ユダヤ暦 【前半】バビロン捕囚の影響 置閏法 宗教暦と政治暦 ユダヤ紀元 ユダヤ暦年中行事・祈り
ユダヤ暦 この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2012年8月) Today 火曜日 AD2017年 8月22日 AM5777 アブ 30 [更新] ユダヤ暦 ユダヤ人およびユダヤ教 宗教[表示] テキスト[表示] 民族[表示] 宗派[表示] 他の言語[表示] 歴史[表示] 政治[表示] ユダヤ暦(ユダヤれき、ヘブライ語:הלוח העברי、英語:Hebrew calendar)は、ユダヤ人の間で使われている暦法である。目次 1概略 2バビロン捕囚の影響 3置閏法 4宗教暦と政治暦 5ユダヤ紀元 6ユダヤ暦と、ユダヤ教の年中行事・祈り 7注釈 8関連項目 9外部リンク概略ユダヤ人はこの暦法をヘブライの月の算出に用いる。それによって読むべきトーラーを決め、その日に読むべき聖詩を定め、祝日を定めている。正月にあたる「ニサンの月」は大麦の収穫の始まりを祝う月でもある。バビロン捕囚の影響「ニサンの月」は別名「アビブの月」というように、月名が2つ存在するのは、バビロン捕囚期(『列王記』までの時代と『エズラ記』より後の時代の中間期)にバビロニア暦の影響を受けて月の名に変化があったためという説がある[1]。このニサンという月名もバビロニア語の「ニサンヌ」に由来する。バビロン捕囚から解放された後の時代を描いている『エステル記』の3章7節に「ニサンの月」という月名があらわれる。置閏法太陽暦のグレゴリオ暦とは異なり太陰太陽暦である。第13月(閏月)の挿入は19年に7回の頻度(メトン周期)で行われている。宗教暦と政治暦古代ユダヤには、春から1年が始まる宗教暦(または「教暦」「新暦」ともいう)と、秋から1年が始まる政治暦(または「政暦」「旧暦」ともいう)との2種類があったが、ユダ族(南王国)では後者を使っていたため、その流れで現代のユダヤ暦も政治暦のほうに準拠している。宗教暦の年始めの月はアビブの月で、今の太陽暦(グレゴリオ暦)では3月から4月の時期にあたり、中国の陰暦では仲春(旧暦の2月)または季春(旧暦の3月)にあたる。政治暦では秋から新年が始まるのでこの月は7番目(閏年では8番目)になる[2]。バビロン捕囚後にあたる時代を描いた『エステル記』に月名がでてくるが、『エステル記』ではテベトを「十月」、シワンを「三月」と呼んでいることから春から始まる宗教暦だったとする説と、月名としての「十月」や「三月」は必ずしも1年の始めの月から数えた数字とは限らない(古代中国の顓頊暦の月名や現代の英語の月名などに例がある)ので秋から始まる政治暦であっても問題ないとする説の両方がある。単純にこの頃(『エステル記』の後の時代)に宗教暦から政治暦に移行したというわけではなく、北王国滅亡以降は政治暦を主としつつも古くから両者が並行していた。ユダヤ紀元詳細は「en:Anno Mundi」を参照創世紀元(そうせいきげん)、宇宙創世紀元(うちゅうそうせいきげん)、あるいはユダヤ紀元(ユダヤきげん)は、ユダヤ教において神が世界を創世した日とされる西暦換算で紀元前3761年10月7日を紀元とする紀年法である。グレゴリオ暦との間では差があるため、現在の西暦と日付は対応していない。ただし、これは中世に算出されたもので古代ユダヤ史とは関わりがない。ユダヤ暦と、ユダヤ教の年中行事・祈り 色 起源 I 旧約聖書に記述のあるもの。太字は三大巡礼祭(出エジプト記23:17) II 旧約聖書の故事や、その後のユダヤ教史で形成 III 近代に形成(現代イスラエル) IV 失われた祭儀 月 日数 日 礼拝、行事など グレゴリオ暦の月 (参考:バビロニア暦) 古代の暦 (cf.