自己解放
反逆の精神
謀反論
ピカレスク・ロマン
義仲論、羅生門、忠義、素戔鳴尊、将軍、河童、芸術その他
「人間讃歌は“勇気”の讃歌ッ!!人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!!いくら強くて もこいつらゾンビは“勇気”を知らん!」
若き芥川龍之介の思想形成過程に、蘆花の「謀叛論」の波紋を認める時、「羅生門」の自己解放の叫びは、いっそう強いこだまとなって響きわたる。「己が引剥をしようと恨むまいな。己もそうしなければ、饑死をする体なのだ」と叫び、実行行為に赴く下人の姿は、前章でくわしく論じた「義仲論」の「彼は極めて大胆にして、しかも極めて性急なり」とか、直情径行、行雲の如く流水の如く欲するがまゝに動けるのみ」という木曾義仲像に重なってくる。さらに言うならば、蘆花の「謀叛論」の中の「謀叛を恐れてはならぬ。自ら謀叛人となるを恐れてはならぬ」という叫びとも響き合う。
ハードボイルド、ニヒリズム、ダンディズム、アウトロー、義賊、偽悪
アンチヒーロー
正しさ、強さ、美しさの欠落
諸君、幸徳君らは時の政府に謀叛人と見做されて殺された。諸君、謀叛を恐れてはならぬ。謀叛人を恐れてはならぬ。自ら謀叛人となるを恐れてはならぬ。新しいものは常に謀叛である。「身を殺して魂を殺す能わざる者を恐るるなかれ」。肉体の死は何でもない。恐るべきは霊魂の死である。人が教えらえたる信条のままに執着し、言わせらるるごとく言い、させらるるごとくふるまい、型から鋳出した人形のごとく形式的に生活の安を偸んで、一切の自立自信、自化自発を失う時、すなわちこれ霊魂の死である。我らは生きねばならぬ。生きるために謀叛しなければならぬ。古人はいうた、いかなる真理にも停滞するな、停滞すれば墓となると。人生は解脱の連続である。いかに愛着するところのものでも脱ぎ棄てねばならぬ時がある、それは形式残って生命去った時である。「死にし者は死にし者に葬らせ」墓は常に後にしなければならぬ。幸徳らは政治上に謀叛して死んだ。死んでもはや復活した。墓は空虚だ。いつまでも墓に縋りついてはならぬ。「もし爾の右眼爾を礙かさば抽出してこれをすてよ」。愛別、離苦、打克たねばならぬ。我らは苦痛を忍んで解脱せねばならぬ。繰り返して曰う、諸君、我々は生きねばならぬ、生きるために常に謀叛しなければならぬ、自己に対して、また周囲に対して。
拝復。気取った苦悩ですね。僕は、あまり同情してはいないんですよ。十指の指差すところ、十目の見るところの、いかなる弁明も成立しない醜態を、君はまだ避けているようですね。真の思想は、叡智よりも勇気を必要とするものです。マタイ十章、二八、「身を殺して霊魂をころし得ぬ者どもを懼るな、身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者をおそれよ」この場合の「懼る」は、「畏敬」の意にちかいようです。このイエスの言に、霹靂を感ずる事が出来たら、君の幻聴は止む筈です。不尽。
「希望」の困難がある
SBRはなぜか龍之介の思想と響きあっている、と思う
この『物語』は、ぼくが歩き出す物語だ。肉体が……という意味ではなく、青春から大人という意味で……。
1890年の夏―― ただひとついえる事は――このビーチには、「美しいもの」が確かに存在していた…。暗闇の中に見える「美しいもの」――ぼくは、何かにひきつけられてこのビーチに来た。希望という「光が存在する」のか――
(連れて行かれるのはぼくの方だったんだ・・・・・・・・ぼくが死ぬべきだったんだ・・・・・・・・・・
だからきっと『借りは返せ』といつか『宿命』がかわりにぼくに追いついてくる
少しずつ、少しずつ、「宿命」がぼくを気づかないうちに取り囲んで……ぐるぐると縛ってすぐに逃げられないように……。そして希望で一瞬だけ喜ばせておいて…、最後の最後でボクを見捨てるんだ…誰も関心なんか払わない。みんな見捨てる。観にさえも来ない。
少しだけ「希望」で喜ばせておいて そして最後にぼくから全てを奪い去って行く・・・・・・・・!
『克服』したと思っても再び頭をもたげて来る敗北!
も…もうだめだッ!限界だッ!ジャイロッ!
勝てないッ!!大統領がついにッ!完全に『遺体』を自分のものにしてしまったッ!
また来るぞ……
ヤツは今…列車に戻ったが『スキ間』を移動してまた来る…!あの『スキ間』に爪弾は撃ち込めないッ!
あいつの背後にあるのは『聖なる遺体』。害悪なるものは全てどこかへはじかれるとヤツは言っていた…君のその傷もあいつを中心にはじかれているから君の体を登ってきたんだ!
倒す方法は何もないッ!
あいつが『正義』で!
ぼくらの方が『邪悪』なものなんだッ!!
漆黒
「社会的な価値観」がある。そして「男の価値」がある。昔は一致していたがその「2つ」は現代では必ずしも一致はしてない。「男」と「社会」はかなりズレた価値観になっている……。だが「真の勝利への道」には「男の価値」が必要だ…。レースを進んでそれを確認しろ……「光り輝く道」を…。オレはそれを祈っているぞ。そして感謝する。
ようこそ………、男の世界へ…………。
卑劣さはどこにもなく…漆黒なる意志による殺人は
人としての未熟なこのオレを聖なる領域へと高めてくれる
受け身の『対応者』はここでは必要なし
漆黒の「意思」をジャイロが与える
オレは「納得」したいだけだ!「納得」は全てに優先するぜッ!!でないとオレは「前」へ進めねぇッ!「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねえッ!!
そうだ…オレはこれでいい。オレはこのラインでいい…オレとヴァルキリーだけのラインで…。あのリンゴォ…ロードアゲインは敵だったが…一理ある男だった。…あいつはこう言っていた。『男の世界』にこそ…真の勝利はあると…。あいつは決して『相手より先に銃を撃たなかった…』。“あえて”…だ。ヤツは『相手に先に撃たせた』。この草原でDioの道がベストというなら、そのラインは敵に差し出してやるのもいいだろう…“あえてな”。『厳しい道を行く』か…厳しいな…ただし…オレとヴァルキリーだけのラインを行く。その道にはとどこおるものは何もなく…なめらかに回転するかのような…オレとヴァルキリーだけが…『なじむ道』。Dioのラインなんて見えなくていい…天候も嵐も関係ない。味方のジョニィも消える。オレたちだけの『気持ちのいい道』だ。リンゴォの話だと、その先には『光』がある筈だ…『光』を探せ。『光』の中へ!
む…無理だ…
だからそれがどうだというんだ?…ジャイロ
たとえどんな力の『回転』だろうと……ヤツが移動する『スキ間』には攻撃は全てとにかくはじかれる…それは現実だった
ぼくはその現実を今!この目で『スキ間の中』に見たんだ!
ああ オレもだ……絶望が心の中の全てを襲ったよ
だが今まではだ……
見ろよ…『髪の毛』だ…ヤツの『髪の毛』が今投げた鉄球にへばりついているぜ
何…髪が何…?ど…どういう事を意味している!?なぜ鉄球に『髪の毛』がくっついている?まさかヤツに命中したって事なのか!?
いや…ヤツの頭部に命中したようには見えなかった
だが先祖から伝わる誰も見た事のない回転は…中世の騎士が開発したあぶみを使った回転って事を覚えているか?
馬上の騎士は敵も騎士!『甲冑』を身につけている『盾』を腕に持ってもいる
現代では必要ないが防御をつき抜けるための『回転』がもしかつてあったとしたなら!?
盾を…鎧を…肉体をつき抜ける鉄球の『回転』!!!
『髪』があったからそれがどういう意味なんだ?何が起こったんだッ、ジャイロッ!君は今!どういう『回転』を投げたんだッ?
何もわからない…『結果』だけがある
事実は…スキ間の中のヤツの『髪の毛』を抜いたという『結果』だけだ
俺はこのSBRレースでいつも最短の近道を試みたが、「一番の近道は遠回りだった」。「遠回りこそが俺の最短の道だった」。この大陸を渡ってくる間ずっとそうだった。そして、おまえがいたからその道を渡って来れた。
「生きる」とか「死ぬ」とか誰が「正義」で誰が「悪」だなんてどうでもいいッ!!
「遺体」が聖人だなんて事もぼくにはどうだっていいんだッ!!
ぼくはまだ「マイナス」なんだッ!
「ゼロ」に向かって行きたいッ!
「遺体」を手に入れて自分の「マイナス」を「ゼロ」に戻したいだけだッ!!
こいつが何者だろうと…あの『遺体』が本当に必要なものかどうかだろうかと…あの『遺体』を理解しているのはこの世ではこの『ジョニィ・ジョースター』ただひとりだけだ……」
「絶対に渡さない…決着をつける権利はぼくにだけあるッ!!」
――これは「再生の物語」――。文字どおり僕が再び歩き始める事になったいきさつ……………。そして思い返せば、旅の間はずっと「祈り」続け………この馬による大陸横断レースは「祈り」の旅でもあったのだ。明日の天気を「祈り」、朝起きたら目の前の大地に道があることを「祈る」。眠る場所と食糧があることを「祈り」、たき火に火がつく事を「祈る」。このあたりまえのことをくり返しながら―――友と馬の無事を「祈る」。そしてひとつひとつの河を渡る。今――最後の河を渡り終わった―――。
Dioとジョニィはほとんど似た者通しである
最後の「一線」はどこにあるのだろう??あるいはない?
Dioは『飢えた者』!
君は『受け継いだ者』!
どっちが「良い」とか「悪い」とか言ってるんじゃあない!
その差がこの大陸レースというきれい事がいっさい通用しない追いつめられた最後の一瞬に出る!
その差は君の勝利を奪い 君を喰いつぶすぞッ!
Dioは生まれた時から
運命までも『奪い取って』来た人間!
「飢えなきゃ」勝てない
ただしあんなDioなんかより
ずっとずっともっと気高く「飢え」なくては!
(しょせん人間はハトの群れと同じだ
一羽が右へ飛べば全部が右へ行く
どいつもこいつも自分の利益とうぬぼれしか見ようとしない気取り屋どもの集まりだ
そんなヤツらのためにオレの母親が死んだ事は水に流してやってもいいが
オレはもっと気取らせてもらって
そういう「ハトの群れ」をとことん上から「支配」してやるぜッ!)
切り裂いた首のその傷はッ!
オレがいた人間世界の悲惨の「線」だ・・・WRYYYYYYY─────ッ
そしてこれがッ!それを越えた線ッ!
このオレがッ!!手に入れるこの世界への「線」だッ!!
(オレも「覚悟」を決めなくてはならないな・・・この世界のジョニィ・ジョースターはオレにとって『最大の試練』だ
試練は『克服して必ず殺す』)
これで『馬から下りた』な
大統領から聞いた解説によると…『無限の回転』はもう無いわけだ。『馬の力』を利用することはな…
これからオレのところへ戻ってくる…この橋の『鉄骨』へ撃ち込んださっきの『無限の爪弾』を消し去ったらだが…
…だろう?
撃ち込んだ『無限の回転』は無限だから消えることはなく、まだこの橋の上にいる。『Act.4』
違うか?そうしたつもりだろう?それがおまえの『計画』そしてそれも予定通り…オレの『計画』だ
ここに戻ってくるッ!!
『無限の回転』か……これしか防御する『方法』はないとはな…しかし勝利には犠牲はつきものでもあるわけだ
来たか…
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アァアッ!!
『回転』は……おまえ自身がくらえッ!
ジョニィは「歩ける」ようになったが、Dioは「うまく歩けなくなった」