昨日の続きです。

 テキストとして用意したのは今までに掲載した内容であり、高校生向けですから歴史に詳しい方にとっては退屈な部分もあったと思います。あと少し、当日に口頭で付け加えたこともありますので、それも2点ばかり書いてみたいと思います。

 今は少子化などと言われていますが、昔は子どもの数が多くて、7人も8人も生まれて、5人か6人は成人しました。5人としても、孫は25人になり、曾孫は125人になります。食糧を供給する農地はそんなには増えません。

 戦国時代は武士は合戦で死んだり、家を焼かれて凍死をしたり、田畑を踏み荒らされて餓死する農民もいて、人口はそれほど増えなかったのですが、平和になると人口は急増して、人口の増大による飢饉が発生します。

 次男以下が結婚できないとなると、女性も結婚できない人が出てきて、大勢いる兄弟姉妹のうち結婚できる人が男女1人ずつくらいであれば、人口は未婚化によって抑制が可能です。実際に江戸時代は、冷害や火山の噴火などの天災では大きな飢饉が起きていますが、人口の増大による飢饉は避けられています。

 しかし個人レベルでいえば、生涯結婚できないのはとても嫌なことです。

 江戸時代の仕事は家督に付いてるので、武士の家に生まれても家督を継がなければ城に勤める権利はなく、農家に生まれても家督が継げなければ自分で営農することはできません、商家でも商売の権利は家督に付いていますから、家督を継げない者は店の手伝いしかできません。

 仕事をさせない、結婚させない、子どもを作らせない、といったかたちで人口の抑制を権力ははかっていたのです。正社員になれない、結婚できないという状況は現在に似ています。

 口頭で付け加えたのは以上です、後日生徒が書いた授業の感想を読みましたが、江戸時代の方が良いと考える者が7割、戦国時代の方が良いと考える者が3割といった結果になりました。

 私が出したのは誤答のない設問であり、どちらと答えても正しいものです。人の世は現代まで含めて、多数の弱者、合戦で殺される人や生涯飼い殺しになる人たちの犠牲の上に成り立っているものである、この事実を少しでも高校生に知ってもらえたら良かったと思っています。
 
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