本の読み方というのはたくさんあって、
一回ではほとんど掬い上げられなくても
読み手の方の置かれている状況が変わって
かえって色々見えてくることもあると思います。
そしてだからこそ逆に、そのときどきで自分が
どこに興味をもったのかということに注目すれば
今自分が置かれている状況も見えてくる。
とにかく、こんな感想があってもいいと思うのよ。
しつこく何回も読み直して感想いっぱい書こうかなと
『私塾のすすめ
―――ここから創造が生まれる』
齋藤 孝
梅田望夫
ちくま新書
こないだ買ってきて、暇を見つけながらやっとこさ
読み終わりました。
最後の章のホントに最後の部分、
山手線に乗って読んでたら乗換えを忘れて
ちょうど全く反対側の駅まで行ってしまいました。
要するに面白かったです。
私塾の肝である、燃え滾る情熱を持った「師」が
二人集まって対談してるわけですからね。
彼ら自身が正に「紹介状ネットワーキング」、
その中で大変にレベルの高い「教える―学ぶ」関係を
作っているのだなあと熱くなりました。
もともと僕は齋藤孝という人が、その、嫌いだった
んですが「食わず嫌い」だったことに気づきました。
僕自身おせっかいなので、そういう人が発する臭いが
まずダメだったかな・・・。
しかも本めちゃくちゃ連発してるので
節操のない男だとか勝手に思ってました。
でもそんなことはなくて、隠れていて見えづらいけれど
実は一貫したテーマを背負ってる。
あのすさまじいパッションが本当に純粋なところから
来ていると言うのは感心しました。
しかも、NHKの幼児向け教育番組「にほんごであそぼ」
の監修もしていたと来たらこれはもうファンにならざるを
得ないかと。(あの番組をつまらんとかいいながらずっと
見てるタイプです。)
とりあえず一周目で特に気になったのは
第4章幸福の条件「優先順位のつけかた」「ウェブの細道」
p185 ll7~10
齋藤
~前略~
大学時代の同級生で、司法試験浪人していた友達が
いるのですが、彼が「いろんな用事があって、勉強に集中
できない」と言うから、僕は「この世に用事なんて一つもないよ」
と(笑)。「用事があるなんて言っているのは、まだ司法試験に
本気じゃないからだ。用事を切っていってごらん。何一つ
なくなる」とアドバイスした。
~後略~
同ページ l12
梅田
「義理」とかそういうものを捨てる。これは一番大事ですよね。
p189 l3
齋藤
時期を画す力、画期力がありますね。この時期は人と会うとか
会わないとか、自分の中で時期を画して区切っていくと、
生活というか人生が立体的、構築的になりますよね。
~後略~
この「画期力」という言葉。
やはりビジョン、アイデア、スタイルの三拍子。
ストラテジーに生活を、自分をデザインしていく能力が
今まさに求められてるんだな、と思いました。
僕は自分に恐ろしく甘いのですが・・・とりあえず自覚は
あるんです(笑)
だからこそやっぱりこういう「師」としての厳しい面が
ありがたいです。すごく説得力があります。
今度機会があれば書こうかなと思ってるのですが、
僕は中学受験をほとんど両親による徹底管理で
乗り切りました。
まあ簡単に言えば僕の手柄じゃないって
ことですね。
そして中学入学した途端にここからは
お前さん一人でやりなさいと放り出されました。
なかなかすっきりしていていいような気もしますが
たぶん、あんまり成功とはいえないです・・・(苦笑)。
最近少しずつ気づいたのがこうも自由になると
自分ひとりではうまくやっていけないな、ということです。
そしてそこでロールモデル思考法というのが
がっちり来るな、と。
自分の中に他者を介在させる、これはすごくいいと
思います。
画期力はもちろん、受験でも役立つと思うよ。
画期力がエフィシエンシーにつながり、
合格につながるのだと思うのよ。
で、情報の遮断というキーワードが本書には
何回も登場するのですが、これが難しい。
もっとストイックにやってかなきゃ続かないとは
わかってるんですが・・・いかんせん甘い!(笑)
面白いことが、あるいは面白そうなことが多すぎる
んだよなあ。
少なくとも、educe.usはノイズではないと信じたいけど
僕が思うに、
テレビ→ノイズ多すぎる。ニュース含めて
新聞→誌による。
うちは朝日と日経しかないから('A`)
ネット→非常に難しい。
うまく効率を見出せれば・・・おk
特にブログ→いいかな・・・。
本→当たればすごくいい。質量共に最高
ラジオ→なにそれゆとりにはわかんない
タイトルにした「九捨一入」。
比率はこれくらいでいいと思うよ。
どうせほとんどノイズなんだ。うまく振り分けるべし
『私塾のすすめ』・・・密度が濃すぎてまだ
ほとんど咀嚼できてないwww
もう一度ゆっくり噛んでいきます。
するめ。