漫㉒「猫」 | 獏井獏山のブログ

獏井獏山のブログ

ブログの説明を入力します。

・子供の頃から犬は好きだったが、ネコは性に合わなかった。家族も皆そうだったのか私の小さい頃から大きくなるまで犬は何時も飼っていた。

・そころが、或る一時期、姉が1匹の猫を知り合いから貰って飼い始めた。猫というのは誰彼構わず近付いてきて膝の上に乗ってくる。初めて膝の上に乗られた時は少し戸惑った。丸くなって座り込んだが最後、動こうとしない。仕方なく頭を撫でると目を閉じて、幸せいっぱいと云わんばかりの良い顔をするので、それほど日も経たないうちに可愛くなってきた。

・この猫は、その時すでに中老年だったようだ。…その後何日か経って姿が見えなくなった。「どうした?」と姉に聞くと、「きのう死んだ。」と小声で寂しげに云った。

・我が家(実家)の敷地は広い。後で分かったことだが、姉も気付かない時に如何にも人目を避けるように、屋敷の角に植わっていた樫の木の影で安らかに眠っていたという。…

・最近テレビなどで猫の話題がよく出るので、たった一度の思い出が蘇った。