腹痛は主訴としてかなり多く、鑑別診断が数多く、一歩間違えれば死んでしまう疾患もたくさんあるため難しい。


主な鑑別診断としては、

[循環器]

急性心筋梗塞

大動脈解離

腸間膜動脈閉塞

[消化管]

急性虫垂炎

イレウス

便秘

急性胃腸炎

胃潰瘍

消化管穿孔

閉鎖孔ヘルニア・大腿ヘルニア

[泌尿器]

尿管結石

[婦人科]

子宮外妊娠

卵巣茎捻転



等がある。


数が多いので、病歴聴取と理学的所見で数を絞ることが大事である。

フルコースの検査としては、

・採血

・Xp(胸、腹、KUB、左側臥位撮影)

・CT(腹・造影も)

・エコー

・ECG

・尿検査

どれを選択するかは、施設の事情もあるだろうが、

1年目研修医なら、なるべくたくさん検査を出したほうがいい。


それぞれの疾患をR/Oできる条件は、

・AMI→ECGでの異常、採血でのトロポニンT値など

・大動脈解離→腹部CT、腹部造影CT

・腸間膜動脈閉塞→腹部造影CT

・急性虫垂炎→腹部CT、エコー、McBurney点の圧痛、腹膜刺激徴候

・イレウス→腹部opeの既往、腹部Xp、腹部CT、排便状況

・便秘→腹部CT、ジギタール、排便状況

・急性胃腸炎→除外診断で診断するのが安全策

・胃潰瘍→心窩部のムカムカ感、黒色嘔吐

・消化管潰瘍穿孔→立位胸部Xp、左側臥位腹部Xp、腹膜刺激徴候

・閉鎖孔ヘルニア、大腿ヘルニア→視診、触診、CT

・尿管結石→CVA tenderness、KUB、腹部CT、エコー、尿検査

・子宮外妊娠→エコー、妊娠反応

・卵巣茎捻転→エコー、CT、MRI等


等である。


対応としては、

・便が溜まっていて、イレウスではない場合、浣腸をする→Sx改善すれば、便秘の可能性高い

・イレウスでは、画像上二ボーが見られる

・ECGを施行すれば、AMIをR/Oできる

・CTを施行すれば、多くの情報が得られ、R/Oに役立つ。ただ、CTでは急性胃腸炎は分からない

・McBurney点の圧痛、腹膜刺激徴候があれば、急性虫垂炎を疑う。CTはあまり参考にならない。急性虫垂炎が疑われる場合は、採血をし、炎症反応を調べておく。炎症反応が低い場合は、抗生剤で散らすこともできる。