カナン暦) 現代のユダヤ暦 Nisannu アビブの月Abhibh ニサン Nisan, Nissan 30日 1 ローシュ・ホーデッシュRōš Hōdheš(=新月)の礼拝 3月/4月 13 ベディーカト・ハーメーツ bədhīqath chāmētz 14 タアニート・ベホーロートTa'anit B'khorot初子の断食 15–21 ペサハ(過越し祭) Pesach,Pasch, Passover 21 (ペサハ最終日) イズコールYizkōr詠唱 16–翌々月5 オメル(‘Ōmer) 27 ショアの日(ホロコースト記念日)Yom HaShoah ziw mu, Ayyaru ジブの月 Zīw(Zif) イヤール Iyyar 29日 1 新月の礼拝 4月/5月 4 イスラエル戦没者記念日 5 イスラエル独立記念日 18 オメルの33日(ラグ・バオメル)לַ״גבָּעׂמֶר Lag Ba‘Ōmer ティベリアではシモン・バル・ヨハイ祭(ヒッルーラー・デラッビー・シムオーン・バル・ヨハイ)が行われる Simanu 三月 シバン Siwan,Sivan 30日 1 新月の礼拝 5月/6月 6– ペンテコステ(Pentecoste、五旬節)、シャブオット(七週の祭り)cf.en:Whitsunday 7 イズコール詠唱 Dumuzi, Du‘uz 四月 タムーズ Tammūz 29日 1 新月の礼拝 6月/7月 17 タムーズの17日 Abu 五月 アブ Abh,Av 30日 1 新月の礼拝 7月/8月 9 アブの9日Tisha' b'Av elulu 六月 エルール Elul 29日 1 新月の礼拝 8月/9月 Tashritu エタニムの月 Ethanim ティシュリー Tishri 30日 1–10 1,2 新年祭、ローシュ・ハッシャーナー 9月/10月 1–10 畏れの日々(ヤミーム・ノライーム) Yamim Noraim 3 ゲダリヤの断食 Fast of Gedaliah(Tzom Gedaliah) 9 贖罪式(カッパーラ)kapparah 10 大贖罪日(ヨム・キプール、ヨム・キップール)Yom Kippur。イズコール詠唱 15–21 仮庵の祭り(スコット) Sukkoth(Feast of Tabernacles) 15 イスラエルでは祝日 16 イスラエルでは祝日 17–19 Chol haMoed。イスラエルでは半日休日 20 半日休日 21 ホシャナ・ラバHosha‘na rabba。イスラエルでは半日休日 22 シェミーニー・アツェレットShmini ‘atzereth。イズコール詠唱 律法歓喜祭(スィムハット・トーラー)Śimchath Tōrāh,Rejoicing over the law Arukhsamu 八月 マルヘシュバン Marchešwān,Cheshvan 29/30日 1 新月の礼拝 10月/11月 Kislimu 九月 キスレーヴ Kislew,Kislev 29/30日 1 新月の礼拝 11月/12月 25–翌月2/3 ハヌカChanukkah T‘ebetu 十月 テベット T‘ebheth 29日 1 新月の礼拝 12月/1月 10 テベットの10日Asarah beT‘ebeth shabat‘u 十一月 シュバット Šәbhāt‘ 30日 1 新月の礼拝 1月/2月 15 樹木の新年T‘ū biŠәbhāt‘(ローシュ・ハシャナー・ラ、イラノース) Adarru 十二月 アダル Adhār,Adar 30日 1 新月の礼拝 2月/3月 13 ニカノルの日 タアニート・エステル(エステルの断食) 14 プリム祭Pūrīm 15 シュシャン・プリム Makaruša Addari 閏月 アダル・シェーニー Adhār Šēnī ヴァ・アダル waAdhār, Veadar アダルII Adar II 29日 注釈 別の説では王国時代にすでに北方の部族(北王国)ではバビロニアからの文化的影響で南王国とは別のバビロニア風の月名を使っていた可能性も考えられている。 バビロニア暦の新年は春分を基準として決まり、春分に最も近い朔日(新月の日)が元日である。春から1年が始まるのはバビロニアの他にペルシアもそうであり、秋から1年が始まるのはミタンニ王国やセレウコス朝などがあり、古代オリエントには古くから両方の暦法が並存した。南王国はエジプトからの文化的影響を受けたが、エジプト暦は恒星暦であるので趣旨が異なるが夏の終わり頃が元旦に当たり、ほぼ秋から始まる部類に入る。