そろそろ団塊の世代の教員が定年を迎える。当方はあと3年だ。団塊の世代は、同じスペースで人数が詰め込まれたためか、闘争心が盛んで大学生時代は大学紛争が起きた。丁度学部の4年の時に紛争で3ヶ月ストライキになり、その間建物はバリケードが張られ、その中では「社会学系」の本のゼミがあったりして、ノンポリの当方も論理学入門や難しいマルクスの本を眺めたりしたのは悪くはなかったと思う。教室では「団体交渉」がおこなわれ、なんとなく学生は教官を突き上げねばという雰囲気が強かった。その折あまりそのようなことに慣れない助教授の先生を、「○△トンカチ」などと呼んであげつらっていたが、最近になって、その先生が研究では目を見張る実験をしておられたと聞き、学生時代の不明を恥じる次第。理学部長は久保亮五先生で、その団交の情景は今も覚えている。小柄ながら毅然とした先生で、頑固な態度に業を煮やした学生が「専門馬鹿」と罵ったら、久保先生は平然と「君らはただの馬鹿だ」と言い返したという逸話が残っている。