リスクマネジメント(危機管理)。
様々な危険による不測の損害を、最小の費用で効果的に処理するための経営管理手法である。企業においては、環境リスクに特化したり、不正リスクに特化したりと、様々な種類のリスク因子を使って、より高度なリスクマネジメントを行うのが主流となり、いまやコンプライアンスからリスクマネジメントの時代へと移行している。
ゴルフにおいてもこのリスクマネジメントはスコアをつくる上で重要な役割を果たす。不測の損害が想定内なのか想定外なのかで、事前準備も含め、発生時の精神的揺れ幅や技術的対応に差が生まれるからだ。
ゴルフとはアクシデントの塊のようなスポーツでもある。
昨夜、僕は16日のラウンドにおけるあらゆる不測の損害に対応すべく練習場に赴いた。
完璧なのだ。
なにからなにまで。不測の損害がおこる道理など微塵もないほどに、この日の僕はキレッキレにキレまくっていた。大船に乗ってしまった僕は、あまりの心地よさに舳先でタイタニックポーズでもお見舞いしてやりたい気分であった。
そんな有頂天の僕に思わぬ危機が訪れる。
栄枯盛衰、盛者必衰の理は世の習いである。
前の打席の30代半ばぐらいの女性が・・
ドライバーを振り上げた瞬間・・
ブッ・・!!
僕は確かに聞いたのだ。
なんせ真後ろのアリーナ席だ。聞き間違えるハズはない。そのこと自体はまぁいい。見ず知らずの女性に「今、ブッコキましたよね?」と聞けるほど僕は勇敢ではないし、肯定されたときのボキャブラリーも持ち合わせてはいない。
彼女も何食わぬ顔で練習を続けている。むしろ彼女にとっては〝想定内の出来事〟で、冷静に不測の損害に対応をしている印象すら受けた。
彼女の芸術ともいえるリスクマネジメントに感心しながら周囲を見渡すと、オジサンたちが哀れみの眼でこっちを見ている!?
・・・・・オッ!
オレじゃねぇ~よ!!!!ヽ( )`ε´( )ノ
完全に想定外。完全なる流れ弾。こんなにゴルフも胃腸もキレッキレの絶好調だったのに・・。それをキッカケに少しずつショットの精細さは陰りを見せ始め、僕は下船を余儀なくされた。やはりゴルフはアクシデントの塊のようなスポーツである。
そもそもがアクシデントは好調時に起こるから〝不測〟になる。好調時は危機管理能力も甘くなりがち。おまけに〝こいつら〟は調子に乗っている人間を好んで主食にする傾向がある。
人間、調子が良いときほど、幸せなときほど注意せねばならない。
リスクはどこからともなく降ってくるのだから。

