を許せなかった。
だた、毎回、お前に会うたび、お前が王だと知ったあとでさえ、俺はお前を殺せなかった。
俺は、おまえが王ではないと信じたかった。」
泣きそうな目で、ソヌを見る真興。剣を捨て去る。
わたしまでウルウルしてきます。
「終わらせるために、お前が俺を殺さなければならないなら、俺を殺せ。
しかし、俺を殺せば、本当に終わるのか?
お前は、終わらせるために、もっと多くの人間を殺さなければならなくはないのか?
もし、重鎮たちを殺せば、それを終わるのか?貴族もか?
いや、他の誰かが、その場所に座れば、また、同じことがおこるだろう。
俺は、お前と この神国を変えたいのだ。
俺は、骨品制度によって起きる死を防ぎたい。
神国をより大きくすることを夢見、三国の統一を成し遂げたいのだ。
しかし、それでも、ここで終わらせるというのなら、俺を殺せ。」
ソヌが剣を振るう。王の腕輪を切り取る。
ちょっとだけ切れた手の甲から、血がぽたぽたと流れ落ちる。
「今や、俺たちの間には、借りも貸しもない。」
「ここで、終わりか?」
「俺たちは、別の道を行く。」
「今度会うときは、敵として会うのだろうな。」
~ヨンシル公邸~
落ち着かない様子の反太后派たち。
ヨンシル「王を変えようと思う。」
王を作るのではなく、自分たちに都合のいい、聖骨という名分を祀り上げる…。
話が見えていない和白たちに、百済で王の振りをした花郎ソヌが、フィギョン公の息子だと伝えるホ公。
一同「フィギョン公?廃位された聖骨ではありませんか? ソヌ郎が、フィギョン公の息子?」
ジソの強みは、先王が亡くなったときに、自分の息子を王にしたあと、聖骨の保護者としての摂政にのぼった名分があるということ。
ヨン「だからこそ、それを取り除かねばならぬ。財力、権力、王位。お前たちは、それらを無料で得たのか?」
「民は、それが謀反であると思いませんか?」(謀反:君主の打倒を計画する)
「民? 物が通り過ぎるときでさえ、あいつらは、生きるために、下をむいてお辞儀をする。怖れることなどない。
この神国は、わしらのものなのだ。それが重要だ。お前たちの私財をためる蔵をいっぱいにしておくための唯一の方法でもある。」
~真興の部屋~
斬られた腕輪を握りしめる真興。
パオさんに、「夜が明けたら、源花アロを月城に連れてこい」と命じる。
~ヨンシル公に報告するホ公~
一足先に、真興がアロを宮殿に匿ったことを知り、激怒するヨンシル公。
「あの娘は、ソヌ郎の完全なる餌であったのに。どれほどの痛手かわかるか? 事を複雑にしおって!」
ちょうどその時、訪ねてきたのは、フィギョン公とソヌ。
「これは、興味深い絵面だ。こうしてみると、お二人は似ているな。」
「我々が今日ここに来たのは、重要な問題について話すためだ。」
「虐待される代わりに、権力を使うほうに回るかどうか、決心したのか? もう、真興がアンジ公の娘を手に入れたと聞いたのかな?」
それには、答えず、ヨンシル公を見据えるソヌ。
「我々は、神国の主人を変えねばならない…」
「なにか、お手伝いできますかな。」
「ヨンシル公には、何もすることはありません。俺は、花郎の立場で、それをするつもりだから。」
「では、我々は何をすべきかな。」
「その座に座ったまま、新しい王として私をサポートさえすればいい。」
<たとえお前がどのように熱心に試みようと、神国を所有するのはわしじゃ。神国の主人は決して変わらなかった。それは今後も変わらぬわ。>
余裕のある表情を見せるソヌとの、腹の探り合いだわ~~。
フィギョン公も、ソヌの真意を測りかねてるって顔をしてます。
~太后と 真興~
自分に権力を集中させるために、太后に譲位を要求する真興。
「その前に、スクミョン公主と婚姻するのだ」
「そんなに、譲位をすることは、母上にとって難しいことですか?」
「そなたは、まだ、わらわを、王位を切望している母と考えておるのか?」
一息つく太后。
「王位を守るためには、そなたは、冷血になるべきだ。王とは、たとえ、友の命でさえも、時には奪わねばならぬ。
寛大な王は、国を苦悶に導く。彼の民を全て、殺してしまうであろう。
しかしながら、冷徹な君主は、早急かつ残酷にその芽を摘み取り、被害を最小限にとどめる。それならば、王は、それ以上、民を殺す必要がない。」
