ニコニコ・ネイティブの誕生 | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

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この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで



僕は、「ニコニコ・ネイティブ」を恐ろしく思っています。


ニコニコを買いかぶりすぎだと言われそうですが

僕はもっと深く考えるべきテーマだと思います。



というのは、今「ニコニコ動画」がID開放とともに人口を増やし

低年齢化が進んでいるからです。


僕が本当に驚いたのは、某スレで

「うちの子供が小学校でニコニコが流行ってるって言ってた。

ウマウマとかキワミとか普通に言ってるらしい」

という書き込みを見たときです。


今や小学生が個人で利用するだけでなく、小学生間で現実世界に

ニコニコを観る人間のコミュニティが成立し始めているというのです。


しかも、その光景は小学生達にとって受け入れがたいおかしなもの

ではなくむしろ迎合されているのではないでしょうか。




ポップカルチャー(ヲタク産業と言った方がいいかもしれません。)

という分野はその限定性、閉鎖性がネックになってきた面があります。


例えば僕の両親や祖父母はアニメを全く観ませんし、見せても

いきなり楽しむのは難しいでしょう。



ヲチ君が散々『ニュータイプ』を批判していたように、

あくまで「趣味」の世界ですからわからない人は何も面白くないし、必要性も感じません。

でもそれは、例えば僕が酒やタバコに何の魅力も感じないように足を踏み入れていないからです。


だから僕は飲酒運転の厳罰化や禁煙化に賛成するし、

世間からヲタクへの風当たりが強いのです。(←ジョークです)




小学校において「ニコニコ動画」を観た人で構成されるコミュニティが

あったとすると、そこには

「(ニコニコを観ている、ネタがわかる人)ニコ厨」、

「(ニコニコを観ていない人)非ニコ厨」という優越性が生まれます。


「自分が持っていないもの」はすなわち価値を持つわけですから、

やっぱり欲しい。

しかも、そのコミュニティに参加するにはニコニコを見るしか

ありません。ここで、ポップカルチャーのもつ「限定性」、「閉鎖性」

という要素がむしろ後押しとなるわけです。


また、子供は純粋です。アニメに抵抗をもっていない。


これまでに「ビックリマンチョコ」や「たまごっち」、「ポケモン」が

社会現象になるまでに流行しました。


僕が恐ろしいと思うのは、これらと違い「ニコニコ」は

お金がかからないということです。

「フリーペーパーは既存のメディアを破壊する」みたいなタイトルの

本を本屋で見かけましたが、それどころではありません。

(今度ぜひ読んでみたいと思います)


わざわざ取りにいかなくても、家から出ること無しに無料でどんどん

更新される。


ニコニコがつまらない、という人もいますがそれは目が肥えている

からではないでしょうか。

小学生にとっては無料で幅広く、膨大なコンテンツがあるニコニコは

本当に魅力のある存在なのでしょう。




もしかしたら「一億総ヲタク」という時代が来るかも知れません。

(壮絶ですね・・・。)