腹痛はDdxが多く、まとめるのが大変である。

各論は別にまとめていく。

救急外来にはじんましんも多い。

まずは全身の所見をとり、皮疹の様子などを観察する。

が、皮膚科医ではないので、皮疹の詳細な観察はもちろんできない。

なんとなく、膨疹であれば、じんましんである。

歩いてこられて、Satで異常がなければ、

膨疹を改善するために、自己免疫を抑える注射をする。

強ミノ iv (体格によって、1A or 2A。たいていは2A) →抗炎症・免疫調整・肝細胞修復

クロールトリメトン 1A iv →強力な抗ヒスタミン作用

ソル・コーテフ300mg iv →自己免疫抑制

以上の処置をして、Sx改善見られれば、内服薬処方して、

明日の皮膚科受診を指示すればよい。

内服は、アレロック(5mg) 2T2XMvdsが順当である。

突然の腰痛・股関節痛

頻度の多いのは、椎間板ヘルニア。

問診で聞くべきことは

神経症状→運動障害、感覚障害、しびれの有無、椎間板ヘルニアの既往など

理学的所見としては、

SLRテスト→下位腰椎の検査

FNSテスト→上位腰椎の検査

椎体のknocking painをみる。

knocking painがある場合は、骨の異常も疑われる。

検査としては、

腰椎Xp2Rで、骨折の可能性を除外し、

MRI(1.5T or 3.0T)腰椎 Axial & Sagittalで、椎間板の突出を確認する。


痛み止めはボルタレンSp。

体格によって、25mgと50mgを使い分ける。

診断が絞り込めてきた段階で使う。

夜間に来た椎間板ヘルニアなら、Xp撮影後、骨折がないことを確認し、

ボルタレンSpで痛みが引いたなら、マックスベルトを付けて、

ボルタレンSpを処方し、帰宅して、自宅安静を指示。

ある程度動けるようになった段階で、整形外科再診を指示しておく。




TA traffic acident 交通事故でやってくるPtは多い。

最近は、事故が起きたら、自分で救急外来などへは行かず、すぐにEMSを呼ぶことを警察も推奨しているようだ。

なので、EMSでやってくるTAは重症から軽症まで幅広くいる。


まず、見ることは、独歩可能かどうか。独歩可能ならたいてい軽症である。


聞くべきことは、

・受傷機転・・・いつ、どこで、どのような状況だったのか

・LOCの有無

・高エネルギーかどうか・・・車体の破損状況、エアバッグ、シートベルト、体をどこにぶつけたか


Sx

・痛みの部位に応じて、pain、TOP、ROM、POM、swellなどを記述。TOP+、POM+、swell+などの場合、Fxが高率で疑われる。Fxが疑われる部位は全てXpをorder。またpainの部位があまり多すぎない場合は、painの部位全てXpをorder(コメディカルに優しくすることは研修医のマナー)。

・しびれの有無(しびれは神経傷害の最初の一歩)

・motor、sensory障害の有無


Xpのorder

基本的にはpainのある部分を重点的に観察すればよい。Fxを見つけるには、骨皮質を丹念に追い、連続性が切れている部分を探す。ただ、このサ行にはある程度の慣れが必要で、最初はなかなかFxは見つけられない。

・頭部・・・大人は3R。小児は2R。方向は頭部正面、頭部側面、頭部タウン。頭部正面ではOMラインに沿って入射しており、眼窩内に内耳道が描出される。頭部タウンは頭部正面より30度つけて、両外耳孔の中点に射入しており、後頭部が明瞭に見える。

・頚部・・・重点的に見たい場合は、4R。そうでもない場合は、2R。方向は正面、側面、右斜位、左斜位。正面では椎間間隙などを見る。側面ではアラインメントや骨折線などを見る。棘突起骨折に注意する。斜位は、左右の椎間孔を比較する。

・胸部・・・通常、正面のみ。肋骨や肺を見る。Xpだけでは軽微な肋骨骨折の診断をするのは困難。Sxが強いようなら、CTをorderする。CTでは気胸・血胸・肺挫傷が見つけやすい。気胸・血胸・肺挫傷があった場合には、経過観察入院の適応となる。

・胸椎、腰椎・・・通常2R。正面では椎間間隙、Fxの有無などを見る。TAとは直接関係ないが、OAの所見が拾えることもある。側面では、椎間間隙、Fxの有無などを見る。背部の正中のTOP、knock painがあれば、Fxが疑われる。正中の左右のTOPなら、筋肉の痛みと推定される。ので、必ず、Ptの服を脱がし、詳細に観察すること。

・骨盤・・・通常APのみ。丹念にFxを探す。骨盤骨折は軽度でも大量出血→ショックになりうるので注意を要し、すぐにラインの確保が必要となる。腸骨翼を左右から押して圧痛の有無を見たり、恥骨の圧痛を見る。圧痛があった場合は、何度も押さないようにする。

・四肢・・・通常2R。painのある部分のFxの有無をチェック。


A/P

・Fxがなく、低エネルギーで独歩可能などの軽症Ptの場合・・・IDP1パック→湿布、ロキソニン(60)3T3X→痛み止め、セフタック(50)3C3X→胃粘膜保護、ミオナール(50)3T3X→筋弛緩などを処方。帰宅し、経過観察とする。痛みが引かないようならもう一度Hpへ、と説明する。

・診断書の作成・・・たいていの場合、診断書が必要となる。診断書のテンプレート↓

例:病名:頚椎捻挫。

  平成○○年○月○日、交通事故により受傷。現時点では、全治までに○週間要する見込みである。以下余白


・Fxがある場合・・・整形外科をコールする。

・Fxが明らかではないが、Sxが強い場合・・・もう一度よくXpを見る。対応としては、いくつか考えられる。①整形外科をコール②夜間ならば、緊急性がないことを説明し、明日必ず整形外科を受診させる。③日中ならば、整形外科外来へ送る④深夜ならば、一泊病院にいてもらい、朝になったら、整形外科に診てもらう。