金沢から広島へ移った翌年、夏に小畑・西山両氏から「西日本地学の会」というのを九重の大学共同研修センターでやるので何か話さないか、と言われ、そこは物理屋さんと地学の人間が集うとのことだった。丁度、高安秀樹さんが出された「フラクタル」と言う本を紹介された読んだところだったので、やっつけ仕事で手元にある火山サイズ分布や火山噴火規模分布を調べてlog-logプロットしてみたら、けっこうフラクタル的(自己相似:特徴的なサイズがない)であったので、それを持って行ってしゃべった。あの本に「フラクタル病(何でもフラクタルに見えてしまう病気)」のことが書かれていたので、それをもじって、フラクタル病の罹ってみる方針でやったと述べた。火山噴火がフラクタル的であることを述べ、最後に雨上がりの散歩の際に写した一定流量から溝を流れる雨水が周期的な波を生じる写真をスライドで写してフラクタルとは逆の例もありますとした。京大の流体力学の巽友正先生が、それはBatchelorの教科書に出ている流れの表面で生じる波です、とコメントを下さった。この集会ではI先生とGさん、等、いろいろな出会いがあったようで、当方にとっても思いで深い研究集会だった。