2、太宰治「晩年」、「人間失格」を読み(両方の作品を読むのが
望ましいが、困難がある場合はどちらか一作品でもやむを
得ない。)、それらから感じられる全体的なイメージについて、
思うことを書きなさい。
さて、もちろん今回も「困難がある」ので「人間失格」だけ。
「全体的なイメージ」だって!
印象でよいのなら何を書いたっていいじゃないか。
主人公の、なんだっけか。
大庭葉蔵、葉ちゃん。
葉ちゃんはみんなに愛されて、健康的で、なんでもそつなく
こなして、とっても幸せに生きたんだと思います。
うらやましいなあ。
なんてね。
しかしどうにもとらえどころのない作品であるかもしれない。
まず、第一に、本書を読んで「明るくて楽しい冒険小説」だと
考える人間はいないだろう。
本当は葉ちゃんがどう考えているのかはわからないものの、
表向きは一応「うんうん唸っている」ように見える。
この「暗くてめそめそじめじめじとじと」っていう第一印象は
大事にしよう。
一方で、最後の京橋の小さいバアのマダムのセリフ。
「神様みたいないいこでしたよ」
これは明らかに第一印象と対立する。
逆立って言っていいくらいだ。
ここをちょっと考えてみよう。