第34回新潟2歳S(GⅢ) | 下町育ちの馬券王 ~JRA全重賞予想大会・一口所有馬近況~

第34回新潟2歳S(GⅢ)

 後方が不利な常識が敵となってしまった先週の札幌記念は強烈な捲くりを決めた2頭に脱帽。ちなみにハープスターの遠征費用は1口当たり37,500円であることが判明。帯同馬を使用しないことや期間が短いにしても安価に収まった模様。

■新潟11R(15:45)・第34回新潟2歳S(GⅢ)
◎⑰ナヴィオン
○④ミュゼスルタン
▲⑦アヴニールマルシェ
△①ブリクスト
△⑮ワキノヒビキ
☆⑥ギンパリ
☆⑧ヒルノマレット


三連複⑰軸 ①・④・⑥・⑦・⑧・⑮ 計15点


 ◎⑰ナヴィオン。新潟マイルの新馬戦を1分37秒台+上がり33秒4以内で勝ち上がった馬は昨年までにわずか7頭。その中にはオルフェーヴルやジャスタウェイ、ショウナンパントルのGⅠ馬を筆頭に全てが後の重賞勝ち馬。年々、高速馬場と馬自体が進化しているので一概に括るのは難しいが、それだけ前走のデビュー戦で見せたパフォーマンスは強烈だった。4角14番手から徐々に加速して上がり32秒7。負かした2~5着馬が4角で1~4番手以内にいた顕著な前残りの競馬を差し切ったことにも価値がある。奇しくも橋口厩舎×ハーツクライ産駒は今年のダービー馬に輝いたワンアンドオンリーと同じ。また同産駒は3年前に2着だったジャスタウェイも輩出している。重賞で本命にすることまずない鞍上の的場(シャイニーホークの絡みで騎乗依頼)だけが気掛かりだが、前走同様に不用意な動きをせずに直線まで待つことができればあとは勝手に馬が弾けてくれる。


 ○④ミュゼスルタン。実は本馬のデビュー戦も先に挙げた過去に7頭しかいない条件に当てはまっている。但し、外から差し切ったのではなくインコースが運良く空いたようにも見えたレースぶりと大トビではなく回転が速いフットワーク、年間10勝程度しかできない関東のお荷物厩舎であることを考慮して対抗評価とした。直前は芝での軽い追い切りだったが、先週にウッドで負荷を掛けており間隔が詰まっていることを考えれば上出来。鞍上のヨシトミが騎乗して新馬戦を勝った馬が他にも2頭出走しているが、即答で本馬の騎乗の受諾。背中が素晴らしく、かなりのモノを持っていると鼻息が荒い。


 ▲⑦アヴニールマルシェ。デビュー前の5月の時点で話題になっていた藤沢厩舎×ディープインパクト産駒。祖母にキョウエイマーチがおり、姉サンブルエミューズと兄グレナディアーズも同じキャロット所属で共に2勝馬。東京1800mの新馬戦を快勝したことや血統背景、厩舎で人気になっているのは頷ける。先週終了時で40勝はリーディングタイで厩舎は好調だが、相変わらずの馬なり調教には不満が残る。馬主体で育てていく方針には理解はできるが、あれだけの良血馬を確保していながらクラシック無冠ならばテコ入れが必要だろう。単勝2.0倍だった前走は2着馬も次走で勝ち上がっているが、前半1000mが65秒3の超スロー。意図的に控える競馬をしながら今回は流れの速いマイル戦へ。上がりは33秒台でまとめたが、ただでさえ過剰気味なので人気ほどの信頼があるとは考えにくい。馬自身にとっても試金石となる一戦。年内の目標はやはり師が大好きな秋の東スポ杯か。


 △①ブリクスト。チチカステナンゴ産駒でパワーが求められる中京の新馬戦を一発でクリア。自身の上がり34秒4は上がり2位に0秒6差。ラスト3ハロン11秒5→11秒6→11秒8の流れを強引に差し切った瞬発力は見事。並みの同産駒と考えないほうが良いかもしれない。前走のような立ち遅れは解消してもらいたいが、他の1戦1勝馬が人気になっており、ダークホース的な存在。


 △⑮ワキノヒビキ。メンバー唯一の2勝馬。1400m→1400mの連勝で1ハロン延長(母父サクラバクシンオー)と間隔が詰まっていることは気になるが、前走は内回りの競馬ながら直線では仕掛けられると素早い反応で並ぶ間もなく他馬を突き放したレースっぷりに奥の深さを感じた。


三連複⑰軸 ①・④・⑥・⑦・⑧・⑮ 計15点


 10年前になるが04年のワンツーだったマイネルレコルト(朝日杯FS)、ショウナンパントル(阪神JF)はそれぞれ2歳王者へ。07年1着のエフティマイア(翌春の桜花賞とオークスで連続2着)、08年1着のセイウンワンダー(朝日杯FS)、11年2着のジャスタウェイはクラシックに縁がなかったものの、古馬になってドバイDFと安田記念勝ち。そして昨年ワンツーのハープスターとイスラボニータも翌クラシックを沸かせる存在となった。先月行われた函館2歳Sは1200mなので、新馬戦開幕の時期が早まったことも相まって夏のマイル重賞が本レースだけであることを考えると今後も更に出世レースとなる可能性が高い。


 過去10年(05年が重馬場、08年が不良馬場)の1000m通過時計を紐解くと60秒を切ったのはレコード決着だった一昨年の12年のみ。この年は大逃げの馬がいたことが要因だが、例年の平均が60秒4で直線までレースが動くことは少ない。しかしラスト3ハロンのラップは11秒台を連発するように決め手が非常に活きる舞台となっている。雨の心配がない今年も直線の攻防に注目。直近5年の連対馬10頭のうち8頭が4角10番手以降。先行馬では10年2着のマイネルラクリマのみが2番手から粘っているが、古馬になってからの活躍をみてもこれには納得ができる。


 馬券内の30頭のうち約半数の13頭が3人気以内。2桁人気の台頭も6回あるが、同じ年に2頭が絡んだことはないものの三連複万馬券は6回とキャリアが浅い馬たちの争いなだけにある程度の波乱は見込んでよさそう。また昨年の勝ち馬であるハープスターを筆頭に牝馬は5年連続で馬券絡み。瞬発力勝負で人気薄となって突っ込んでくる傾向がある。今年は該当馬不在と判断して牝馬は押さえていないがどうなるか。


 馬券は◎からの均等ながし。印上位3頭の人気3頭で決まってしまうと配当は10倍前後だが、その組み合わせには目をつぶる。また決め手勝負と判断して◎○からの2頭軸総流しもオマケの保険で押さえておく。