あることに夢中になる時、そしてそれで戦う事を決めている…決めかねていても。

その人は、自分は天才であることを信じている。僕もまたその一人だ。

一瞬の隙も見せられない世界、永遠の努力を求められる世界、そんな世界に身を置ける人間に成るために、自分を天才だと信じるべきだ。

たとえ、凄まじい壁が目の前に立ちはだかろうと、一度の深呼吸と、三度の飯で、それは1尺ほど小さくなる。信じるか、信じないかは、その人しだい。しかしそこで戦いたいなら、尊敬や畏怖といった諦めは捨ててしまえ。

復活の呪文は、神様だけが知っている。

僕はあなたの復活の呪文を探しました。

誰もが誰かの復活の呪文を探す日が繰るかもしれません。

大切な人の復活の呪文。

結局、呪文は分からなかったけど。これでよかったのだよね。

見切りを付けて、探すのをやめたら。

肩の荷がおりました。

復活の呪文は、空白の10文字。

神様だけが知っている。

珍しいお洒落な居酒屋…っていうかバーに行った。今まで行った事のない…座っただけでお金取られて、ぼったくりみたいに高い値段払わされる店だ。

流行の音楽がかけられていて、お客たちはみんな背も高くてお洒落だ。ちびでパーカーの僕には、すこし居心地が悪い。ドレッドヘアーの男が仲間とダーツをしている。…筋骨隆々で、笑い方に知性を感じない。

僕は、中学の友人とその店にやってきたわけだが、そいつはマスターと知り合いらしく楽しそうに談笑している。

とりあえず800円もするカシスオレンジを注文。薄くてまずかった。

椅子に座って、そのマスターと友人の会話を聞いていた。勝手に帰ってしまおうか…とも思った時。ドレッドが話しかけてきた。

「へ~い。どう、楽しんでる?」

「あ…はい。」

僕はその瞬間、今日という日を人生最悪の日と名付けることにした。

「何してんの?大学生?」

ドレッドは笑うと大きなえくぼができる。意外とかわいい顔をした男だった。

「まぁ…そんなもん。」

実際は学生じゃないが…面倒でそう答えた。

ドレッドは、勝手に自分の話を始めた。フリーターで何とかっていう洋服屋で働いているらしい…。ずっと自分の話をしていた。

中学高校時代の武勇伝とか、客の悪口とか…

「マジで?すげーっす。」

なんてリアクションをしてやったけど。意外と楽しかった。