いよいよ登場しました。落語会の個性派「権助」ですが、いろんな噺に登場します。



題名になっているものも「権助魚」以外に、「権助提灯」「権助芝居(一分茶番)」などがあります。



そのほか、「蒟蒻問答」「しの字嫌い」「化け物使い」などまだまだいろんな噺にこの「権助」が出て来ます。


たくさん出て来る理由の一つに、この「権助」というのが、はっきりした名前でなく、「地方出身のお店の使用人」の総称というのがあります。


落語では良く「飯炊きの権助」と言いますが、職業として言っているようなものなんですね。


なのでもしかしたらこの権助にもちゃんと名前があるんでしょうけど、お店からしたら田舎言葉を言う下男は皆「権助」だったのでしょう。


そんな権助ですが。この「権助魚」においては、完全なる主人公になります。


脇に囲った妾を心配した妻が、様子を見に行かせるために権助を旦那に付ける。もちろんそれはすぐにバレてしまい、旦那も一計を案じて、誤魔化そうとする。


「丸安の主人と会って隅田川で網を打って魚を取った。旦那は主人と一緒に湯河原へ行って今日は帰りません。」


この旦那の言い訳も無茶苦茶ですが、それを実行する権助も凄いですね。


魚屋へ行って、網で取れそうな魚を見繕って買って行くが、家で待つ妻にこっぴどく怒られるという、ただそれだけの噺なんですが、この噺は定番ですがヒット率の高いネタですね。


至極のくすぐりは、権助が妻に対して、旦那の言い訳を言った時の妻の返しです。


「お前が出かけてまだ20分しか経ってないんだよ。」


これはなかなかの鉄板ギャグです。


「芸者や幇間上げて、隅田川で魚を取った。」


に対してこのセリフが来るわけですから、お客さんの頭でそれがグルグルっと回って、んな分けねえだろって笑いが起きる分けです。


この噺は、ほかの部分でもし滑ってもここだけは絶対に受けます。


絶対には言い過ぎですが、十中八九受けます。


もしこのくすぐりで受けなかったら、その日はもうやけ酒です。


それぐらい受けてほしいところです。


このネタには名フレーズがちりばめられているので、いろんな人でそれを楽しむのがいいですね。



権助のキャラも人によって全然違うのでそこも楽しいところです。


基本(権助に基本も何もないですが)としては、少し声が低くて、訛りも東北地方の訛りでしょうか。それも人によって違います。


私は声も割と高めに出してやります。


以前二つ目勉強会で、違う噺ですけど権助の出て来るものをやったら、「君のはなんだか志村けんみたいだね。」


って言われたことがありますね。


笑わせる腕になるまで泣く修行。