035- 細い脚・・・ | 白ポーターの小説ブログと時々日常

白ポーターの小説ブログと時々日常

基本的には趣味の写真と、小説を公開させていただいています。現在は「君の幸せは俺の幸せ」を連載中。携帯の方はテーマから読みたい文章を選んでください。


テーマ:

君の家は外から見ていると、とても幸せそうな感じがしていたと思う。

僕だって最初はそう思っていた。




君と付き合いだしてから、家族との交流も増えてきた。

それとともに、だんだんと君の家の複雑さに気がつくことになる。


君の家は自営業を営んでいる。




そして、だいたいの状況は君から聞いていた。

経営は苦しく、両親が苦労をしている話はよく聞いていた。

さらにその二人が不仲だという話もよく聞いていた。




最初頃はそういう話を聞いても、そこまでの心配をすることはなかった。


家が大変だということはかなり前から聞いていたし、もう駄目かもしれないという話も何度も聞いた。




その度に結局大丈夫だったという報告を何度も受けていた。


だから、そういう話が出るたびに少し心配にはなったが、いつしかまたかという感覚になっていた。




それに、僕の家だって裕福な方ではない。


自宅のローンだって残っているし、それ以外にも何かしらの借金は抱えていると思う。


夫婦仲だって良くは無く、いつ離婚をするんだろうと子供ながらに思っていたぐらいだ。




自分の家庭に照らし合わせ、君の家庭も同じような状況だろう。

最初はそんな風にしか思っていなかったんだ。




僕はこの時からもっと真剣に君とのこと。


そして君の家庭環境などについて考えておくべきだったんだ・・・




君の家の前に車を停め、車中で話をする機会が多かったよね。。

そんな時、君のお父さんが家から出てきた。

こちらにはまったく気が付いていない。




「お父さん今から仕事?」

僕は階段を降りてくる君のお父さんを見ながら君に聞いてみた。




「違うんじゃないかな」

君もお父さんを見ながらそう応えてくれた。




しばらく二人でその姿を目で追いかける。


夏が近づいていることもあり外は随分と蒸し暑い。




君のお父さんはそんな暑さに合わせてた服装をしていた。


半袖のシャツに短パン、そして帽子を少し深くかぶっている。




「お父さん脚細い、あんなに細かったかな」

君はお父さんを見ながら少し寂しそうに言った。




「そうだね、でも僕も細いよ」

少し元気のない君を見て僕は明るく言ってみた。




「そうだね、ていうかぁ細すぎだよ」

君は笑顔に戻ってそう応えた。




僕は少しばかり華奢な体つきをしていた。

周りからも、もうちょっと体重をつけた方がいいとよく言われていたからね。




「そうかな・・・」

なんて考え込む真似をしてみる。




「なんか嫌味っぽく聞こえるだけど」

君は少し怖い顔をして僕に言葉を返してきた。




日頃のきつい部活のおかげで君はとっても立派な体つきをしていた。

だけど、それは君がいままで頑張ってきた証拠でもあるわけだ。

だから僕はそんなことはまったく気にしなかった。




でも、君は女の子だからね。

そう言うところはすごく気にしていたね。




「大丈夫だって、僕は君がどんなに太っても嫌いにならないよ」

笑いながら君にそんなことを言うと、君は一瞬だけ嫌な顔をする。




「嘘だ」

君は疑いの眼差しを僕に向けてくる。




「ほんとほんと、てかむしろなってもらたい」

僕はちょっと真剣な顔で言ってみた。




「なんで?」

君はとっても嫌そうな顔をして質問をしてきた。




「そしたら他の男が近寄ってこないから」

笑いながら言ってみたけど、この言葉はかなり本気だったんだよね。




君は自分じゃあまり自覚はないだろうけど、モテる方だと思う。


若い君に僕はいつも不安を覚えていたんだよ。

だって君には出会いが多すぎるからね。




「絶対嫌だし、ダイエットするから」

君は笑いながらそんなことを言っていた。




この頃、部活はほぼ引退をしている状態に近かった。

そのため、部活も自主参加になり、練習量も随分と減っていたようだ。




それをきっかけに君はダイエットをするという言葉が口癖のようになっていた。


だけど、引退をしたからと言って、君は部活を休むことはあまりなかった。

それでも、君と会う時間が少し増えた僕としては嬉しかったけどね。




そんな会話をしてるだけで時間はどんどん過ぎていく。

その後は君といつものように食事をする。




この時期は週の半分以上は君とご飯を食べていたような気がするよ。


デート代で一番使っていたのは二人の食事代かな・・・








部活を引退してから二人でいる時間は増えたね。

この頃、一日の中で自由に使える時間のほとんどは君と過ごす時間になっていた。

だから君がいきなりいなくなった時に、この自由な時間をどれだけ持て余しただろう。

その時間を過ごすのが辛くて、とにかく辛くてしょうがない。

君と一緒にいた時間を一人で過ごすということは、僕にとって地獄にいるのと同じような物だ。

それは今でも変わらない・・・

僕はどうしたらいいの・・・

この地獄から救いだせる人がいるとしたら、それは君しかいないんだと思う。

だけど、今君はここにはいない。

誰に救いを求めればいいんだろう・・・

もしかしたら救いの手は差し伸べられているのかもしれない。

だけど、僕が自分でそれを見ないようにしているだけなのかな・・・

白ポーターさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス