「『気にしない』って!」
7月22日(月)の18時半頃、帰宅したあみの第一声です。顔を輝かせほっぺたをぱんぱんに膨らませています。
(口の中に空気を含んでいるわけではなく、口角があがるからなのか、頬骨の辺りがグッと高くなります。嬉しいとき、すごく満足しているとき、得意気なとき、こうなります)

この日初めて、あみは友達と二人だけで地下鉄とJRを乗り継いで、イオンへ行ってきました。

相手はこのブログによく登場する、保育園からの友達Mちゃんです。これまでは親同士が話し合って、一緒に遊びに行っていました。

もうすぐ夏休みというとき、「Mちゃんと遊びたい」と言うので、いつものように手紙を書かせました。すぐさま返事がきました。

前々から、「中学生になったら二人だけで出かける」と言っていたので、いよいよか!という感じです。

二人ともスマホを持っているので、そこからは子供同士LINEで意見を言い合って、計画をたてて、出かけていきました。

待ち合わせは9時。自分たちでチケットを買って映画『天気の子』を観て、フードコートでお昼を食べて、18時過ぎまでイオンの中を二人で歩き回っていたようです。

話が弾んだのでしょうね。

あみはずっと、
「支援級にいることをいつ伝えるか」
ということを悩んでいました。Mちやんは大事な大事な友達なので、あみにとって「ずっと黙っている」という選択肢はなかったようです。

今、打ち明けて、拒絶されたら怖い。でも、後になってわかって、「今まで隠していたの?」と思われるのも嫌。そんな葛藤があったそうです。

それでも、一緒に遊ぶ約束が決まるとすぐ、話すことを心に決めたようです。遊びに行く日が、楽しみだけど怖いと言っていました。

その結果が、冒頭の言葉。

どうも、かなりフラットに受け止めてくれた感じです。

支援級ということがよくわかっていないのかもしれないと私は思ったのですが、夏の終わりにMちゃんのお母さんと二人で(私達もそういうのは12年の付き合いで初めてです)ランチをしたとき聞いてみたら、学校で支援級との接点もあるからわかっていると思うということでした。

私もすごくホッとしました。

実を言えば、私自身もMちゃんのお母さんとのお付き合いが、今後、どうなっていくのか不安でした。これから悩みがどんどん変わってくるだろうし、あみの話をすると重いかもとかも考えました。

後、正直な話「我が子が普通であること」へのうっすらとした憧れというか羨望というのもあって。就職のことを考えるのはまだまだ先で、高校に進学することは疑いのないところで、という状況が羨ましいというか。

結果として、それは杞憂でした。状況は違っても、悩みは同じというか通じるものはあるのですね。それぞれの立場で違うところは違うなりに、飾ることなく偽ることなく、でもお互いに気遣い合いながら、楽しい時間を過ごすことができました。

母娘揃って、いい友達がいてくれることは、ありがたいことです。

今回のお出かけで、あみはもう一つクリアしたことがあります。

昼食のことがとても心配でした。

フードコートで食べるので、マックフライポテトと飲み物だけにすることで、とりあえず食物アレルギーの心配はありません。

問題は注文です。場面緘黙のあみにできるのか、Mちゃんに手伝ってもらうのか気になっていたのです。

驚いたことに、
「Mちゃんに席を取ってもらって、ボクが買った」
ということでした。声を出して頼むのは無理なので、スマホを使ってマクドナルドの公式アプリでクーポンを表示してスタッフに見せるという方法で注文したのでした。

事前にその方法で一度練習しておいたのですが、そのときには私が隣にいたので、本番でできるかどうかわかりませんでした。できたとしても、Mちゃんも一緒に注文カウンターまで行くものだと思っていたので、ビックリです。

友達付き合いって、すごい力があるようです。


普通級で頑張ってみてもいいという気持ちになったのは、友達の存在が大きいと思います。支援級にいるということを受け止めてもらえたことが、逆に作用したように感じています。

うまく表現できないのですが。

気づけば9月も終わりです。中学生活の6分の1が過ぎた計算です。

早い!

今のところ、予想しなかった速いスピードであみは成長しています。

焦らず急かさず、でも、あみの可能性を狭めることなく適度なハードルを提示して(与えるのではなく)、サポートしていこうと思います。

あみが成長のスピードを速めても緩めても、このことは忘れないでいたいです。