037- 忍び寄る不幸(3) | 白ポーターの小説ブログと時々日常

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基本的には趣味の写真と、小説を公開させていただいています。現在は「君の幸せは俺の幸せ」を連載中。携帯の方はテーマから読みたい文章を選んでください。


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「それじゃ、僕が学費を出すから専門に行こうよ」

僕は本当に真剣な顔で君にそう言った。




「ダメだよ、お金たくさんかかるんだよ」

君はすごく困った顔で断ってくる。




「大丈夫だよ、そのぐらいの蓄えはあるし」

ダメだという君に僕はさらに詰め寄る。




「それでもだめだよ」

君は頑として僕の言うことは聞かないつもりだ。




「最近収入も安定してきたし、生活には困らないよ」

僕の表情は少し怖いぐらいだったかもしれないね。




「だめなもんはだめ、もう決めたことだから」

君の表情は変わらない。


僕は君の意志は変わらないと判断してその日はそれ以上何も言わなかった。




でも、僕は本気だったんだよ。

君には夢があったし、行きたい学校だって決めていたのに。

僕はどうしても納得が行かない。




なんで君がそんな我慢をしなきゃいけないんだろう。

いままで君はずっと家のために頑張ってきたじゃないか。




部活が忙しいのに・・・

両親が忙しいからということで、家の家事も手伝っていた。

ご飯だって自分で用意をしていた。

家の掃除や片づけ、洗濯だってしていた。




君はたまに愚痴をこぼしていた。

「お姉ちゃんも妹は家のこと何もやってくれない」

君は何度となく、僕にそんな言葉を漏らしていた。




話を聞く限り、君以外の家族は好き勝手をやっているようにしか僕には思えなかった。


これはこの当時の僕の偏見でしかなかったんだろうけどね。




君の家族は家族なりに頑張っていたんだと思う。


だけど、この時の僕にはそんなことを考える余裕はなかったんだ。




今まで君が家族に迷惑を掛けたことはあるのかな?

もし、あるんだとすれば、君が僕と付き合っているということだけだろう。

それ以外に君は何かをしたかな?


君は家族が大好きだった。


その気持ちは僕に痛いほど伝わってきてたよ。

だけど、その時の僕にはもう君のことしか考えることが出来なかった。




この時から、僕の中では君の家族に対して良い印象を持つことは出来なくなっていたよ。

ごめんね、君は家族を愛していのに。


そんな家族を僕は愛することが出来なくなっていたんだ。




このあと何度となく僕は君の進学を勧めてはみた。

だけど君の就職をするという気持ちを変えることは出来なかった。




そうして時間だけは過ぎていく。

いつしか僕は君の就職を応援するようになっていた。




それはそれで君の夢と繋がるということを理解したからだ。

君は将来やってみたいという職業があった。


進学をしなくても自分の夢を叶えることのできる場所を探すことにした。




ここで足踏みをしていたってしょうがない。

そう思って、二人でこれから頑張ろうと思ったよ。




まだこれだけなら君とは十分にやっていく自信はあった。

僕の中で一つの決意が固まった。




『君は僕が幸せにする』

でも、結果としてこれが君を苦しめることへと繋がっていくんだね・・・










僕はこの時期、神様なんて絶対にいないと思うようになった。

もともとその存在自体は信じていないが、彼女のことをきかっけに、完全に否定をするようになった。

だって、もし神様がいるとするならば、なんで今の彼女の状況を救ってくれないんだろう。

そんなことばかりを考える。

神様がいたとしたら、いったい彼女にどれだけの試練を与えるつもりなんだ?

彼女にそんな試練を与える必要はないと思った。

君はいままで頑張ってきたじゃないか。

ずっとそう思ってきたのに。

この時からすでに僕はおかしかったのかもしれない。

今考えればこの時期から急激に君の笑顔を見る時間が減った気がするよ。

僕はなんて愚かだったんだろう。

君のためにと思っていたことは、今思い返せば全部自分のためだったんじゃないだろうか。

そんな自責の念ばかりが押し寄せてくる。

僕は自分を軽蔑する、こんな自分が大嫌いだ。

なんで生まれてきてしまったんだろう・・・

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