「母上は、王とは、その王位を守るために、必ず、誰であろうと民を殺す必要があると言われるのか?」
「そなたは、花郎が、お前のものであると思うか? 彼らは、ソヌ郎のほうが 王に適していると信じている。百済の皇太子の前で、民のために、彼が命をかけるのを見たのだ。それでも、そなたは、花郎がそなたについていくと信じるのか?」
「私は、花郎を私のものにします」
「どのように?」
「母上がおっしゃったのです。被害を最小限に抑えるその方法を見つけねばならぬと。」
ゆっくりと退出する真興。
~ウィファ公とソヌ~
思わぬソヌからの申し出に、頭を抱えるウィファ公。
「私は、お前が王になるつもりだと思っていたが。(花郎を辞めず)まだ、続けるつもりなのか?」
「“道は最初から道としてあるのではない”あんたはそれを覚えているか?」
<道となるように、誰かがそれを歩かなければならない。固い土地を強く打ち、壊し、そして、はじめて 水は流れる”>
「そう…道をつくるために、砕き、壊すだろうと言わなかったか?」
「だから、俺は、将棋の駒にはなりたくない。」
<おまえたちがじっとしている間に、他の誰かが作った筋書きにのってはならない。おまえたちは、将棋の駒ではない。お前たちは誰より自由である。お前たちは花郎である。>
「俺は、もうおとなしくしてるつもりはない。」
「おとなしくしていない? お前は、謀反しようと決めたのか?」
「弱い王は何もすることができない。神国に必要なもの…国家を変える強力な王だ。」
ため息をつくウィファ公。
一見、力強い決意に思えても、そこに、正当な理由(名分)がなければ、単なる急先鋒なだけだと知っているからです。
「俺には、風月主の助けが必要だ。」
「ついに、お前は、私に謀反を導くよう、頼むのか」
「俺は、その選択を風月主に任せる。」
唸りだしたウィファ公。
「どうか、仙門に戻り、一緒に花郎を守ってくれ。今のようにバラバラでは、最後まで綺麗に終わることができない。」
「お前は、なぜ、私がお前を助けると確信しているのだ?」
「風月主が、俺と同じ考えを持っているとわかってるから。
神国の未来は、これによる。風月主。」
懐から、封書を取り出し、机に置く。
「これが、俺の目標だ。」
ソヌが置いて行った封書を見つめるウィファ公。
本当に、教えがいのある生徒でしたね。
~月城内 太后の部屋の前 ~
廊下で、お茶の準備をするモヨンの手元から、なにか薬瓶のようなものを見るスホ。
「殿下にお出ししてください」
ジソに茶を入れるモヨン。監視するスホ。
「さがってよい」
モヨンが退室した途端、ジソからお茶を取り上げるスホ。
「お茶に何かをいれているのを見ました」
「それを・・・」
「毒に違いありません」
その場で、捨てる。
「これが何かわかっていて、飲ませることはできません」
ジソが自分で入れたお茶すらも取り上げ、自分で飲干すスホ。
「これは、すぐにわかるような毒ではない。飲み続けてはじめて、中毒になるものだからだ」
「殿下は、それに気づいていらっしゃって、飲み続けていたのですか?」
「わらわも最初は、疑惑を持っていた。」
咳き込むジソ、口元のハンカチには、吐血のあとが。
「殿下 医員を呼びます」
「大騒ぎを起こしてはならない。少し 様子を見れば収まる」
~月城のアロの居室~
やってきた真興。
「こんなふうにしないと、お前を傍におき、会うこともできない。傷を負ったと聞いたが、具合はどうだ?」
「もう大丈夫です。ですが、ここに来なかったら、もっと早く癒えたでしょう。」
無理やり連れてこられて、腹を立てているアロ。
「たとえ、癒えるのに時間がかかっても、俺は構わぬ。 どちらにせよ、お前は、この宮殿から去ることができない。俺はここで人質として、そなたを連れて来た。お前の兄が私の王位を脅かさないための・・・人質」
「これは、陛下のやりかたではありません」
「お前は、俺に、あの母の血が流れているのを忘れたのか?これは、本当の俺を知るいい機会かもしれぬぞ」
~仙門~
スクミョンが心配そうに、真興に訊ねる。
「本当に、花郎を支配されるおつもりですか」
「私の花郎だ。まだ、それを掌握できていない。最初から、私のものだったのに。彼らを鎮圧し、制御しなければならない。」
パオさんが声をかける。
「真興王がお越しだ。門を開けよ」
広場に並ぶ一同。
「あれ、誰だ?」
「ジドゥイ郎か?」
