2007年に創刊した美術雑誌「美術屋・百兵衛」も今年で早くも創刊10年。
通巻40号を記念した特別号が、明日(1月27日)に発行となります。

特別号の何が特別かと言うと、これまで紹介してきた日本を飛び出して、
台湾の(美術を中心とした)文化を紹介しているのです。

表紙の作品は、すでにご存じの方も多いでしょう。
そう、國立故宮博物院のコレクションである「翠玉白菜」です。
2年少し前には初来日し、東京国立博物館九州国立博物館で展示されたので、
その際にご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
私は10年ほど前に台湾旅行をした時、國立故宮博物院で観ました。
また、11月に台湾取材した時にも再会を果たしています。

その國立故宮博物院では、副院長にインタビューしてきました。

この館の紹介や主要コレクションの説明とともに、
もちろんその時の取材内容も掲載しています。
國立故宮博物院が今後どうなっていくのか?
興味のある方は、ぜひお読みになってください。

これまでの号で国内の美術館を訪れて、誌面で紹介して来たように、
海外を特集する今号でも注目の美術館を取材し、記事を掲載しています。
例えば、この台北當代藝術館

戦前の日本統治時代に小学校として造られた建物を改装し、
中では非常に先端的な現代美術の展覧会を実施する美術館です。
ちなみに「當代藝術」とは中国語(台湾語)で現代アートを指します。
日本人はじめ、台湾国外のアーティストを取り上げる事も多く、
昨年は「蜷川実花展」が開催されたそうです。

日本人にゆかりがある美術館と言えば、
台湾第三の大都市・台中にある亞洲大学 現代美術館もそう。

この美術館は、台湾ではじめての安藤建築として有名です。
写真を見ただけでも、安藤忠雄さんが設計した事がわかりますよね。
こちらも基本的には現代アートの専門館で、
奈良美智など、日本人アーティストの作品もよく展示されるようです。
台湾を旅行したことがある方も、台中を訪れた方は少ないかもしれませんが、
台北から新幹線に乗って約1時間、わざわざ行く価値はある美術館だと思います。

さて、そんな台湾では、11月に取材で訪れた際、
ちょうど「ART TAIPEI」という大規模なアートフェアが開かれていました。
もちろんそこでも様々な取材をしてきました。
特に面白そうな画廊数軒には突撃インタビュー。

主にオーナーに画廊の歴史や取り扱い作家などの話を尋ねています。
アーティストの話を伺うことは多いのですが、
ギャラリストに質問することは個人的にあまりなかったので、
良い勉強になりました。

さて、台湾出身のアーティストで、現在日本で活躍している方と言えば、
みなさん誰を思い浮かべるでしょうか?
今回の「美術屋・百兵衛」では、ジュディ・オング倩玉さんを取り上げました。
みなさんもご存じの歌手・女優のジュディ・オングさんが、
アーティスト(木版画家)活動を行う際のお名前です。

当然、「百兵衛」には歌手・女優としてではなく、
木版画家として登場していただきました。
実は倩玉さんは、あの棟方志功の孫弟子で、
2005年の日展では作品「紅楼依緑」が特選になった実力派アーティストなのです。
そんな彼女も出展する「第1回 台日藝術博覧会」が、
3月24日(金)〜26日(日)に台湾の台北駅1F中央コンコースで開催されます。
この時期に台湾旅行を予定されている方は、ぜひ立ち寄りください。

台湾のアート情報が満載の「美術屋・百兵衛」No.40ですが、
アート情報以外にも、台湾の情報を発信しています。
眺めるだけで思わず台湾に行きたくなる「百兵衛流 台湾ガイド」や、

台湾のグルメ情報を少し紹介している「おいしい台湾」など、

あっ、私が毎号駄文を連載しているページもあります。

わざわざここで紹介するようなものではありませんが・・・

アート好きはもちろん、
アートにはそれほど興味がなくても、台湾に興味がある方が読めば
役立つような情報がいくつも見つかるはずです。
全国の大型書店の美術雑誌コーナーの他、
ネット書店の「fujisan.co.jp」や
「美術屋・百兵衛」公式サイトでも入手できます。
ただし、フライングはできません。
繰り返しますが、発売日は明日、1月27日(金)!
このブログを読んで何となく気になった方は、
まずは立ち読みでもいいので、ぜひ一度手に取ってみてください。