OPA627の探求:デジタルアンプとの組み合わせ実験
OPA627の探求:デジタルアンプとの組み合わせ実験クラシックを良い音で聞きたい。OPA627オペアンプの性能を最大限に引き出すため、異なるデジタルアンプとの組み合わせを試してみることにしました。この実験のために、以下の2台のデジタルアンプを新たに購入しました:1)FX-AUDIO- FX-502J:コンパクトながら高性能を謳うモデル2)FX-AUDIO- FX1002J+:より高出力で、ハイエンド志向のモデル1. FX-502Jの実験結果:FX-502Jに搭載してみましたが、予想外の結果となりました。確かに音質は良好ですが、長時間の視聴で疲労感を感じる音になってしまいます。これは、OPA627の個性が非常に強く、FX-502Jの特性を圧倒してしまっているためだと考えられます。多くのデジタルアンプは、デジタルアンプIC製造元が提供するリファレンス回路を基に設計されるため、比較的安価に製造できます。しかし、その反面、独自の個性に乏しくなりがちです。そのため、OPA627のような個性的なオペアンプとの相性が難しいと感じました。当初、FX-502Jは入手困難となったラックスマンLXA-OT4の代替機として購入しましたが、残念ながらその役割を果たせないことが判明しました。LXA-OT4はTPA3112デジタルアンプICを使用していますが、回路設計はラックスマン独自のものです。ラックスマンの名に恥じない、妥協のない設計だと言えるでしょう。一方、FX-502JはTPA3116を使用しており、TPA3112と同シリーズであることから代替になると考えましたが、実際に聴いてみると両者の違いは歴然としていました。この経験から、単にICが同系列というだけでは、音質の互換性を保証できないことを痛感しました。1. FX-AUDIO- FX1002J+の実験結果:FX1002J+は、LXA-OT4とOPA627の組み合わせに非常に満足していたものの、出力不足を感じていたため購入しました。TDA7498Eを搭載し、アクティブサーボ回路を内蔵した本機は、デジタルアンプとしてはハイエンド仕様で、160Wもの高出力を実現しています。FX1002J+にはOPA627が3セット必要でしたが、チップごとの個性があるため、同じロットで統一したいと考えました。しかし、OPA627が生産中止品であるため、代替としてOPA827を購入することにしました。OPA827は、OPA627の回路を現代の材質と生産システムで再現したものです。OPA627とOPA827の差は微妙だと言われており、開発者の中にはOPA827の方が優れているという意見もあります。しかし、OPA627の伝説は根強く、依然としてOPA627を支持する愛好家も多いのが現状です。私個人の耳では、両者の違いを聞き分けるのは困難なレベルでした。同一ロットのOPA827を3セット使用して音を聴いてみましたが、やはりFX1002J+はOPA827の性能を十分に引き出せていないように感じました。期待していたほどLXA-OT4には及びませんでした。しかし興味深いことに、FX1002J+はOPA828との相性が非常に良く、驚くほどの透明感のある音を再現しました。この組み合わせは、新たな可能性を感じさせるものでした。