「人って、服を変えただけで人格まで変わるのか?」
「まるで、太后みたいに、冷徹で、残酷に見えるな」
「花郎諸君 王に敬意を」
跪く花郎たち。
「私が、花郎の主人、真興だ。私は、花郎にいる間、お前たちが、どれほど横着で弱く、富豪の家に生まれ、甘やかされて育った子供らであったのか、見てきた。
しかし、花郎は、これから、頭の先からつま先まで生まれ変わるのだ。
神国の王室の管理の下で…、強い戦士になるために。」
突然、ソヌの声が響きわたる。
「そこに立っている王! あなたは違うのか?」
皆が、跪いているなか、まっすぐ 真興の正面に進み出るソヌ。
「俺には、花郎たち同様、弱く無力に見え・・ます」← 申し訳ない程度の敬語です。
「ソヌ郎、王に敬意を」
まっすぐ見据えるソヌ。
「敬意を払えと言ったのだ」
少しだけ、目線を下に向けるソヌ。
「3日後に、即位式がある。おまえたちは、王室の護衛として、王を守り、義務を果たすのだ」
「花郎は・・・」
真興の言葉を遮るように、話し始めるソヌ。
「・・自由であるべきだ。花郎は、我々の自由意思において動くときのみ、新しい神国の未来を夢見ることができる。陛下も、このことは聞いていたと確信してい・・ます」
「おまえは、今、余に逆らっているのか?」
「私は、それを我々が決めると言っているのだ。我々が我々の王だと認めるかどうか、選ばれる自信がない・・・のですか?」
口々に花郎たちが噂を始める。
「花郎には、ふたりの王がいるみたいだな」
「これから、どうなっていくんだ?」
「こっちこいよ。俺の情報提供者によると、王が変わるらしいぞ」
「何? なんだって? どういうことだよ?」
「ソヌ郎を、半血だと思ってたけど、聖骨だったとはな」
「やっぱり、彼はどこか違うと思ってたんだ、しかし、あいつがジドゥイ郎より遅く来たのを見ただろ?」
「なんだよ、ジドゥイ郎って。彼は真興陛下だぞ」
「俺たちを掌握する代わりに、いい笑いもんだな、可愛そうなジドゥイ郎」
そんなことを呟くヨウルと、考え事をしているパルリュ。
仙門の廊下で 顔をあわせた ソヌとスクミョン。
スクミョンに対しては、しっかりと頭を下げ、行きすぎようとしたソヌに、スクミョンが話しかける。
「アロ・・・お前の妹は大丈夫だ。今は、源花の・・・」
「わかってます。 先日のことも感謝している。 それに、すまない。 俺は、あなたにとって悪い男だ」
「謝るのは当然だろう。私のような女をこんなふうにしたのだから」
「俺は、あんたにとって、いい男じゃなかったが、あんたはいい女だ。だから、あんたと同じような気持ちの男に出会うべきだ」
そう言い終えると、去っていくソヌ。
一筋、涙を流すスクミョン。
~月城の庭にて~
モヨンの毒茶のことを真興に知らせるスホ。
「茶? 茶だと言ったのか?」
「どうも、だいぶ長く飲み続けていらしたようです。咳き込みも激しく、吐血もされていますが、私に何も言わないように命じられました。ですが、私は太后殿下を失うことはできません」
パオとともに、太后の部屋に向かう真興。ちょうど、モヨンがお茶を入れている。
ジソから茶碗を取り上げ、投げつけると、モヨンに剣を突き付ける。
「背後にいるのは、パク・ヨンシルか?」
「パオ!」
「ご命令を、陛下」
「殺せ!」
「どうぞ、私を助けてください、陛下。」
悲鳴を上げながら、連れ出されるモヨン。
「母上、なぜ、こんなことを。」
立っていられず、ジソの足元に膝をつく。
「何を言っているのじゃ」
「毒と知りながら、なぜ、飲まれたのですか? なぜ?」
「なぜであろうな。 気付いたときには、遅すぎた。たとえ茶を断っても、彼らは別の方法を使ったであろう。」
「なぜ、逃げ出さなかったのですか? 太后であろうと、なんであろうと、王位を放棄し、逃げるべきでした」
「逃げようとした。できることなら避けたかった。しかし、わらわの運命に従ったのだ。こうしてでも、守りたかったのだ。強くなるのだ。お前は、戦うために強くなければならない。人々の弱い心を信じてはならない。 王、それが、王がしなければならないことだ。 真興」
「母上。」
泣き崩れる真興。優しくその背を撫でるジソ。
~仙門~
風月主として復活したウィファ公。
~回想~
真興に呼ばれたウィファ公
陛下は、私を風月主に復帰せよとおっしゃっているのですか?
