中央本線の富士見駅までの延伸開業に伴い1904年に開業。時間短縮や複線化を目的とする新線の完成により1980年に廃止された。3本のトンネルが残されており、通れるのは1本のみ。旧立場川橋梁は全国的に珍しいボルチモアトラス橋である。

 

探索日:2018年1月21日

 

中央本線富士見駅。

旧線はここから数百メートル東へ行った所から分岐していた。

 

現行線と旧線の分岐地点。旧線は左へと分かれていく。

 

掘り割りになっている。トンネルの坑口付近から下りようとしたが、急斜面過ぎて断念。結局、分岐地点のすぐ近くにスロープ状の坂があったのでそこから路盤へ下りることにした。

 

架線柱が残っていた。路盤上はご覧の通り葦がぼーぼーだった。

 

水路橋だろうか。

 

振り返って一枚。奥が富士見駅方面。

 

いよいよさっきからチラ見えしていたトンネルへ。

瀬沢トンネル 富士見側坑口。石造りの重厚なポータル。

 

トンネル内には水が。水路として使われているようだ。葦の原因は水が豊富だったからか…

 

奥には漆黒の闇が待ち受けている。

 

 

真っ暗。PCならカーソルを合わせればうっすら見えるかな?

 

廃材が散乱。

 

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退避用の横穴。

 

安全は目の前と君の心から。この標語、誰が書いたの?

 

ようやく出口が見えてきた。

 

瀬沢トンネル 信濃境側坑口。

 

銘板があったが擦れていて読めなかった。水路関係の銘板のようだった。

 

水路はその先へと続く。

 

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謎の小屋。電気関係の設備が置かれていたのだろうか。

 

瀬沢トンネルを抜けると、いよいよ今回の大取り旧立場川橋梁が見えてくる。

 

単線分の築堤。

 

橋梁上は立ち入ることが出来ないように柵が設置されている。近くには動物用の檻が。別の檻にはハクビシンがかかっていたので、この辺りは動物が多く生息し、その分獣害も多いのだろう。

 

この上を渡った猛者は日本に数人くらいはいるだろうが、この薄いコンクリート版に命を預けることは私には到底出来なかった。

仕方ないので近くの道路で川を渡ってから、川沿いに斜面を伝い迂回する。

 

下から見た写真。廃線跡とは思えないくらい贅沢な造り。あと、その巨大さに驚いた。

 

 

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並行して走るのが現在の立場川橋梁。構造はコンクリートラーメン橋。

 

遠景から。

 

 

 

旧立場川橋梁の反対側まで来た。生態調査のモニタリングなのか、動体検知カメラらしきものが設置されており、テントもあった。前を通った瞬間、赤いランプが点滅し始め…録画されてる…人間ですごめんなさい。

 

勿論、こちらにも柵が。

 

姥沢トンネル 富士見側坑口。さっきの瀬沢トンネルとは異なり、内部に立ち入ることは出来ない。

旧立場川橋梁を渡った所にある。

 

鉄格子の間からパチリ。両脇の落石が目立った。

てくてく歩いて反対の坑口まで迂回します。

 

姥沢トンネル 信濃境側坑口。コンクリートで埋められてしまっていた。換気用の穴から覗くと遠くに光が微かに見えた。

 

背後が姥沢トンネル。路盤は富士見町のグラウンドに姿を変えた。

 

続いて乙事トンネル 富士見側坑口。

こちらも同様に坑口に蓋をされている。グラウンドを挟んで西に姥沢トンネル、東に乙事トンネルという構図。反対側まで迂回する。

 

乙事トンネル 信濃境側坑口は完全に地中に埋められており、痕跡は全く残っていない。Googleマップ(こちら)を見ると土地区画にうっすら路盤が分かる程度。線路が通っていた場所は、今は農業集落排水事業 乙事地区処理場になっている。

 

現行線との合流地点付近。

 

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現行線と並行した空き地に、埋もれかけた架線柱が残っていた。

 

 

小さな踏切の少し富士見寄りにガーター橋が残っていた。

 

近くへ行ってみたがプレートは特に無かった。

 

以上で今回の探索は終了です。富士見駅までは、新宿から特急スーパーあずさと普通で2時間10分。特急料金はかかってしまうものの、東京から2時間でこのクオリティの廃線を探索できるのは中々ないのではないでしょうか?もちろんケチりたい人は18きっぷでもいいんですよ(笑)主要幹線の旧線の廃線を探索する時にいつも思うのですが、複線化なら線路容量が足りないで切り替え理由として分かるのですが、短略化についてはどれほど意味があるのかと疑問に思ってしまいます。言っても数十秒なのではないでしょうか?それでも何か所か積み重なれば数分の短縮は出来ると思いますがね。瀬沢トンネルなどは初めての方には難易度が高いかもしれませんが、旧立場川橋梁なら気軽に楽しめると思います。

皆さんも是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

それでは!

 

〇Wikipedia立場川橋梁

 →こちら

 

〇行田写真館別館 なつかしの1枚 vol.1

 旧立場川橋梁が現役の頃の写真が載っています。

 →こちら

 

〇みけねこのホームページ 中央東線 立場川橋梁にて

 旧立場川橋梁が現役の頃の写真が載っています。

 →こちら

 

〇歩鉄の達人 中央本線旧線(富士見駅~信濃境駅)

 →こちら

 

〇YouTubeで現在の旧立場川橋梁の姿がご覧いただけます。

 動画の所有者によって他サイトからのアクセスは無効化されているみたいなので、この動画はYouTubeでご覧ください。をクリックして見て下さい。

 

≪その他の活動媒体≫

〇Twitter基本タイプ

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【廃線探索ナンバリング №25】

 

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