足のリハは2週目くらいから少し変わってきて

平行棒(2本の手摺りのようなもの)の間に入り、まず立ち上がる。2本の手摺りと言っても左手は使えないので、支えは右手のみ。何となく気持ちは左足も踏ん張って伸ばしつつ立つ。意識して力を入れられないのに、何故左足が少しとはいえ体重を支えていられるのか、良く分かってなかったが左足のストレッチなどで筋肉が強化された上で、反射みたいなもので足が自然と立とうとしてるんだと思っていた。同じ頃にリハさんにいわれて初めて気付いたのだが、左足の曲げ伸ばしの動きが出来るようになって来ているという。自分ではそんな実感ありませんというと、ベッドに仰向けに寝た状態でリハさんが左足を股関節と膝が90度になるように持ち上げて足の重さを相殺してくれて、そこから左膝を伸ばして蹴ってみろという。やってみると自分の力だけで膝が伸びる。逆に元の位置に曲げる動作もできる。つまり気付かぬ内に、一応膝を曲げ伸ばし出来るようになってたっぽい

自分の身体なのに自分で分からないというのも妙な話だが、前も書いたように足は重いので、日常生活の中で自力だけでは全く動かないのだから自覚しようがない。動かせるようになったと言っても、横になって、介助して貰いつつと、立った状態で重力に逆らって膝を伸ばすのでは訳が違う。最初の頃はバランスを取って、少し左足にも力を入れて伸ばす意識をして、立つのが精一杯だった。両足で立つのにも少し慣れてきた頃、次の段階として両足で立ってるところから右足のかかとを少し上げて、右膝を少し前に出してみるという練習を始めた。これはさほど難しくないが、次は右足を完全に浮かせてその場で足踏みをしろという。つまり一時的に全体重が左足に乗るわけだ。右手も支えているとは言え。横になって蹴り出すときのイメージで力を入れて膝をぐっと伸ばしてみるがまだそこまで踏ん張りは利かないので、おっかなびっくりシュッと上げ下げする感じ。これを23日繰り返して、次は上げた右足を一歩前に出す。次はいよいよ左足と思ったが、前に出した右足を一旦元に戻すというのを数日経て、ようやく左足。しかし、曲げ伸ばしは出来ても、左足を一歩前に出すという動作は出来ない。どうするのかと思ったが、上手く体重移動できれば左足は自然に出てくると言われてそんなものか?と思ったが、実際はそんな簡単ではなかった。

ここで初めて、装具というものが出てくる。左のかかとにまだ力が入らない状態なので、かかとを保護するための保護具を付けるのである。いろいろな種類があるのだが最初に使ったのはくるぶしの上辺りからかかと、足の裏を軽く覆うようなプラスチック製の装具であった。プラスチックなのでそれほど強度はないが、足首が曲がり過ぎないようにして、捻挫などを防ぐようだ。歩くのにはこのかかと足首の関節の動きが存外に重要で、膝は動かせても、足首には力が入らない私にはこういうものが必要らしい。右足と左足を交互に前に出すということはつまり歩行である。発症より約3週間、遂にに歩行の練習にたどり着きました。確かに右足を出した後何となく左足も付いてくる感じ。左足はまだ不安定なのでぎこちないけど平行棒の端から端まで約4メートルを手摺りを伝いながらではあるが自力で歩けた。自分としてもなかなか感動的な瞬間だった。何らかの形で自力移動できるというのは社会復帰のための最低線だと思っていたので、希望が見えてき感じだ。車椅子だといろいろ制限できちゃうしね。まだまだ始まったばかりだが、先が見えるとモチベーションも上がるものである。曲がりなりにも歩けるということで、リハじゃないときにも自分でいろいろ試してみたいと思うのだが、以前も書いたようにまだ過度に動かすと捻挫したり筋肉を痛めたりする可能性があるのでリハ以外で勝手に練習するのは禁止である。かかとと言えば面白いことがあって、身体には様々な反射があって、肘のお皿の下をコ〜ンと叩くと、膝から下がビヨ〜ンと勝手に動くという膝蓋反射は知ってる人も多いと思うが。片麻痺の場合、動かない方の足のつま先近くを足裏からぐっとつま先を持ち上げるよう刺激をを加えるとそれに呼応して手を離しても足首が何回か勝手にかくんかくんと動くのです。これは健康な足では起きないそう。あくまで自分で動かせない足首のものみたい。で大事なのは何回かくんかくんするかで、数が多いほど筋肉が疲労してるとみるみたい。回数をビートと数えるらしい。8回なら8ビート😄これをチェックしながら歩行練習をします。無理して痛めてしまうとリハビリができなくなるので。想像つきにくいかも知れませんが多いときは10ビートなんて事もあります。しかしこれが1回上手に立ち座りするだけで半分くらいに減ったりします。人間の身体は不思議です。