そのとおりだ。
それでは、太后の命令に背くおつもりですか?
余の意志は、太后の意志である。余の意志は神国の意志である。
復帰したウィファ公が、皆のまえに立つ。花郎にも、笑顔が戻る。
「再び、お前たちに会えて、気分がよい。よく過ごしていたか?」
「はい。風月主!」
「私は、お前たちが非常に難しい任務を与えられたと聞き、今日ここに立っている…。
私は、お前たちがする選択が、過去とは違う新しい神国を作ると、信じている…。
また、その選択をできる資格が与えられるほど、お前たちが十分に成長したと確信している…
あるときは、反逆罪と呼ばれることもあるだろう。また、あるときは、お前たちの義務と言われることもある。
しかし、その選択は、お前たちがするのだ。
おまえたちが、この国を根本から変える花郎になるか…?それとも、何もすることができなくあり続けるか?
選ぶのだ。そして、もしおまえたちが決定をしたならば、最後まで、自分たち自身を信用しなさい…。
お前たちは、花郎だ。決して忘れてはならない…。おまえたちが花郎であることを決して忘れてはならない。」
ソヌ、パルリュ、ヨウル・・・
タンセも花郎になってる。
ソク家になにがあったのでしょう。おじいちゃんが跡継ぎとして認めたのかな。
~アロのもとにくる真興~
立ち上がるアロ。
「なにか、ございましたか?」
「そなたは、何度も何度も、私自身にたずねるように言ったな? なぜ、王にならなければならないのか?
決して、一度も諦めたことはない、と。俺の目を見ればわかると言ったな?」
「はい、そのように申し上げました。陛下。」
「俺がそれを望んでいるとお前が言ったことは、すべて正しかったようだ。」
しっかりと、アロを見つめる真興。
「お前の心は、一度も変わらなかったな。しかし、俺の心臓は、まだこのように乱れているというのに。」
アロは、一切、自分が彼をどうおもっているか、については、明言しません。
「太后殿下が譲位されるとききました」
「そうだ。 今日、余が 本当の王になるのだ。俺のことが心配か?」
「王の座は、とても 孤独なものに感じます。陛下が、そこで、眠れるのかと」
「ありがたいと言うべきだな。そなたのおかげで、強くなれたのだから。感謝する。ここまでにしよう」
~即位式~
フィギョン公が 杖を突きながら正殿に現れ、玉座の下に控える。
ざわつく列席者たち。
「何故、ここに彼が? 何をしにきたのか?」
スホが、正装した太后を護衛して一緒に入場してくる。
太后が 玉座の一段下の席につき、フィギョン公に視線を送る。
<あいつらは、時間どおりにこなければならない>
ヨンシル公が、花郎の到着を待ちわびている。
真興が王の正装をきて、入場してくる。同じころ、ソヌを先頭に花郎も仙門を出発する。
スプ公「本日の出席者はそろったようです」
- 冠に… - と続けようとするところに、ヨンシル公が止めに入る。
「お待ちください!」
王の前に進みでて、真興に指をさす。
パク・ヨンシル「その座の主人としてふさわしいと 本当にお考えですか。我々、和白は、違う考えをもっております。」
太后「畏れ多くも、よくもそなた…」
「神国の(最高官位)角干 私、パク・ヨンシルは、あなたの代わりに、別の聖骨、フィギョン公の息子 ソヌ郎を王に推挙します。」
そのとき、ソヌを先頭にして、花郎が入場してくる。
まっすぐ 真興を見据えるソヌ。
パルリュが見回す。
改めて、ソヌのすぐ後ろに、スホが立ち、花郎を代表して、口上を述べはじめる。
「花郎は…、本日、神国の未来のために王を選択する。
我々花郎は この場で、神国を強くする権限をもたらされた王と助けを必要とする民に、我々の忠誠を誓う。」
言い終えたスホが跪くと、順々に跪いていく花郎たち。
ソヌは、一人、直立したまま。
(真興、ソヌのうち、どちらに、花郎が忠誠を誓っているか、まだ、わからない状態の構図を作ってます)
ソヌが言葉を続ける。
「花郎は神国の新しい信念を表明する!自身を、神国と神国の王に捧げるのだ!」
武官の誓いとして、剣をぬく。
期待して、見つめるヨンシル公。
「真興陛下 万歳!」
驚いた表情のヨンシル公。
-真興陛下 万歳! -真興陛下 万歳!
