先日,S大の防災フェロー研修でSさんと岩ノ山と伊雄山にでかけた.
 
雨の予報だったが,降ったのは午後のひと時だけ,赤沢海岸の溶岩流を見に行く時は横殴りの雨で海は荒れているしなかなか迫力だった.
 
伊雄山の山頂には写真のような長径2m近い火山弾が鎮座している.
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火山弾は一般に表面が急冷して内部が発泡した構造を持つが,これも緻密な急冷周縁部が取り巻いている.表面に割れ目が入り恐らく,内部の遅延発泡による膨張で生じたものだろう (上の写真の火山弾の左端が欠けていますが我々の仕業ではありません).
 
余り考えたことなかったが,どのような過程で皮がぐるっと巻くのだろうか? 厚い毛布状のマグマが放りだされて回転しながらロール巻きになるのだろうか.それとも,溶岩の塊が回転しながら放出されて引き延ばされた後に巻くのだろうか.それにしても,着地の衝撃はかなりのはずで,それで分裂せずにいる物性の条件も面白そうだ.あるいは雪巻きのように斜面を転がってできるのだろうか?あまりそうは見えない.バウムクーヘンみたいな出来方?いかん,つい食欲の方向へ話がずれる.
 
表面は赤色に高温酸化しているが,これも必ずしもまだ決着が付いていない.火山弾やスコリアでも黒色のものもあれば赤色のものもある.二次的に熱を受けて高温酸化するという考えもあれば,水蒸気の存在で酸化反応が桁で増えて赤くなるという考えもある.単純な温度と時間を変えた酸化実験はある(Gardener et al.)が,水蒸気の効果はまだ実験的な検討はないはず.簡単に出来て(高校生でもできる)重要なのでやればよいのだが.
 
山頂下の駐車場に戻って,反対側に階段があったので登って,そのまま,火口をぐるっと廻ってみた.三角点がある山頂は火口縁の南西端で,駐車場の付近が南に開いた火口の中心付近に相当している.