というサブタイトルが付いた展覧会に行ってきました。
昨日まで国立国際美術館(大阪)で開催されていたライアン・ガンダー展です。
 


残念ながら会期は昨日で終了しており、巡回の予定もありませんが、
なかなか面白い展覧会でした。

ライアン・ガンダーは、1976年イギリス生まれのアーティスト。

 

 

新しいコンセプチュアル・アートの旗手と言われているように、
作品はそっち系のものがほとんどであり、
既成の工業製品を使ったものや、

 

《主観と感情による作劇》(部分)

 

本人はコンセプトだけを考え、

実制作はどこかの工房(工場)に依頼するというパターンも少なくないようです。

 

《ヨーロッパのソフトなモダニズムのための運動家》

 

私がこの作家のことを意識するようになったのは、比較的最近で、
昨年初めて開催された「岡山芸術交流」で彼の作品を観て以来注目してます。
日本の美術館では初個展となるこの展覧会では、

彼のこれまでの重要作と新作約60点が、館のB3フロア全体を使って展示されました。

 

(「ライアン・ガンダー展」展示風景)

 

この手のハードコア現代美術は、それほど集客力が高いとは思わなかったのですが、
今回私が足を運んだのが最終日直前ということもあってか、
かなり多くのお客さんが入っていました(特に子ども連れ多し!)。
見た目がかわいかったり、ユーモラスだったりと、

 

《最高傑作》

 

《あの最高傑作の女性版》

 

子ども受けする要素も多かったりしたからでしょうか?

 

《ARATAちゃん》

 

ともかく、かなりの盛況で、来場者はあまり難しい顔なんかせずに、
笑顔で作品を観て回っていたのが印象的でした。

 

《ひゅん、ひゅん、ひゅうん、ひゅっ、ひゅうううん……(以下略)》

 

理解しようとすると難解なのかもしれませんが、
子どもたちのように、感覚で捉えれば楽しいのでしょう。

作者の意図がどこにあるかは……よくわかりません。
大部分の作品題名はどれも意味深で、難解そうですが。


さて、同じ建物のB2フロアでは、通常コレクション展を開催しています。
このガンダー展会期中は同じコレクション展でも、
ライアン・ガンダーによる所蔵作品展(ガンダーがキュレーションした展覧会)、
かつてない素晴らしい物語」が開かれていました。



私はこの館には度々足を運んでいるので、見慣れた作品が多かったのですが、
学芸員の視点ではなく、アーティストの視点で選ばれた作品が、
2点ずつ対にして展示されていたためか、とても新鮮に感じました。
私が好きな作品(例えばキーファーの《星空》など)もセレクトされており、
興味深く鑑賞することのできる展覧会になっていました。
今後も、こうしたアーティスト目線でのコレクション展を開いてほしいものです。

昨日で「ガンダー展」は終わってしまいましたが、

この美術館では、7月18日(火)から「バベルの塔」展が開催されます。

 

 

私はブリューゲルボスも好きなので、今から待ち遠しくてたまりません。

 

■■開催概要
会 場/国立国際美術館
会 期/7月18日(火)~10月15日(日)
時 間/10:00~17:00(金・土は21:00まで)※入場は閉館の30分前まで
休館日/月曜日 ※ただし、9/18(月・祝)、10/9(月・祝)は開館
住 所/大阪市北区中之島4-2-55
TEL/06-6447-4680(代)
URL/http://babel2017.jp/