-真興陛下 万歳! -真興陛下 万歳!
一斉に、剣を抜き、忠誠を誓う花郎たち。お約束の光景です。
そのとき、ヨンシル公の首元に 剣を向けるソヌ。
「逆賊 パク・ヨンシル 王、王室に対する謀反、および殺害を計画した罪により、処罰を受けよ。」
ヨンシル公の配下の和白たちが慌てだす。思わず、パルリュもヨンシル公を見る。
- ヨンシル公。- ヨンシル公
「さらに! もし誰かが、彼と立つならば進み出よ。花郎の剣は、お前たちを許すことはない。」
一斉に、真興に向かい、頭を下げる和白たち。パルリュも平然と顔を戻しました。
パク・ヨンシルの敗北が決定した瞬間です。
~回想~
玉座の前で、真興とソヌが、二人きりで対峙したあの晩
俺は、お前と共に、この神国を変えたいのだ。
俺は、骨品制度によって起きる死を防ぎたい。
神国をより大きく強くし、三国の統一を成し遂げることを夢見ているのだ。
「お前の夢を実現できるか?」
「容易なことではない。だが、もし、俺がやらなければ、ただ呼吸するだけで、たとえ命があっても、生きているとは言えない。」
「もし、お前を殺そうとすることをやめたら、お前は 神国を変えることができるか?」
<今から、この王位は、おまえのものだ。そこで、お前の夢見るものを実現しろ。
お前の持つ権力の全てを仕え。>
<そして、お前を失望させないように、最後まで、その道を進んでやる。>
頷くソヌ。
2人は、すでに、あの晩に、ともに歩むことを決意していたのですね。
「余は、神国の 真興王だ。花郎ととともに、最初に、民を考え、そして、強力で、繁栄した神国を導く。」
パオさんが涙ぐんでます。
太后が ようやく肩の荷を下ろしたように、微笑んで頷きました。
花郎たちの歓声が、即位式を包み込みます。
~仙門の池~
ウィファ公が釣りをしている
~回想~
それで、 おまえは、どんな王になろうと考えているのだ?
ソヌが残した書状には、以前、真興が花郎になりたい理由として、あげていた理想の王そのものが描かれていました。
「民が幸せに暮らし、王が民を守ることに苦悶していることに気づかない。
しかし、王は民について常に考えている。それが、私が考えている理想の王である。」
ソヌの声と、真興の声が いつしか、重なってました。
「あいつら・・・。」
嬉しそうに笑うウィファ公。大物がかかったかと思ったら、竿がおられちゃいました。
「また、大物を捕まえようか。」
~フィギョン公と話すソヌ~
「申し訳ありません。先にお話しせず、こんなことをして・・・」
首を振るフィギョン公。
「おまえの選択だ。尊重しよう。お前を誇りに思う。このようなお前の姿をみて、母もきっと喜んでいるだろう。」
真興が、庭で、花郎として過ごした日々を思い出し、ふっと微笑んでいる。
本気で泣き、本気で笑い、本気で喧嘩し、本気で学び、命を懸けて何かを守ることを身を持って知った日々。
一生の友を得た真興。
そんな真興のもとに、太后が傍にくる。
「本当に、そなた自身の力でここまでたどり着いたのだな。よかった。手遅れにならなかったな。」
「今からは、重荷は私が背負います。 神国という重荷。」
そうだな、と頷く。
「私が そなたを憎んでいると思っているか?」
それだけを言い、立ち去ろうとするジソ。
「私が、母上を憎んでいると思われますか? わかっています。この神国と私を守るためであったことは。いつも守られていた。これからは、母上とは違うやり方になりますが、私のやり方で、必ずや、この神国を 大きく強くしていきます。」
最後の力を振り絞り、自室に戻ろうとしているジソ。
ふらつくジソをスホが支えるも、その場で倒れてしまう。
「殿下・・」
アンジ公が呼ばれる。
脈をはかるが、もう手の施しようがない。
「殿下は・・・?」
「もう・・・いつ息を引き取られてもおかしくない」
静かに立ち去ろうとしたとき、手を離さないジソ。
「そなたに・・話したいことがある」
その手を離し、出て行こうとするアンジ公を 引き止めるスホ。
「どうか、殿下の傍にいてあげてください。お願いします」
そのまま、スホ自身が部屋を出ていく。
愛する女性の最期を、ジスの愛する人と過ごさせることを選んだスホ。
最後のときを、アンジ公とともに、過ごさせようとしたのね。
からかってごめんよ、スホや~~~。
呼吸が乱れはじめたジソ。
「わらわは、そなたの手によって死にたかった。なぜ、茶を飲まないように話したのだ?
