ひょんなことから先日、いけばなの講演会に行ってきました。

講演会と言ってもそんな堅苦しいものではなく、
ライブいけばなを観ながら、説明を聞くというもの。
講師は草月流の華道家・矢田青幸(やだせいこう)さんです。
 

 

矢田さんは矢田青幸華道教室という教室を主宰しながら、
ファッションショーでライブいけばなを披露するなど幅広い活動をされている方。
私も矢田さんも、別の方が月1回実施されている写経会に参加しており、
(お互いに熱心な参加者とは言えませんが)

これまでも個展などを見せていただいたことがあります。

ただ、実際に花を生けておられるところを観るのは、今回が初めてでした。

 

 

写経会を主宰されている方が「おおさか21会」という会に参加されており、
その方の提案で矢田さんが講師として迎えられることになったので、

私もビジターとして出席したのです。

おおさか21会というのは由緒ある集まりで、発足したのは1974年
1970年の大阪万博のために伊丹空港改装の中心となった
当時の大阪商工会議所専務理事・里井達三良氏を囲む会として始まりました。
メンバーには元大阪市長の関淳一氏(2003-2007在任)がいるなど、
今も錚々たる顔ぶれによって運営されている会なのです。
(私などはまさに場違いという感じでしたが、知らずに参加してしまいました)

それはともかく、非常にためになる講演会でした。
講師の矢田さんがいけばなの基礎の基礎についてわかりやすく説明されたので、
私のように全く知識がない者でもなんとなく理解することができました。
最も印象的だったのは、いけばなは花を生けた時点で完成ではないということ。
生花を使っているので、生けた後も植物は生長し続ける。
つまり、茎が伸びたり、葉や花が開いたりするというのです。
そのため、数日後の生育具合まで見極めながら素材を構成されるそう。
また、最終的に飾られる場所のことを考えて生けていくとも。

 

例えば、公演会場は会議室のような場所だったため、作品は完成形ではなく、

 

 

 

実際に置かれる場所に移動した後で、さらに最後の詰めが行われるとのことでした。

 

天井が少し低かったり、後ろに壁があったりすると、形も変化します。

 

 

場所に合わせてバランス良く配置するなんて、さすがはプロですね。
 

 

生け花もまさにアートだと感じました。

 

さて、この矢田さんは5月末から6月にかけて2つのグループ展に参加されます。

一つ目が、5月30日(火)~6月4日(日)

大阪府立江之子島文化芸術創造センターで開催される「AVA Art Festival 2017」。

そしてもう一つが、6月6日(火)〜6月12日(月)
同じく大阪の細野ビルヂングで開催される「66(rokuroku)展XV」です。

会場はどちらも歴史的価値の高い近代建築を外観はそのままに、
中身をリノベーションして使われているもの。
矢田さんの花の作品と、趣ある建物、その両方を堪能できるお勧めの展覧会です。