第12章「追憶」序 | 獏井獏山のブログ

獏井獏山のブログ

ブログの説明を入力します。

・独りで部屋に籠って瞑目すると、数十年前に離れた故郷の河内で過ごした日々を思い出す。不思議なことに、故郷を離れた日の数年前の日常より、もっともっと前の「子供の頃の記憶」の方が鮮明に蘇ってくる。

・世の中は「激しく変化する時期」と「変わらない状況が続く時期」があるように思う。そして自分が生きてきた年月は目まぐるしい変化の時期だったようだ。

 …テレビや電気掃除機やジェット機などが無かった昭和10年代に生まれ、成長期を経て大人になり…電子機器を始めとして多岐にわたる近代化の華やかさが渦巻く今日(こんにち)までを振り返ると変化の目まぐるしさに改めて目を瞠る許りである。こんなにも変化に富んだ時代を生きてきた意味は大きい。

・求めれば何でも手に入る現代に比べると、自分が子供の頃は遊びや楽しみなどは何でも自らの手で生み出してきたように思う。そうするしか無かった時代である。今思うと、それこそが底知れず大きな掛替えのない楽しさだったように思われる。