私を心配したのか?」
苦しげに、アンジ公を見つめるジソ。
「一緒に行きたかったが、どうしても、そうできなかった。たとえ、どんなに辛くとも、どんなに憎まれようとも、どうしても、そなたの傍にいたかった。」
「私も、ずっとあなたを憎もうとしました。殺しそうと思ってきましたが、できませんでした。」
「すまなかった」
息を引き取るジソ。
そっと、手を握るアンジ公。
アロが 落ち着かない様子で、月城の部屋に控えている。
パオが入室してきました。
「無事にすみましたか?」
「ええ、陛下より、お手紙を預かっております。」
月城の庭で、アロを想っている真興。
『お前は、お前をここに閉じ込めた俺に怒っているか?
お前を、パク・ヨンシルから守るためには、やむない選択だった。
もし、お前に会ったら、お前を行かせることができそうもない。また、俺が欲を出しそうになることが怖いのだ。
さ、行くがいい。長い間待たせてはならない。彼のところに行くがいい』
お互いのもとに走るソヌと アロ。
アロを抱きしめるソヌ。
「遅くなったか? もう、お前を一人にしない。約束する。」
抱擁&路チューです。お二人さん、往来ですぜ。。
ちょっと 時間が経ったみたいです・・・。
副弟に 思わせぶりに、情報提供を持ちかけるアロ。
「これがなんだかお教えしましょうか?これは、王京内のすべての若い公子についての情報を集めた2冊です。しかし、ブリーフィングするには、銀の追加が必要ですけど、コストを見積もりましょうか?望みます?」
銀子の入った袋を ピジュキに渡すアロ。
「さぁ、これで、全部私の借金を支払いおわったわよ。」
「今や、あなたは、二人の聖骨の心臓を捕らえた伝説上の女性なのに…。新しい世の中になっても、全然、変わってないですよね~。」
「どうやって変わるっていうのよ。」
「知ってるでしょ。絹、金、および裕福なライフ。そういうものですよ。」
「そんなものなの?」
不服そうなアロ。
男の子が降りてきて、アロに後ろから抱きつく。
誰の子?って思ったら、あの 百済騒動のときの子ね。すごいお坊ちゃまらしい格好をしてるわ。ピジュキの養子扱いなら、豪商の子息って位置づけになるのかもね。
「あ~、私を待ってたの? あっちにいって遊ぼうか?」
慌てて、ピジュキが男の子を自分のほうに引き寄せます。
「御嬢さんは、なぜ、いつも他人の子供をかまうんですか? 暇だったら、デートでもすれば?」
「あなただって、独身だって言ってたじゃない。デートが必要なのはそっちでしょ。いつまで、一人でいるの?」
俺には、この子がいるもん、とばかりに、男の子を抱きかかえるピジュキ。
「一人にしないって言ったくせに~。 なんで一人なのよ~!!!」
アロの権幕に驚くピジュキ。
~パルリュと スヨン~
慌てた様子のスヨンに、部屋に押し込められるパルリュ。
「父が、部屋にいるの。」
「だからって、こうして 隠れ続けるっていうのは、あまりよくない気が・・・」
「だって、角干があんなことになって、あなたは、誰にも頼れない状態でしょ。あなたの家門は、富も地位もなくなったわ。父が、あなたのことを反対することは自然なことよ。」
それを言われると、立場のないパルリュ。
「でも、あなたには、私の愛情があるでしょ。」
ハグし合う二人のもとに、スプ公が、扉をあけて・・・目が合う(未来の)婿と舅。
「チャン皇太子が・・・」
「大伽耶との同盟を結ぶために、我々を攻撃するための計画を立ててくると思われます。」
真興に、報告にきたソヌ。
「今は、俺たちしかいないから、問題ないだろう?」
(ため口にもどるふたり)
「ああ、もし、俺がここにいれば、民は、「別の聖骨」がいるとか言って、噂するんだろうな。 知ってるだろう?」
「おい、お前がそんなにかっこつけるなら、王になるべきだったんじゃないか。」
「まぁ、たしかに、良さそうに見えるな。」
「まったく、犬鳥郎が・・。お前が王京を離れて、半年くらいたつだろう。もう、アロには会ったのか?」
やっぱり、外にでて待っている。
「手紙とか送ってくれてもいいんじゃない?別に、ちゃんとした約束もしてないんだし、もう終わりよ。失う物なんてないもの」
そこに、突然、後ろから抱きつくソヌ。
「元気にしてたか?」
無言のアロ。
「戻ったんだけど」
「どこのどなたか、わからないんですけど。記憶もなくなったみたいで」
アロの正面にまわるソヌ。
「俺を忘れることなんかできないだろ」
優しく髪を撫でながら、「綺麗だよ、完璧」
まったく・・・と、折れるアロ。
「結婚しよう、おれたち。」
ソヌを見つめるアロ。
「おれが 我慢できない、すっごく会いたくて・・・」
抱きしめあう二人。
「会いたかった。」
まっすぐに続く道を、馬で駆け抜ける真興やソヌたち。
★完結★
終わりました~~~。
ははは、終わってみれば、毎回レビュー完走できたのは、パク・ソジュンのおかげですね。
“ヒョンシク見たさ”だけだったら、細かなセリフとか意味とかわかんなくても、毎回、超かっこいい~~~とか言いながら、見てるだけで終わってたかも(笑)。
ソジュニは、「彼女は綺麗だった」の時もそれなりにいいな、と思ってた記憶があったのですが、ちょっと見返したら、なんだか、初見の時よりもかっこよく見えてきたんで、たぶん、これで攻略できましたね。
私的には、百済の使節団になったあたりから18話くらいまでがピークでした。
最後の2話は、「神国の未来のために・・・」「強い神国を作る」「神国の真の王」と 回想&伏線の回収で、似たようなセリフを訳していたような気がします。
後日談シーンになったほうが、俄然、イルイルドラマみたいに、いろんな人の日常が出てきて、面白かったです。
スピンオフもいいな。
ピジュキの子連れ結婚物語とか、ヨウルの父帰るとか(笑)
青春群像ものは、子育ての醍醐味にも似ているかも。
ああ、成長したのね、この子たちも~~~って感じですね。
仙門の講義や、ウィファ公の含蓄ある言葉とか、この年齢になると、学びなおしたくなるものなんだなぁ、と思わされました。
ロマンスに関しては、最終回にきて、私の中で、株をあげたスホ。
太后に対する片思いロマンスをずっと茶化してきて、申し訳なかったな、と。
それでも、やっぱり、彼女のどこがそんなに良かったのか、わかりませんでしたが。
あと、ヒョンシクの「ヨギカジ」ですね。
報われないほうが、自分の心を整理するために「ここまでにしよう」と線を引く。
王道ですが、やっぱり、これがあるのとないのとでは、違うので。
スクミョンは、自分から「ヨギカジ」が言えるタイプじゃないから、犬鳥郎が終わらせてあげたのが、正解でしょうね。
あんな無骨者なのに、アロに対しては、やたら、甘く口説く才能を持ってるケセ郎のギャップがツボでした。アロに対してのコメントが少なかったかもしれません。そこは、察していただけると(笑)
スヨンとパルリュは・・・シチュエーション的には、悲劇にもっていけたかもしれませんが、結局、平和に幸せになれそうでよかったです。絶対、かかあ天下で、うまくやっていくだろうから。
KBSのBehindstory映像で、メンズ主演者6人で、出演シーンをみながら、あ~だこ~だ言うのが面白かったので、後半戦のもやってほしかったな。