眼鏡を外した親父 | 小次郎 ボクシングチャンピオンへの道

小次郎 ボクシングチャンピオンへの道

フルコンタクト空手で日本一を目指してたけど叶わなかったんで高校からボクシングでチャンピオンを目指す物語



中学生活を終えて高校に進学が決まった小次郎さん。

それと同時に、

9年間続けてきたフルコンタクト空手も選手としては一先ず卒業し、遂に念願のボクシングへと転向した。


と言っても

今年初旬から空手は一切やめ受験勉強の傍らボクシング練習は開始していて、

最後の全日本とジャパンカップの結果は練習不足の為に当然の如く敗退。

だが家族全員全く悔いはなく、最後こそ最高の形で仕上げて有終の美を飾るとは真逆の、小次郎らしい中途半端な終わり方であっさり幕を閉じた。


イメージでは勝っても負けても泣きながら親子で抱き合い、今までよく頑張った!なーんて感動のフィナーレだったのに、あまりにも弱すぎて試合後家族で爆笑して終わるウンコ結末

まあ、うちらしいわな(笑)


日本一という目標を掲げて歩んできた9年

結果それは叶わずに終わったが、

単に叶わなかったという事実が残るだけで、それ以上に得るものが多かったなどの美談を言うつもりもない。

悲観しているわけでも全然なく、空手を通して親子で時間を過ごせたことが何より幸せだった。


過ぎ去ればタラレバの話は何とでも言えるんだけど、

小次郎が日本一に成れなかった最大の要因は紛れもなく父親のわたしで、技術面の話をしているのではなく

わたしの拘りの強さが、息子を間違いなく日本一から遠ざけた。


小次郎もそのスタイルを崩したくないと

一緒にどこまでも付き合ってくれたが、

完全にわたしのエゴが息子を強くし、弱くもしたのだった。

弱くってのは、勝ちに対してのだけど。


わたし自身がフルコンのルールに最後まで適応出来なかった、ただそれだけの話。

対応じゃなくて適応ね

ルールが悪いんじゃなくて、ルールを受け入れられなかった、つったらいーのかな。


どのコンタクト競技にもルールがあり、それに順応した者が勝てるのはわかっていたが、

ひねくれ者のわたしにはそれが出来なかったからそこが、いくら強くなっても頂点には立てなかったって理由なんじゃないかな。


けどわたしは誰よりも空手が大好きだったし、空手家が最強だって今でも思ってる。矛盾しとるけど(笑)

そんで次はボクシングよ

ムズい(笑)


全くの別競技で、一緒に始めてみて思ったけど、

顔面パンチがあるかないかなんてそーんな単純なもんじゃなくて、あれはねぇ、

このド素人ニュアンスで表現するのは申し訳ないのだけれど、球技抜いた全スポーツを全て凝縮したような競技。

かなぁ。


要素が多くてやることが山程あり過ぎる!

ダンスリズム?

空手やってたから?同じ格闘技だし?

いやいや、ナメてましたよ(笑)

