9月に発行された、櫻井識子さんの著書「和の国の神さま」を読まれた方は居られるだろうか?
櫻井識子さんは、いわゆる”神仏”と交信して知り得た情報を、アメブロにて発信し続けた事でトップブロガーとなり、今では文筆家として活躍されている方です。
今年だけでも4冊刊行しているベストセラー作家。
「和の国の神さま」という本は、ドキュメンタリー紀行なのですが、特異なのは”天孫降臨”に関する神話の謎を、南九州を旅し『神さまに当時の経緯をインタビューしながら』紐解いていくという仕立てになっている点。
アマテラスの孫である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、アマテラスと高皇産霊(タカミムスビ)の神勅を受けて、高千穂峰(噴火活動中の霧島連山にある)に天降る。いわゆる『天孫降臨』の神話が、アレンジは加えられているものの、実は現実に起こった史実であることを、当のニニギノミコト本人と筆者が出逢った事で知る事になる。
という流れで進みます。
神話を ”見えない会話” を通して、読者に歴史解説のような感じで展開するため、非常に不思議な感覚になる。
そして、
「そうなんだろうな」
と、妙に腑に落ちる。
神々が高天原から降り立ち(仮に宇宙人だったとしても)日本を作り上げた。というより、元々、高千穂峰に住んでいた人格者が人々を束ねて国を作り、その武勇伝がやがて神話になってのが”天孫降臨”の云われ。という方が説得力がある。
それが、神との会話から導き出された答えというのが面白い。
興味を持たれた方は是非、ご一読頂けたらと思いますが、面表紙の折り返し部分の記述には、筆者自身「古事記などの神話は創作なのだな」と思っていたとある。
つまり、全国津々浦々、天照大神がご祭神の神社は多々あるが、筆者は天照大神に出逢った事がなかったからだそうで。
今回、この作品を取り上げさせて頂いたのは、単に紹介したかったからではなく、この本で描かれている ”国” というものが初めて作られたきっかけが興味深ったからです。
〜人が生まれ、言葉を発し
家族が出来て、集落が誕生する〜
そしてやがて集落は部族となり、部族は争いの後、
神勅にて王が生まれ、国が始まる
この”和の国の神さま”を読んだ同じ時期に、 全く似通った ”国の始まり”を、最新の技術で映像化した作品に出逢った。
今でもNetflixで観る事が可能です。
Netflixは、各国で、その国のオリジナルドラマを製作している唯一のネット番組で、オリジナリティ溢れる作品が多い。
そして、ジェームズキャメロン監督の「アバター」張りの世界観で、架空の地球上での”国の始まり”を描いたその作品が、韓国製作の 「アスダル年代記」。
このブログでも紹介した「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」の監督が、その次にメガホンを取った作品です。
振り幅がスゴイ。
何とも、日韓がもめている最中に、同じように”国の始まり”を描いた「書籍」と「映像」が時期を同じくして発表されているのも興味深い限りです。
そして「ニニギノミコト」という”名”が一人歩きしたという天孫降臨と、アスダル年代記に登場する神馬の”名付け”におけるお話しは、次回。
〜 後編に続く 〜
追記
「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」は、私の周辺では高評価だったみたいです。
初めてドラマで声を出してわんわん泣いた。という主婦のご意見、紹介した者として、とても嬉しかったです。
「人の優しさでここまで泣けるとは思わなかった」そうで、確かに人間の優しさ、暖かさを痛感させられるドラマでした。
このドラマを観て「北の国から・87初恋」で、上京する吉岡秀隆くんがトラックの運転手から渡された泥のついたピン札を渡されるシーンを、何十年かぶりに思い起こしました。
日韓含めて稀有な名作ですね。
先週の日曜日に現れた虹の柱


