第50回札幌記念(GⅡ) | 下町育ちの馬券王 ~JRA全重賞予想大会・一口所有馬近況~

第50回札幌記念(GⅡ)

 今夏一番のビッグマッチは北の大地で古馬の大将と3歳桜花賞馬の競演!土曜小倉9Rに出走したラブラバードは相変わらずの過剰人気だったが人気に応えられずまた2着。


■札幌11R(15:25)・第50回札幌記念(GⅡ)
◎⑤ゴールドシップ
○②トウカイパラダイス
▲⑥トウケイヘイロー
△①ロゴタイプ
△⑪ラブイズブーシェ
△⑧ハープスター
☆⑦エアソミュール
☆③タマモベストプレイ


三連複⑤軸 ①・②・③・⑥・⑦・⑧・⑪ 計21点


 ◎⑤ゴールドシップ。一昨年の3歳時は皐月賞で軽視しながら後追いのダービーで本命。昨年の天皇賞も自信の大本命でぶっ飛び。馬券の相性が悪すぎて買い時が完全に裏目っているが、本馬を本命に挙げるのは昨年の京都大賞典以来。近走は常に2番手以下の評価に留めてきたが、鞍上がノリになっても横綱相撲で他馬をねじ伏せた前走の宝塚記念は素直に強さを認めなければならないものだった。前残りの展開で2着カレンミロティックに3馬身。東京や京都の軽い馬場は不向きだが、底力が問われた際には泣く子も黙るポテンシャルを誇っている。凱旋門賞への渡航費用は1億近く掛かるとも言われており、個人馬主にはシビアな問題になってくるが北海道の芦別でネジを生産している小林氏から須貝厩舎の僚馬ジャスタウェイが帯同するなどメリットもあることで今年は重い腰を上げて遠征プランを発表した。


 中間は2週前の8日に函館競馬場に入厩をして先週と今週の2度にわたり主戦のノリが志願して追い切りに騎乗。放牧中も乗り込まれていたものの、やや太め残りが気になるが定量の57キロで出走できるだけに死角が少ない。今週から札幌芝は仮柵が6m外に移動してAコースからCコースへとコース替わり。荒れた小倉の芝と見比べても土曜のレースは逃げや先行馬が残っており、強引に捲る競馬が得意な本馬にとってマイペースでレースを進めて宝塚記念のような横綱競馬を見せつけて欲しい。


 ○②トウカイパラダイス。洋芝適性の高いトウケイヘイローの刻むラップに付き合ってしまうと息が上がってしまうが、逃げ切りに限っては困難とされる本レースの傾向を逆手に取ると3走前の大阪杯のように2,3番手で進められる本馬に展開利が見込める。早め先頭に立ってしまった2走前の鳴尾記念は自滅。前走の函館記念(9着)はまさかの逃げの手に出たが、他に先行していたグランデッツァ(10着)、ゼロス(15着)、バウンスシャッセ(16着最下位)らも息が持たなかったように後方有利の展開。内枠を引き当てマイペースで無欲の走りが出来れば上位争いが可能。奇しくも鞍上の柴山は5年前のブエナビスタを破って金星を挙げたヤマニンキングリーに騎乗。以降重賞勝ちがないのは偶然かもしれないが、今季は先週終了時で30勝に到達。特に6月の函館開催以降は2ヶ月で20勝の超ハイペースで勝ち鞍を量産しており、人気薄ながら対抗評価に浮上。


 ▲⑥トウケイヘイロー。先に挙げたように札幌開催の過去5年の逃げ馬は9,12,12,7,10着と苦戦傾向。昨年は函館開催の函館記念→札幌記念を連勝したが、意外にも札幌競馬場は初出走。それでもコース形態や芝状態が似ている昨年暮れのシャティン(香港カップ)で2着に肉薄しており、洋芝適性が高いのは証明済み。3走前の中山記念で冒したお粗末な出遅れは勘弁願いたいが、放牧先から無理をすれば使えた函館記念をパスしてココを叩き台と考えていないと陣営からもコメントが出ており力が入る。シンガポールまで帯同した四位が引き続き手綱を取り、函館・札幌開催の札幌記念としては初の連覇を目指す。


 △⑧ハープスター。単勝1.3倍だった前走のオークスで再びやってしまった差し損ね。落鉄のハンデがあったにせよ、正攻法でレースの流れに乗っていれば…と昨年の阪神ジュベナイルFに続く2度目の惜敗だった。ゴールドシップがいることで単勝が前売りで3倍前後で推移しているのを見ると、52キロであっても小回りや最後方からの競馬など不安材料は誰もが感じているところ。中間は7月末に札幌競馬場に入厩して、今週水曜の最終追い切りでまたもや落鉄するアクシデントがあったが外傷などのトラブルはなく順調に来ている。捲くりの競馬ができないこと、追い込み馬には不利となるAコースからCコースへのコース替わり。配当を大きく左右する存在なだけに、逆境を背にどこまで健闘できるかに注目。


 また凱旋門賞遠征プランについては5年前を参考に。マツパク厩舎の先輩であるブエナビスタ(道中の位置は1角10番手、4角8番手/16頭)の敗戦から早5年。当時現地で観戦しており、私を含めて誰もが勝利を信じていたのは単勝1.5倍のオッズからも想像ができる。差し届かなかった会場の重苦しい雰囲気を経験できたのは貴重な思い出。そして2着に敗れたことで事前に発表していた遠征プランについてはレース後すぐに白紙と発表された。当時は2週前の時点でフランスへの行程も発表されていたが、ハープスターの場合はキャロットの会員サイトを通じても具体的な日取りや遠征プランについて一切の説明がない。オークスの結果を待たず桜花賞直後にクラブの会長が突然ぶち上げた遠征プラン。話題が独り歩きし、陣営からも取り繕ったコメントに真実味がない点からも秋は国内の競馬に徹することになるのが濃厚と感じる。ちなみに一般的な3歳牝馬が秋に歩むローズS(5,000万)、秋華賞(8,900万)、エリザベス女王杯(9,000万)を3連勝したと仮定すると1着賞金の合計は22,900万。若輩の一口馬主から言わせてもらうと、1億近い損害(この表現が必ずしも正しいとは限らないが)や体調不良の不安が伴う夢よりも現実の賞金を掴みに行ったほうが得策ではないか。


三連複⑤軸 ①・②・③・⑥・⑦・⑧・⑪ 計21点


 定量戦になったのは06年から。参考となるのは馬インフルエンザで開催時期が変更となった07年と函館開催の昨年を除いた6回。馬券に絡んだ18頭は全て9人気以内で15頭が5人気以内とGⅡの定量戦らしく堅い傾向。配当も三連複12倍~95倍と全て万馬券には至っていない。ちなみに参考外の07年は三連複495倍、昨年も204倍と大波乱。牝馬は勝利こそないものの過去4回で2,3着に台頭しているが、今年の該当馬であるハープスター、ホエールキャプチャの両馬は適正距離などから厳しいと感じる。


 馬券はハープスターの着順次第によって大きく変わってしまうが、高配当を狙いに行くならバッサリもありだろう。しかし推奨馬券としては念のためハープスターを押さえに回して◎からの均等ながしと偏ったオッズなのでトリガミにならぬよう⑤軸①⑥⑧⑪の計6点を厚めに買い増す。