私が編集している雑誌「美術屋・百兵衛」にはいくつか連載記事がありますが、
ギャラリストが選ぶ『旬』なアーティストたち」というコーナーもその一つです。
これは、画廊オーナーやスタッフがおススメの若手アーティストを紹介するもので、
東京、特に銀座周辺を中心に、京都や大阪の画廊にも協力していただいています。
その一つが、大阪にある「DMO ARTS」さん。

先週の土曜日に、この画廊で開催されている展覧会を観に行きました。

 

DMO ARTSがあるのは、大阪駅のルクア1100(イーレ)という商業施設の中。

元々ここは「大阪三越伊勢丹」というデパートだったのですが、
経営不振から業態が変わり、ファッションビルのような形態になりました。
DMO ARTSは百貨店時代からテナントとして入っていたのですが、
ビルのリニューアルを期に、フロアが上層階から地下1階へと移動。
ただ、ファッション関係のテナントに囲まれているのは昔も今も同じです。

 

DMO ARTSでは、場所柄もあってか、主に若手アーティストを取り扱っています。
アートというより、イラストやマンガよりの作品も多いですね。
もっとも、もはや現在ではアートとマンガの垣根はほとんどないと感じますが。
現在開催中の個展も、そんなアーティストのもの。
とんぼせんせい 個展「Yeah!めっちゃとんぼせんせい」です。

とんぼせんせいとは、「三本の線を引くだけでどこにでも現れる」をコンセプトに、
あるゆるものをハッキングするイラストレーター。だそうです。
上之イラストの女性とマンボウの顔は、3本の線で描かれていますが、
この「3本の線による顔」こそが、とんぼせんせいの作品に共通するものです。

可愛い女の子だろうと、マイケル・ジャクソンだろうと、
あるいはムーミンやトゥィーティーのようなキャラクターであろうと、
彼(彼女?)にかかると、すべてが均質化され、観る者を脱力させるのです。
(「脱力」と言っても悪い意味ではなく、「心地よい脱力」です。念のため)

余談ですが、私はこの「三本の線」を観て、あだち充を思い出しました
あの「タッチ」で有名な漫画家のあだち充です。

 

↑は、あだち充のマンガから引用したものですが、
「めっちゃとんぼせんせいの三本の線」を彷彿とさせませんか?

 

めっちゃとんぼせんせいの個展は残念ながら明日で閉幕。
お近くの方で、お時間があれば、ぜひ観に行ってください。
JR大阪駅に直結したビルですから、アクセスは良好ですよ。

さて、DMO ARTSで10月26日(水)から始まる次の展覧会は、
GOMA展 失った記憶 ひかりはじめた僕の世界」。
実は現在発売中の「美術屋・百兵衛」でも取り上げたアーティストです。


元々オーストラリアの伝統楽器「ディジュリドゥ」の奏者として活躍していた人で、
7年前の交通事故をきっかけにプリミティブな点描画を始めたそうです。

        GOMA「ひかり」

 

点描で描かれたひかり、雪、花、水、海などの様々な文様からなる作品は、
実物を観れば、さらにその美しさがわかるような気がします。
 

GOMA展 失った記憶 ひかりはじめた僕の世界

会場:DMO ARTS(大阪市北区梅田3-1-3LUCUA 1100 B1F)
電話:06-6450-8187

会期:10月26日(水)〜11月15日(火)
時間:10:00~21:00 ※最終日のみ18:00クローズ

定休日:年中無休(年末年始を除く)

レセプションパーティー:10月29(土)18:00〜 ※作家も在廊

公式サイト:http://www.dmoarts.com/