包丁もろくにもったことなく、米の炊き方もわからない僕が飲食の仕事をはじめました。
毎朝キャベツを6ケースくらい牛刀でものすごい勢いで切っていたので、千切りはそれなりに上手くなりました。
この高田馬場では大火傷を負ったり本当に苦い思い出ばかりです。
飲食の経験がまったくない40歳をすぎたおじさんだから、本当にスタッフ全員にバカにされてたと思います。
そこでは自分のいままでのキャリアなど何一つ役に立ちませんでした。


でもなにか一つ差を付けたいと思い、店のメニューの価格を全部覚えたんです。
少し古いタイプのレジだったので、メニューの価格を覚えているとレジ対応がめちゃくちゃ早いのです。
正直鉄板の修業においてどうでも良いことですが、それ一つやっただけで周囲のスタッフたちの反応がまったく違いました。


あと忘れられないのは、もうなんといってもI店長の存在かな。本当にどうしようもないやつでした。
彼との人間関係をずっと頭悩ましてました。でももういっそのこと彼を愛そうと思ったんです。ぎゃくに。
で、彼のためにサプライズで祝ってみたり色々と気をつかいました。
でも彼から返ってきたのは、売上金がなくなった事件の犯人を僕に仕立てるという事でした。まあ、結果犯人はI店長だったのですが。
でも本当に大変な修業期間でしたが人として少し成長できた時間だったのではないでしょうか。知らんけど。