ナメてはないけど


唯一フルコンタクト空手やっててボクシングに活かせるものがあるとするならば、

試合で殴りあった事があるかどーか、腹の耐性くらいかね


またいつもの様に自分なりメニューを決め、

今度もまた一からだから、ボクシングに必要そうな基礎トレを色々考えて一緒にやってみたけど何かしっくりこなくて、

きっとあれもこれもあり過ぎるからってのもあるけど、

もう何から手を付けて良いのわかんなくなった時に、ボクシング守護神様の何気無い一言で一気にすっ飛んだ。


「ボクシングも正解なんてないと思うので」


これってフルコンの守護神様にも以前言われて救われたなぁて思い出した。


空手もそうだったが色んなタイプ、技、選手がいる中で、どれも全部ミックスして練習しようとするならば、

何年あっても月日が足りない。

小次郎にはそれをやらせたから遠回りしたけど、

ボクシングはもうスタイル決めちゃおうと思って。


練習だって3年もないのだから、だったら出来る事は不得意を無くすではなく省いてやること。

フルコンの反復で身に付いた動きと出来なかった動き、

小次郎の特性を知ってるのはわたしだけだから

それを活かしてやるのが今回の目的だ。


無理なもんは何年やっても無理だった。

でもそれは無駄じゃなくて無理だとわかるまでやったから気付けたことなんで

空手練習でやってきたことは何一つ無駄じゃない。


練習は得意を伸ばすことよりも苦手を見つけることの方が目的としては正しい。

得意を強化するのは鍛練であって練習ではない。


わたしは小次郎の弱点と苦手を全て知っている。


世間一般の親子で成功するプロアスリート一番の理由は、そういうことなんじゃないかな。

父親が教えたから巧くなる事なんか1つもないからね。

勝ったり優勝する時って意外と親の方がビックリしてるもんだし、

もしそれを勝って当然だとか自分のお陰で息子が強くなったと勘違いしてる親いたら笑える。が、

ケッコーいるもんだよ


だからとりあえずボクシング練習一通り全部やらせて、

反復しても無理そうなものはドンドン省いたる!


けどこれでやっと、うちらの大好きなバチバチの打ち合いが出来るな小次郎。

フルコンでモヤモヤしてきた経験を、ボクシングで払拭しようぜ。


Jr.フルコンねぇ、マジで近すぎ(笑)

抱きつき合戦はもうおしまい


何にせよ、

小次郎親子に協力してくれたイチハル親子と守護神様、

道場の先生、協力してくれた数少ない親子に改めて

ありがとうございました。


スパーリングも練習も結果最後まで、小次郎はわたしとしかしていない。

全日本だろうが何の大会だろうが、

殆んどが親子練習だった。


誰ともスパーせず、同年代と殆んど組手せず、

全日本出てたの小次郎だけでしょきっと。

ヤバイよな

毎回試合出てみないとわかんないっていう


なので息子の勝ちの重みって人とは違うのさ。

だから思うのよ親のくせに

小次郎が絶対最強だったってね



さぁて今度はボクシング、日本一狙いますか。

風真君、待っててね


高校入学した小次郎は初日の対面式に全校生徒の前で堂々と、

「ボクシングでインターハイ制覇します!」

と啖呵きっちゃったらしいので、

後3年間はきっちり付き合ってやる

今度は親の意向じゃなく本人の意思で。


更に言えば今度はボクシング部員の仲間がいる、
先輩もいるし、もう1人じゃない。
小次郎にとってそれが何より嬉しい
そして部活で基礎をやって帰ってた状態に、わたしとの練習で更に磨きをかけられる。
これが理想だったから、もう最高の環境と言える。

部活やって帰ってきたら自宅で父親との練習。
9年腹の殴り合いを親子でやってきて、
でかくなった息子と今は顔面殴り合う過酷な人生のわたし。
身長も体重も追い越されたのに息子に顔面殴られるわたし。
仕事で疲れてても息子に顔面殴られるわたし。
それをちょっと楽しんでるわたし。

けど眼がめっちゃ悪いから眼鏡外して、殆んど見えないボヤけた状態でスパーしなきゃだから、
小次郎が帰ってくる1時間前くらいから眼鏡外してシャドーして慣らしとく真面目なわたしなのであった。

なのに、今日疲れたから家練無しでいい?
なんて言われて仕方なく、
寂しそうに眼鏡をかける父親の心境を、小次郎はどこまで理解してくれているのだろうか。泣

ーーーーー守護神様のご子息で小次郎の憧れ

愛知のフルコン最強兄弟、M君R君、

きみらにも会えて本当に良かった!


Fの真髄は、フォロー&カウンター&フル


基本はロー

攻撃は逃げずに体でまともに受ける、

痛み耐性が強化されたら打たれながら打つ練習をして

カウンターのタイミングを掴む、

追撃はシュシュシュシュうるさい見せ掛けだけのぽこぽこパンチではなくフルスイングでフォロー、

逃げない、下がらない、

ルールに勝つのではなく、ドツキ合いに勝つこと。

これを最後まで貫けたんで全く悔いはない。


フルコンで培った反復を、根性を、

今度はボクシングに活かして最後までやりきれ!


長く、そしてあっという間だった中身の濃い9年間

あの運動神経ゼロでデブで不器用だった息子も、

努力すりゃあここまでなれるんだよと両親たちが学べた幸せ時間でした。






てなわけでこっからは

小次郎空手辞めてボクシング日本一への挑戦

始まり~