034-最後のプレゼント(3) | 白ポーターの小説ブログと時々日常

白ポーターの小説ブログと時々日常

基本的には趣味の写真と、小説を公開させていただいています。現在は「君の幸せは俺の幸せ」を連載中。携帯の方はテーマから読みたい文章を選んでください。


テーマ:

「しょうがないね・・・お誕生日おめでとう」

君はそう言いながら諦めたような笑顔で、持っていた袋を両手で差し出してきた。




「ありがとう」

プレゼントをとても嬉しそうに受け取りながら僕は応えた。




その中には赤とみどのリボンでラッピングされたものが入っている。。


「開けていい?」


袋の中身を確認した後、君の顔じっと見つめながら聞いてみた。




「いいよ、早く開けてみて」

君は何かをとても期待したような顔でこちらを見ている。




僕はその中に入っている袋を取り出し、ゆっくりとリボンを解いた。


中身を確認するまでに何度も君の顔をチラチラと見る。


その度に君は早く出してほしそうな顔を見せてくる。




中には白い小銭入れが入っていた。

しかも、今僕が使っている財布と同じブランドだ。




「まじで?めっちゃ嬉しいんだけど」

僕は本当に喜んでしまった。




君はそんな僕の姿を見て、勝ち誇ったような笑顔を見せてくれた。


きっと絶対に僕が喜ぶって言う自信があったからあんなに期待をしていたんだろう。




「色迷ったんだけど、財布が黒だったから白にしてみたよ」

君はとびっきりの笑顔でそう言ってくれた。




僕は自分のカバンから財布を取り出して小銭入れと並べて見た。




「やっぱり合うよね」

君は満足したような笑顔で頷きながら言っている。




「やっぱ君はすごいね」

僕は本当に感心するばかりだ。




「好きな人のことならなんでもわかるよ」

君はさも当たり前だよみたいな顔をしている。




でも、その言葉はそんな簡単な言葉じゃないよ。


本当に君は僕のことをよく分かっている。


逆にわかりすぎていたからこそ、僕の元からいなくなったのかな?




「もうあのダサい百円ショップの小銭入れ使わないでね」

笑いながらそう念を押してきた。




「当たり前、一生これ使うし」


なんてことをいいながら変なポーズを決めてみる。


僕がこんなことをするのは絶対に君の前だけだね。




気がつけば君といられる時間もあまり無くなっていた。

結局ジュースは飲むことはなく、持って帰ることにした。




君と僕は車を降りて、一緒に階段を上って行く。

家のドアの前でいきなり君に抱きつく。


そのまま君の唇を奪ってしまった。




その日はいつもより長い時間唇を重ねていたと思う。


ゆっくりと君から離れると少し照れた笑顔を見せてくれた。




「やばいよ、みんなすぐそこにいるんだよ」

そんな心配をしている君がとても可愛く見えた。




僕はそんなことお構いなしにもう一度君に抱きつく。


「ありがとう、最高の誕生日だよ」

君の耳元でそう呟いた。




「もう・・・」

君はそれ以上は何も言わ僕に体を預けてくれた。


しばらくの間そのまま時間を過ごしてしまった。




その時いきなり、ドアの向こう側で誰かの声がした。

君と僕は慌てて離れる。




そして、僕は逃げるように階段を駆け下りる。

君はそんな僕に笑いながら手を振っていた。




僕は家の門をゆっくりと閉めて軽く手を振ってから足早や車に向かった。


家に着いてから君にお礼のメールを送った。


その後はいつものように君と電話をした。




この日は疲れていたのか、十分も経たないうちに君は眠ってしまった。


その日は君が寝てからもかなりの間電話を繋いでいたかな。




プレゼントされた小銭入れを眺めながら君の寝息に聞き耳を立てる。


しばらくして僕も眠くなってきた。




「今日はありがとう、おやすみ・・・」

いつものように寝ている君に話しかける。




「あぁ、ごめん、寝てた・・・」

君はすごく寝ぼけた声で応えてくれた。




「起こしちゃったね」


僕は申し訳なさそうに君に返事をした。




「大丈夫、もう寝る?」


とっても眠そうな声で君は聞いてくる。


こんな時でも君は僕のことを考えてくれる。




「もう寝るよ、おやすみ」


実際僕も本当に眠たかったからね。




「そっか、それじゃぁおやすみ、明日も仕事がんばってね」


君は自分の方も大変なのに僕の心配ばかりしていたかな。




電話を切る時はいつも辛かったです。


出来ればずっと繋いでいたいぐらいなんだけどそうもいかないよね。


仕方がないと思いながら僕は電話を切った。




その後は財布をカバンしまってから目を閉じたら僕もすぐに眠ってしまったよ。

この日は人生で最高の誕生だったと思うよ・・・




君は本当にこういうところはうまいよね。

僕が小銭入れを探していた時、一緒に探してくれるフリをしていただけだ。

今思えば君は僕に小銭入れを買わせないようにしていたんだね。




この時は本当に幸せだった。

君とはこれから先もずっとずっと一緒にいるんだって思ってた。

だけど、これが君からの最後のプレゼントになるなんて思っても無かったよ・・・










今でももちろんこの小銭入れは使っている。

とっても使い勝手いいんだよね。

真っ白だった小銭入れも少しだけ汚れが目立つようになってきた。

君は汚れが目立たないから黒を選びたかったと言っていた。

だけど、財布が黒だから白の方が合うんじゃないかと言っていたね。

今改めて二つを並べてみてもそう思うよ。

こうやって並べているとあの時のことを思い出してしまう。

やっぱり、涙が出てしまうね。

なんで君と別れることになってしまったんだろう。

誕生日が終わって夏が近づいてくる。

この頃から君と僕の歯車は噛み合わなくなってくるんだ。

なんで、こんなことになってしまったんだろう。

この頃のことを考えると想像もつかないよ・・・

この小銭入れはこれから先もずっとずっと使っていくよ。

君のことはずっと忘れないからね・・・

白ポーターさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス