NHKスペシアル「御嶽山噴火」ではやはり、10日余り前に地震があったにもかかわらず噴火警戒レベルが1(平常)に据え置かれていたのが議論になっていた。この点については、あの地震が地殻変動や火山性微動を伴わず、火山ガスにも異常が出ていないことから止むを得ない措置だったとされる。

ただ希望としては、今回の事前の地震と同じようなケースがどの程度の頻度であって噴火に結びついたものが何パーセントなのかを知りたい処だった。当方は防災科研(NIED)のVIVAネットで富士山等のデータをよくみるが、それには10火山のデータが扱われているが、御嶽山は含まれていない。気象庁HPの防災情報や各種データ・資料でも御嶽山付近の地震データを見つけれなかった。地震があっても噴火に結びつかないケースが99%だったら、レベルを上げないことは正当だろうが、これまで同等の地震活動があまりなかったのなら、レベルを上げることが検討されるべきだったと思われる。*予知連の先生方はもちろんそのようなデータは検討して判断しておられると思うが、そのような根拠まで説明して欲しかった。

東北沖巨大地震の直後に富士山の直下で地震があり、VIVAネットで基線長が伸びて行った時はマグマが上昇している可能性が考えられ、twitterやブログで情報が飛び交ったが、気象庁としては、噴火予知連があるのだから部外者は黙っておれ、と思われたかも知れないが、一般に生データを公開することは望ましいことだと思う。専門家でなくても結構興味を持って生データを見ている人はいるものだし、特に地元の人達が関心を持つことが防災上、有効であるのではなかろうか?

*Wedgeや毎日新聞の記事によると、御嶽山の地震は2007年の小噴火以来とのことだ。これだとやはり噴火警戒レベルを2に上げることが検討されるべきだったのだろう。後知恵ではあるが、御嶽山での水蒸気爆発は頂上近傍の登山道に影響を与える可能性が高かったのだから。