ミス・タイダム部門 第1位 | 手のひらの中のアジア

ミス・タイダム部門 第1位

ラオス タイダム族ロ


シェンジュン村、ロ。。

次女にボア。
3女にレム。
4女にラム。
4姉妹の長女にして、ミス・タイダム。

会うたびにいろんな表情を見せる彼女。
というより、中学生ってこんなにも変わるものだっけ・・と思うほど驚きの成長ぶり。見るたびに「大人」になってゆく彼女にはただただ脱帽させられる。会うたびごとの写真を見るだけでもそう思う。

出会ったばかりの頃、毎日のように夜の町に遊びにきては、皆でからかい合ったりバカやっていたのだけれど、3度目のムアンシンでは、ロのそんな姿も見られなくなった。

「もう夜遊びはしないのよ」

と言わんばかりのお姉さんぶりまで見せるのだから。

何人かで一緒に市場へ行くと、彼女は真っ先に新しい洋服のチェックをする。

「次は何にしよっかなぁ。これ、よくない?」

なんて言いながらビワスーン たちと楽しそうに話している。数ヶ月前までは、そんな姿もまったくと言っていいほど見られなかったのに。

「こんな短期間に、随分大人になったんだなぁ・・」

と妙な感慨にふける。

最近村にも電気が通り、いくつかの家庭はテレビを買った。夜、食事が終わってから、誰かの家に集まってVCD(ビデオCD)の鑑賞会を開くことが新しい習慣になった。

ロたちと市場に買い物に行った時、僕は皆で見るためのVCD(一枚4,000KIP、400円程度)を2枚ほど買ってあげることにした。

「皆で見るやつを」って言ってるのに、ロは棚から一枚のVCDを取り出してきては、しきりにそれを買ってくれ、買ってくれという。

「ブルースリー伝説」

それ、お前が好きなだけじゃんか・・(苦笑)
他の子にも「それだめっ」って言われてる。

しょぼしょぼ棚にVCDを戻すロ・・。

そんなロを見て、あぁ・・こういうとこ変わってないな、と妙に嬉しくなったのであった。

ロはまた次に会う時、一段と変わってるんだろうと思う。
ちょっとさみしいような、でも嬉しいような。

彼女は、強くたくましい女と美しく可憐な女、両方の特性を持ち合せた今はまだ中学生の女の子。しかしそれは将来、タイダム族の中心的存在となるその前途を嘱望された選ばれし者と言ってもいい。

彼女こそは、タイダムの中にあって「ミス・タイダム」の名にふさわしい唯一無二の存在、ロ。



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